シャルナがこだわる文房具
翌日、私達は文房具屋に来た。
店のドアを開けると、
カランカラン
という鐘の音が聴こえ、中に入る。
「ハァァァァァ!」
ついつい私は、幸せのため息をついてしまった。
「幸せのため息出てるぞ〜シャルナ」
「しらたなかろう。いつもこうだしね」
2人の声が聞こえない程文房具に夢中な私。
「ハァァァァァ!最近発明されたシャイペン!黒鉛を細くし、0.5mm程で一定の丸さで書けるッハァァァァァ♡」
《シャイペン=シャープペンシル》
目を光らせ、ほんのり頬を赤らめ、まゆが上から下へ垂れ下がっているシャルナに呆れる2人。
「あれどう思う?ミミル」
「あれはこだわりじゃないかしら」
「こだわりか〜」
そんな会話も聞こえるはずもなく、ザ・夢中なシャルナ。
「これは…芯が硬い…これは柔らかい!ノートによるかな〜そうだ!ノートとノートで書き比べを!〜へへへへ」
「あれ、もう研究だろ」
「そういう子よシャルナは」
「さて、俺も選ぶか〜」
「私はピーランの実買ってこようかしら」
「金あるか?」
「ちょうだい」
「え〜」
「くれてもいいでしょ?」
「はいはい…2千ユーリン…」
「ありがとね。じゃ、シャルナのことヨロシク」
「はぁぁ」
レオンはため息。シャルナは、幸せのため息。
「ああっ!これ書きやすい!シャイノート?!あっ!同じメーカー品!これにしよ〜へへへ。あっ!あそこにも!」
「はぁ、じゃあ俺これにしよ」
◇◇◇
数時間経過
ミミルは、57個目のピーランの実を食べていて、レオンは、貧乏ゆすりをしておでこの血管が浮き出ていた。
「おい!シャルナ!いい加減もう帰るぞ!」
「いーやーだ!試したいの〜」
「試しまくっただろ?帰るぞ〜」
「いーやーだー」
「じゃあ一人で会計」
「イヤッ」
「じゃあさっさと決めろ」
「はいはい…」
シャルナが選んだのは、シャイペンとシャイノート。どちらも白で、シャイペンの頭の部分は透明。
レオンが選んだのは、シャルナと同じメーカの、シャイトガとシャイノート。淡い緑の色で、森のようだ。
「おっそいわね〜最初のにするなら最初からそれにしたらいいのに」
「な…シャルナ」
「書き比べは必須でしょ!シャイペンは、錬金術×魔術で、芯の出具合を魔術で補助するっていうすごい代物なんだから!シャイノートは、シャイペンと相性抜群!芯が滑らかに動くようなスベスベなノートで…って聞いてる?!」
「さっ帰ってクリームチーズシチューペペット作るか」
「疲れた…早く帰りましょ」
「聞いてない…」
夕陽に照らされ、長い影が3つ並ぶ景色は、とても綺麗だった。シャルナは、満面の笑みを浮かべていたが、パッキングの際、あんなことになるとは…誰もが思わないだろう。




