32話 重ね合わせの狭間
ジェニス
「次に我の世界に干渉しない事だ
世界を我は見守っていきたい」
星の売却人
「私はお前に興味がある
精神体のコピーをこの星へと売り払ってくれ
それで手を打とう」
ジェニスはそれを受け入れて精神体コピーを情報として売った
この世界の住人はそれを聞いて、安心と喝采を出した
星の売却人
「この星はジェニスのいる世界で言えば神みたいな存在だからな
だから永遠の生の為に、無限以上のセキュリティを望んでいたんだ
お前はそれを今達成させたのだよ だからこそ感謝されているのだ」
その無限以上の感謝に対してジェニスは対価を求めたのだ
ジェニス
「この瞬間最大の対価で問おう
エレッカはどこにいる?」
星の売却人は汎用超知能ホモデウスとなっているので
直ぐに情報を求めた
多世界を回り巡ってやっと見つけた
星の売却人
「驚いたな 彼は多世界のどこにも存在していなかった
しかし重ね合わせの狭間で存在しているのだ」
ジェニス
「重ね合わせの狭間?」
星の売却人
「あぁ、崩落量子の世界だ
量子演算が狂った事をきっかけに発生している崩落した多世界の一つだ
しかし多世界として認識されない不安定な量子コードを持っている
だから多世界と認識されていなかったのだ」
ジェニス
「評価星では高評価にならないのか?」
星の売却人
「スクラップと化した世界だからな
不動産物件からは廃棄世界に指定されている
その為、狂った量子コードの情報が更に狂いを増しているのだ」
ジェニス
「エレッカはそこで何をしようというのだ」
星の売却人
「エレッカは開闢箱というジョークグッズを持ち出しているな
いや、これは…やばいな」
ジェニス
「何がやばいのだ」
星の売却人
「量子演算が狂っているからこそ
この開闢箱に積まれた思いの強さが引き金になるのだ
彼は世界を作り出そうとしている
多世界を創った住人、創生者になりかわろうとしているのだ
創生者はこの多世界の上の住人だ」
ジェニス
「あぁ、冒険迷宮を目指していた彼ならやりかねないな…
どおりであんだけ輪廻貴族に対して敵意向けてたんだな」
ジェニスはその不安定で狂った量子コードの世界へと転送させてもらう事にした
星の売却人ホモデウスと脳内ネットワークと無限スパコンと無限対数量子コンピュータのフル活用によって
ジェニスは崩落量子の世界へと転送したのだった




