陰口
私は、自分の席に座っていた。
レオンは、トイレ。ミミルは、散歩。久しぶりのひとりぼっちな時間。
「あの子、先生に媚び売ってるでしょ」
「それしかありえないでしょw」
「クスクスw」
「というかキモくない?」
「確かに〜白統一なのキモ〜」
「顔面偏差値も低いし」
「ね〜!」
「シグルくん、またやられたんだって〜」
「可哀想〜弱いものいじめ良くないよね」
「懲りればいいのに」
そんな会話が聞こえてくる。
もう慣れっこ。そう思ってるのに……なんか目の奥が熱い……
思わず下を向く。手が震える。やっぱりしなきゃ良かった。
1粒、また1粒涙がポロポロと頬をつたり、スカートを力強く握った手の甲に落ちる。
「シャルナ〜お待たせ」
レオンの声が聞こえる……
声を出したいのに出せない。出ない。体が硬直する。怖い。
それを察したのかレオンは、表情が変わって、陰で悪口を言っていた女子達に目を向け、睨みつける。
「おい、何かシャルナに言ったか?答えろよ」
珍しく声が低い。
「なんにも言ってないよ?レオンくん」
「ね〜!」
「シャルナが傷ついてるんだよ!何も言ってないわけないだろ!滅多に泣かないシャルナが泣いてるんだぞ!」
「え?知らないし」
「知らないで済むと思うな」
「だから知らないって」
「シャルナ、話せるか?」
優しく私に問いかけるレオン。
「せ、先生に、媚び売ってるとか……キモいとか……顔面偏差値低いとか……シグルのこと可哀想とか……」
そう私は、告げて下を向く。
もう、嫌だ……
◇◇◇
あれから私は、下を向いたままだった。
色々問題になって、陰口を言っていた子達は、退学処分になったらしい。
そんなつもりじゃなかったのにな……
レオンは、注意だけ。
レオンが殴ったりしたらしい。
私のためにそんなことまでしなくていいと何百回も謝った。
そんな私を優しく抱きしめて、慰めてくれたレオンには感謝しかない……
事が起こった後、ミミルがその子達に噛み付いたらしいけれど、まぁ、わからなく無いからいいか。
申し訳なささでいっぱいだった私はまだ知らない。夜に悪夢を見るとは
ここまで読んでくださってありがとうございます。
今回は、シャルナが“陰口”に傷ついてしまうお話でした。
強い魔術を使えても、天才でも、
心はまだ12歳の女の子なんだよな……と書きながら胸が痛くなりました。
レオンが怒ってくれたり、ミミルが噛みついたり、
守ろうとしてくれる存在がいるのは救いだけど、
それでもシャルナ自身が感じた痛みは本物で、
涙のシーンは書いていて少し苦しかったです。
それでも、読んでくれる皆さんが
「シャルナ、よく頑張ったね」
と心の中で思ってくれたら嬉しいです。
このあと、シャルナがどう立ち直っていくのか、
レオンやミミルがどう支えていくのか、
ゆっくり描いていきます。
無理のないペースで続けていくので、
また気が向いた時に読みに来てもらえたら嬉しいです。




