アダルベムトの惨劇1
統合暦14056年それは突如として始まった。
エルー・アスパニ皇国がグルバニア王国に進軍したのだ。もちろん、グルバニア王国もエルー・アスパニ皇国との間に小競り合いが起きていた為に、第10〜第17までの偵察飛竜分隊と少しの歩兵部隊を配備していたが、準列強のバックアップを受けている皇国軍の敵ではなくすぐに壊滅に追い込まれた。
国境の町アダルベムトは第15〜第17までの偵察飛竜分隊の基地があり、国境を守るのとは別に歩兵部隊がいた。
〜アダルベムト付近の丘〜
「ほ〜う、あの町がアダルベムトですか……
なるほど、少し手応えが有りそうですねぇ」
そう感心したように言っているのがエルー・アスパニ皇国第3竜師団所属第12連隊長アレシュ・バルツァル準伯爵兼大佐で、
「いつでも攻撃は可能です。歩兵、銃兵、魔導師、竜騎兵は全員待機しています」
こう真面目に言っているのが隣に居る副連隊長のゾルターン・ヤルク子爵兼中佐である。
「では、伝えてください総員攻勢開始と」
そう言ってアレシュは大声でこう言った、
「皆さん、私はあの町を占領する途中に"なに"が行われようと"一切"咎めません。ですから好きな事をして下さい。」
それを聞いて兵士達は「オォ〜!」と雄叫びを挙げ、前よりも猛烈に士気を上げ、戦意を多くしたのだった。
アレシュはそれを見て小声で
「強姦、殺人、金品略奪、犯罪は兵の士気を保ち、上げるために必要なのです」
こう呟き、下卑た笑みを浮かべた。
エルー・アスパニ皇国の爵位は上から
公爵:皇族の血筋の人間がなる(名誉職によく着く)
侯爵:皇国の最高幹部クラス(大臣や上位将官)
伯爵:幹部クラス(局長や下位将官〜上位佐官)
子爵:管理職クラス(高級官僚や下位佐官〜上位尉官)
男爵:貴族としては下っ端(官僚や下位尉官)
また、特別良い働きをすると一代だけ準○爵というように一つ上の位と同じ扱いになる。例;男爵→準子爵 平民→準男爵