悪夢
ベッドに入って眠りに落ちた私。
あ、またこの夢。
ある日、お母さんと一緒に買い物に出かけた時、私は暴走魔術師団に絡まれた。
お母さんに待っててと言われて外で待っていた私。
離してと言っても離してくれない暴走魔術師団。
泣きながら訴える私。
店から出てきたお母さんが、買った食材が入ったバックを肩から降ろし、結界の魔術を私を庇いながら唱えるお母さん。
そんなお母さんを蹴ったり踏みつけたりする暴走魔術師団。
結界ができる前に、お母さんの心臓を暴走魔術師団のボスのような人物が、お母さんに向けて氷牙を放つ。
放った後、結界ができた。
時既に遅し。
お母さんは、私に覆いかぶさっていた。自身を盾にして私を守った。
お母さんの心臓を貫いた氷牙。
血を吐きながら私に最後の言葉を残す。
「シャルナ……無事で……良かった……シャルナがちゃんと、やり遂げた後……迎えに来るね……それまでお別れ……バイバイ……」
そう言って私に倒れかかるお母さん。
お母さんと何度も言っても起きないお母さん。
もう嫌だ。警備隊が来た時、私は保護された。
お父さんが後から迎えに来て、それからいなくなった。
つまり失踪。
最後の晩、お父さんは、
「シャルナの命と引き換えてくれないか?シャルナは、ただの付き物。僕はお前しか愛してない。」
そう言ってたような気がする。
なんせ6歳の時だから。
目を覚ますとお父さんの部屋がもぬけの殻になっていた。
私は、わけがわからなくてとりあえずレオンの家に行った。
それからしばらくレオンの家で暮らしいてた。身寄りがないから。
おばあちゃんは、生まれた時には死んでいて、おじいちゃんは、事故死。つまり、会ったことがない。暮らすうちに、レオンのお母さんが病死、レオンのお父さんが戦死。身近な人の死を体験し続けた私の心はもう限界。私は、元いた家に帰り、1人暮らしをしていた。学校にも行かず。
そんな時にミミルに出会って少し光が差した。
こんな過去の事が度々夢となり出てくる。
もう嫌だ!
そう思って私は、目を覚ます。
満月の夜だった。
息を荒く汗で服はびっしょり。
オマケに泣いていた。
少し散歩して気分を変えよう。
そう思って着替えて部屋を出て散歩をした夜だった。今日は実技。面白い授業が待ってる。気分を変えるのにピッタリだ。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
今回は、シャルナの“悪夢”の回でした。
普段は明るくて、天才で、どこか抜けていて、
みんなを笑わせてくれるシャルナですが、
その裏にはこんなにも深い傷があったんだと、
書きながら胸が痛くなりました。
お母さんを失った日の記憶、
お父さんの言葉、
次々に消えていく大切な人たち。
12歳の少女には重すぎる過去で、
それが今も夢となって襲ってくるのは当然のことだと思います。
それでも、
レオンの家で救われて、
ミミルに出会って光が差して、
今は少しずつ前に進もうとしているシャルナが
とても愛おしく感じました。
次回は、実技の授業でまたシャルナらしい姿が見られると思います。
重い夢の後に、少しでも明るい空気を感じてもらえたら嬉しいです。
無理のないペースで続けていくので、
また気が向いた時に読みに来てもらえたら嬉しいです。




