表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
竜のねぐら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/464

盟約の血判

「かった~い!!」


 ワカナはすんでのところでアツコの攻撃をかわすと、パッと飛びのき態勢を整える。


「ちょっとは効いた振りしなさいよ…。」


 オレの隣でミカヅキが呟く…確かに極位スキルである『巨岩破槌』で一切ノーダメージな雰囲気を出されると、どうやって倒すんだ感が凄いな。


「脚が御留守だぜ!!」


 ワカナに気を取られたアツコの後脚めがけ、ルーフェがすかさず得物を叩き込む。


「があっ!!」


 アツコはそれを見越していたのか、ルーフェを軽く蹴り飛ばし、ルーフェは大木に叩きつけられた。


「極位『プロミネンス・インフェルノ』!!」


 ミカヅキが唱えるとアツコの眼前に煮え滾るマグマの塊が現れ、爆発四散し生き物のように襲いかかる。

 周囲は一瞬にして業火により焼き尽くされ、距離を取っているオレ達ですら焼け落ちそうな熱風が一体を包み込む。

 しかし、アツコはこの大魔法ですら意に介する素振りすら見せない。


「大丈夫ですか!?」


 ルーフェに駆け寄り安否を確認するサヤが、オレに向かってコクリと首を縦に振る。どうやら命に関わる怪我ではなさそうだ。


 ルーフェの前でそれなりに派手に暴れ、ワカナもミカヅキも大技を披露できた。


 そろそろオレの出番だな!!


 ここでカッコよく大魔法を決めて、アツコがそれに怯んだ形でこの場を去る。

 ミカヅキが極位魔法である『プロミネンス・インフェルノ』を使ったんだ…それを超える魔法でオレが使えて、更に派手なエフェクト、そして事前には存在を想定していなかったエロ垂れ目や傭兵達に被害を与えないものと考えると…アレしかない!!


「皆、よく引きつけてくれた。ようやく詠唱が終わったぞ!!竜のねぐらに巣食う大森林の邪竜め!!伝説の大魔法で灰燼に帰すがよい。神位『トールハン…』」


「フハハハハハハハハッ!!茶番は終わりダァ!!」


 え?なに?誰の声だ!?

 今はオレの見せ場なはず…。


「そんな姿になってもオレにはわかるぞ、化け物め!!コイツには何をやっても無駄だということもなぁ!!化け物を殺すにはそれを超える化け物しかない…この国ごと滅ぶがいい!!ハハハハハハハハハハッ、フーハッハハッハ!!!!!」


 エロ垂れ目の指からはとめどなく血が流れ、だらしなく垂れ下がった腕に抱かれた銅板は、その血を吸って怪しく輝いている…あれは特殊召喚か!?


 ミッドガルドでは入手困難な激レア召喚アイテム『盟約の血判』を使えば、最大100レベルのモンスターを召喚できる。

 しかし、そんなモンスターがいま現れれば傭兵はもちろん、ルーフェまで巻き添えになってしまう!!


「止めるんだ!!」


 オレは叫ぶと同時に走り出したが、運命の天秤は我を失った一人の男に傾いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ