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新しい年そしてこれから

12月31日。今23時半を回ったところだ。

今現在俺は自分の部屋のこたつでぬくぬくしながら大晦日恒例の歌の番組を見ている。…皆で。


「やっぱり大晦日と言えばこの歌合戦を見るに限りますよねー」

「そうだね。それにコタツでみかんも最高だねー」


この場には俺、先生、里枝ちゃん、カナといったいつものメンバーで集まっているが何故皆が俺の部屋に大晦日集まっているかと言うとクリスマスパーティの時約束をした初詣がきっかけだ。


元々大晦日は里枝ちゃんの家でやる予定だったのだが里枝ちゃんが部屋を全く掃除していないと言ってきたので仕方なく俺の家を提供した。


まさか大晦日を俺の部屋でしかも女性3人と過ごすことになるとは思わなかった。



「綾人、また変な事考えているでしょ?」

「なんだよそれ。別に考えていないって」

カナの鋭さは相変わらずだな。先生は先生でこたつでまったりしてるし里枝ちゃんは里枝ちゃんで年越しそばを食べまくっている。皆年の終わりまで変わらないんだな。



「ねぇ綾人君は今年1年どんな年だった?」

「どんな年だったかですか」

この一年を振り返ってみるとどんな年だったろう?

高校生となってからは環境もかなり変わったと思うがやっぱり一番は家庭教師になったということだろうか。

まさか自分が教えられる側から教える側になるとは思わなかったよな。


最初は勉強を教える事よりも生徒になる子のことの方が不安だったのだがこんな良い生徒に恵まれたんだしな。

多少先生と似て変なところもあるのだが素直な子だし本当に生徒恵まれたよな。


それに家庭教師を始めてからは妙に色々な人との交流も増えたしこれはこれで良い事かもしれない。

なんだかんだ言って家庭教師という仕事に感謝しないといけないかもしれないな。


「慌ただしかったですけど楽しかった1年でしたよ」

「楽しかったならよかった。私もこの1年楽しかったよ。綾人君と一緒に居られたしね♪」

本当にこの人は年の最後まで本気なのか本気じゃないのかわからないな。



話していると気づけば時間は23時58分となっていた。テレビでやっている毎年恒例の歌番組は丁度終わったところだった。


「それじゃあ皆カウントダウンとる準備してねー」

「そうですね。綾人間違えないでよね」

カナのこの性格は来年もきっと変わらないだろうな。ずっとこのままだろうけど。



「先生!来年もよろしくお願いしますね!」

里枝ちゃんはいつもの笑顔で俺に言ってくれた。

最初は駄目だったかもしれない彼女も着々と成長している。逆に彼女から学ぶべきところはたくさんある。


「こちらこそよろしくね里枝ちゃん」




「「5、4、3、2、1…」」

まだまだこれから高校生活で色々とあるだろうが俺も少しずつでもいいから里枝ちゃんと一緒に成長していかないとな。




「「ハッピーニューイヤー!!」」


色々あった1年も終わりこうして俺達は4人で新年を迎えた。






4人で新年の挨拶をしてからは俺の家から神社へと早速向かった。

そこまで大きな神社ではないのだが俺達が来るとそこには初詣に来たであろう人たちでたくさんだった。


「凄い人だな」

「これだけ居るとなかなかお参りするまで時間がかかりますね…。先生お参り行く前にそこの屋台で何か食べ物買って行きませんか!?」

「いや、俺はいいよ」

今さっきまで里枝ちゃん俺の家でめちゃめちゃ食べてたよな?彼女の食欲は新年度から底を知れないな。



「やっぱりお参りしていきたいし並ぼっか皆」

「そうですね」

俺達は長蛇の列の最後尾に並んだ。この寒い中長時間並ぶのはきついな。






「お、綾人じゃないか」

少しずつだが前に進んでいると前から匠が歩いてきた。


「なんだ匠か。お前はお参り終わったのか?」

「ああ丁度な。そういうお前はこれからのようだな」

「そうだよ。さすがにこの寒い中は堪えるよ」

「ふっ、だがお参りも悪くないものだぞ。俺は今年一年何事も絶好調な気分だ」

お参りしただけでこれだけ思える奴って本当に居るもんだな。それはそれで羨ましいとは思うけど。


「それにしてもまさか小野寺が綾人と一緒に居るとはな」

「一緒に居たら何かおかしいわけ?それよりも勘違いしないでよね。別に私は綾人が遥さんと里枝ちゃんに変な事しないか監視するために居る訳だからね」

こいつそんなことのために一緒に居たのか。


「相変わらず小野寺はツンデレだな。なぁ綾人?」

「誰がツンデレよ!?」

俺としてはツンの方が多すぎる気がするんだがな。デレは見た事がない気がするし。


「それでは俺は小野寺がヒートアップする前に帰るとするか」

「ああ。また3学期にな」

「そうだな。お、それと綾人」

「どうしたんだ?」

「クリスマスの時は菜緒のことサンキューな」

それだけ言うと匠は帰っていった。そういえばアイツがお礼を言うのって珍しいかも。


匠と話し終わった後は更に列は前へと進んでいった。拝殿のところまではもう少しだ。


「さすがに立ってるだけっていうのは疲れるな…」

「文句を言わないの!もう少しでしょ」

そう言っているカナだが今さっきから屈伸をしたりしている。やはり疲れているんだろうな。

里枝ちゃんに至っては俺の方に体を預けて眠そうにしているし。



「ん?あれは…」

里枝ちゃんを起こそうとしようとするとまたしても前から見知った顔がやってきた。


「あけましておめでとう西園寺さん」

「朝倉さんあけましておめでとうございます。それに皆さんも」


頭を下げて礼をしてきた西園寺さんに俺と先生、カナはつられて頭を下げた。

西園寺さんが来ているのに里枝ちゃんは相変わらず眠りかけていた。と言ってももうほとんど俺に体を預けて眠っている。


「柳瀬さんは眠ってらっしゃいますのね」

「さすがに並んでて疲れたのかな。それにごはんよく食べてたし」

よく食べていたというレベルではなかった気がする。ここに来てからもずっと待ってる間は食べていたし。


「西園寺さんは今お参り終わったところ?」

「はい。寒いですしもう帰ろうと思いまして」

「そっか。それにしても西園寺さんの家からここの神社まであまり近くないのにわざわざこんな時間に来るんだね」

「私がここにお参りしにくることが悪いとでも言いたいんですか?」

西園寺さんはギロっと俺を睨んできた。さすがに言い方が悪かったか。


「い、いやそういうわけでは…。とにかく!今年もよろしくね西園寺さん!」

「ふぅ…、あなたは今年も成長しそうにないですわね」

うまく話を変えたつもりだったが駄目だったか。というか彼女と出会ってまだ数カ月しか経ってないのに成長とか言われても。


「その通りなのよ西園寺さん。こいつったら全然昔から変わらないのよ」

「あなたの苦労がよく分かる気がしますわ」

西園寺さんとカナが話している。この2人は気が合うようなのだが俺の話で気が合っても俺としては嬉しくない。


「なんにしても今年もよろしくお願いしますね朝倉さん」

俺を睨んでいた西園寺さんだが俺の目を見てちゃんと言ってくれた。

初めて会った頃は喋りにくい相手だなと思っていたが今では全然思わない。やはりこの前の家庭教師の仕事をして西園寺さんと少しだが距離が縮まったかな。

それに西園寺さんとは生徒と先生ではなくちゃんとした友達になった事だし。


「よければ柳瀬さんにも一緒の事伝えておいてください。私のライバルですし」

「わかったよ」

「それでは皆様ごきげんよう」

そう言うと西園寺さんは帰っていった。その少し後で里枝ちゃんが目をこすって起きた。



「えー!菜緒ちゃん来てたんですか!?」

「うん。西園寺さんが「今年もよろしく」って言ってたよ」

「菜緒ちゃんがですか!後で電話しなくちゃ!」

里枝ちゃんは西園寺さんに挨拶をされたことが嬉しかったのか喜んでいる。なんだかんだ2人の間では色々とあるようだが友達なんだよな。


「それにしても綾人君、あの子とえらく仲良しさんなんだね」

先生は俺のことをジッと見てきた。


「そういえばそうだよね。もしかしてまた綾人変なことしたんじゃないの?」

変な事って何だよ…。それよりも変な事したら仲良くなれるのかよ。


「なにもしてないって。それよりもやっと俺達の番みたいだぞ」

「なーんかはぐらかされてる感じがするよねー」

「後で根掘り葉掘り聞かないといけませんね」

二人の言っている事は聞かない事にしてとりあえず今はお参りだ。さてと何をお参りするかな…。



参拝で待っている人たちもまだまだたくさんいるので俺は簡単にお参りを終わらせてさっさと列から抜けた。

さすがに人が多いので抜け出すのも大変だったが人通りを抜けて人の少ない所へと移動した。



「遅いな皆」

移動したのはいいのだが3人が全然来ない。まさか迷ってしまったのだろうか。

この人ごみの中迷子になってしまったら大変だ。とにかく探さないとな。



俺が携帯を取り出して3人ともに連絡を取ろうとしたとき遠くの方から人ごみを抜けながら3人が揃って歩いてきた。


「ここに居たんですね先生」

「ちょっと、勝手に行かないでよ」

「探したよー綾人君。迷子になったかと思って心配したんだから~」

どうやら3人とも逆に俺を探していたようだ。だけどいくらなんでもこれは俺のせいではない気がするが。


「俺はちゃんと待ってたつもりなんだけどな。3人ともが遅すぎるような…。何してたんだ?」

「お参りに決まってるじゃない。綾人こそちゃんとお参りしたの?」

「したに決まってるじゃないか。普通お参りにそんなに時間かかるのものなのか?」

「先生甘いですね!乙女には乙女らしい願い事があるからかかりますよ」

乙女らしい願い事って言われてもな…。



「願い事って3人は何をお参りしたの?」

俺がそう言うと3人を顔を見合わせた。一体なんだろう?



「えへへ、内緒だよ。綾人君の鈍感さん♪」

「言うわけないでしょ。綾人ってデリカシーないんだから」

「2人が内緒だから私も内緒です♪」

結局3人は何も教えてくれなかった。まぁ別にそこまで気にならないからいいんだけども。


「それじゃあ綾人は何をお参りしたの?」

「俺?んーとりあえずお金が貯まることと今年も無事に過ごせるようにってお参りしたけど」


「あはは、さすが先生ですね!」

「なんていうかアンタは本当にアンタらしいわね」

普通のことをお願いしただけなんだけどな…。


「さてと、皆そろそろ帰るよー」

「えー!遥さん初日の出拝まないんですか!?」

「初日の出皆で拝みたいけどそれは個人の家でしようか。あんまり遅かったら皆のご両親が心配するしね」

「そうですね、正直言います私かなり眠気がきてますし」

「俺も結構眠いな。里枝ちゃんそういうことだからとりあえず今は解散しようか。また違う形で集まればいいし」

「むーっ!なんだか納得できませんが皆さんがそう言うのであれば仕方ないですね」

どうやら口では里枝ちゃんは納得してくれたらしいが顔を見る限りでは納得してないようだ。俺も初日の出見たいんだけどやっぱりこれ以上寒いのにも耐えられないしな。


「それじゃあ皆帰ろうか」

そう先生が言うと皆神社を出てそれぞれの帰路へと着いた。

時計を見ると既に3時になっていた。かなりお参りのために並んでいたようだ。

帰り道にも里枝ちゃんはまだ初日の出のことについてぶつぶつと言っていたが先生とカナはかなり眠たいようでほとんど聞き流す感じになっていた。

里枝ちゃんはあの待っている時寝ていたからその分今大丈夫なんだろうな。


最初に先生と別れてその次にはカナと別れた。二人ともふらふらとしていたからかなり心配だったが人も少ないしたぶん大丈夫だろう。



「もう3時半なんですね。もう少し待ったら初日の出拝めるのにな」

「里枝ちゃんはそんなに初日の出見たいの?」

「当たり前ですよ!皆とせっかく一緒に新年迎えたのに初日の出を見ないなんてもったいないですよ!」

と言っても冬なので日が出るのは遅いだろうし結構時間はあると思うけどそれほど里枝ちゃんは見に行きたいんだな。

しょうがない。里枝ちゃんがここまで言ってることだしここは先生としてひと肌脱いであげるとするか。


「んじゃあ俺だけになるけど一緒に初日の出見に行こうか?」

「えっ!先生とですか!?」

「まぁ嫌なら別に無理しなくてもいいんだけど…」

「何言ってるんですか!せっかくの先生と二人で初日の出を見れに行けるのに断るなんてありえませんよ!絶対に行きます!」

「そっか。それならいいんだけど」

「それじゃあ先生早く行きましょう!」

里枝ちゃんは俺の手をつかんでぐいぐい引っ張った。


「ちょ、里枝ちゃんちょっと待って!さすがにまだ早いし一旦家に帰って準備してから行くことにしようよ」

「確かにそれもそうですね。わかりました!それじゃあ一旦帰ることにしましょう」

里枝ちゃんはそう言うと走り出した。どうやら本当によほど行きたかったみたいだ。



それから里枝ちゃんと一旦別れて俺も自分の家に戻った。

家に着くころには既に4時前となっていた。7時ころには日が昇ってくるだろう。家の近くの展望台からならいい感じで日の出を拝むことができるはずだ。

ということはここを5時半頃には出て里枝ちゃんを迎えに行けば間に合うはずだろう。

俺は計画を立ててからアラームを設定して少しだけ仮眠を取ることにした。さすがに眠たいし初日の出を見ている時に寝てしまったら意味がないしな。




それから少しした後しっかりとアラームで起きることができ俺は服を着込んでから静かに家を出た。

原付で里枝ちゃんの家に着くころには既に6時になるところだった。若干急いで行かないと間に合わないぐらいだな。

原付を里枝ちゃんの家の玄関近くにいつも通り置いて俺は里枝ちゃんに電話をした。


だが、かなり電話を鳴らしているのに全然出ない。まさかとは思うがこれは寝ているパターンではないだろうか?


「さ、寒い…」

こんな時間にこの寒空の下で待つのはたまらない。どうしよう…。

ガタガタと震えているとずっと里枝ちゃんに電話を掛け続けていた携帯から声が聞こえた。


「先生すいません!今から行きます!」

携帯から声が聞こえるのと同じくらいに2階から声が聞こえた。どうやらかなり慌てているみたいだ。


少しした後里枝ちゃんが勢いよくドアを開けて出てきた。


「本当にすいませんでした先生!」

里枝ちゃんは出てくるなり頭を下げて俺に謝ってきた。


「いや、全然大丈夫だよ。そんなに待ってないし」

まぁ待つ時間事態は少しだったが寒さ的には半端なかったな。


「まさか少しだけ仮眠をとるつもりがぐっすり寝てしまうなんて…」

俺と同じ事を考えていたのか。下手したら俺もこうなってたかもしれないな。

それに里枝ちゃんものすごく髪の毛逆立ってるしこれは寝癖というのか?


「とにかくここでずっと話してるのもなんだし移動しながら話そう。時間ももうそろそろ危なくなってきたし」

「そうですね。それじゃあ先生行きましょう!」

そう言うと俺と里枝ちゃんは小走りで走り出した。時間はギリギリなんだが間に合ってくれるといいんだけど…。





展望台まで登り着くころには6時40分となっていた。徐々に明るくなってきていたがなんとか日が出るまでには間に合った。

展望台にはちらほらと人が集まっていた。初日の出を拝むときここを使ったのは子供のころだからあまり記憶がなかったのだがそこまで人は居ないんだな。


「先生日の出までどれくらいですかね!?」

「んー、たぶんもう少しで見えてくるとは思うんだけど」

「えー、早く見たいですよ!まだかなまだかな♪」

里枝ちゃんはかなりわくわくしているようだ。本当にお祭りごととか好きだよな。


「あ、そうだ先生。今年は本当にありがとうございました」

「急にどうしたの里枝ちゃん?」

いきなり里枝ちゃんはそんな事を言ってきたのだが俺なんかしただろうか?


「今年私の先生になってくれたことですよ」

「それなら全然気にしないでいよ。俺は家庭教師として当然のことをしたまでだから。それにまだまだ半人前って言っていいかスレスレの家庭教師だしね」

無理やり母親から押し付けられた家庭教師とは言えないけど。


「それもそうですけどそれとは別の事ですよ」

「別の事?」

「はい!私最近ずっと毎日が楽しいです!これは先生のおかげなんですよ」

「俺のおかげって、別に俺は特にこれといったことはしてないよ」

「先生が私と出会ってくれました!先生が私と出会ってくれたおかげで勉強することも少しずつですけど楽しくなっていきましたし、遥さん、香苗さんともお友達になることができましたしね。それに先生のおかげで菜緒ちゃんとも前以上に仲良くなれた気がします!だから本当に先生には感謝です!」

俺と出会ったことで感謝か。まだまだ子供のこの子がそこまで考えてくれてたなんて思わなかった。本当にわからない子だよな。


「そんなのお相子だよ。俺だって里枝ちゃんと出会えて変わったことや楽しかったことや出会いとかがあったんだから一緒だよ。だから僕の方こそありがとう里枝ちゃん」

里枝ちゃんの家庭教師を初めて色々とあったよな。初めは自分がうまく家庭教師なんかできるかどうかすら心配だったんだしな。原付も気づけば普通に手に入れることができてそれにいつの間にか里枝ちゃんと先生、カナとセットで遊ぶ機会も増えたし。あとは西園寺さんとも友達になれたしな。しかもまさかの匠が西園寺さんの家庭教師だし。

本当に昨日までの去年1年濃厚な1年だった。たぶんこんなに濃厚な1年は16年間生きてきて初めてだろう。


「えへへ、先生そんなに言われると照れますよ♪それじゃあお相子様っていうことで今年もまたよろしくお願いしますね先生!」

「うん、こっちこそよろしくね里枝ちゃん」

今年からは更に家庭教師としての仕事に力を入れないとな。里枝ちゃんも中学2年生になるし勉強も一気に難しくなるだろう。


そんなことを思っていると徐々に日が昇ってきていた。


「うわぁ、綺麗…」

日が昇ってくるのと同時に周りにいる日の出を見に来ていたお客さんも皆総立ちで日の出を拝んでいた。

そういえば初日の出を見るのなんていつぶりだろうか。


「ほんと初日の出を見に来てよかったな。これは里枝ちゃんのおかげだね」

そう里枝ちゃんに言ったのだがそれと同時に里枝ちゃんが俺の方に体を預けてきた。


「どうしたの里枝ちゃん?」

里枝ちゃんを見てみると里枝ちゃんは寝息をたてて寝ていた。今さっきまで普通に初日の出を見ていたのに。


「里枝ちゃん起きて。こんなところで寝てたら風ひくって」

「うぅん…」

里枝ちゃんを起こしにかかったのだが全然起きない。体も揺すったのだが全然起きる気配はしない。

さすがに里枝ちゃんをおんぶして展望台を降りるのは無理だしな…。どうしようか。


どうするか考えているとベンチが目に入った。今さっきまでカップルが座っていたのだが日の出を見て帰ったんだろう。

俺は里枝ちゃんをなんとか軽く抱きしめてベンチへと座った。風邪をひかないといいんだけど…。俺もだけど。


ベンチに座ると俺は自分が来ていたコートを里枝ちゃんにかけてあげた。さすがに2人でひとつのものを着るとさすがに面積的に狭い。

まぁ今さっきまでコートを彼女にかけてあげていたカップルを真似をさせてもらったわけなのだが。



そんなことよりもなんだかんだで騒がしく1年目初日を迎えることができた。今年もこんな調子で皆で騒がしく過ごすことになるんだろうと思うともの凄く疲れそうだが楽しみでもある気がする。

去年1年で俺自身も少しは変われた気がするな。このことに関しては俺の周りにいてくれている人たちに感謝しないとな。

今日から1年間また少しずつでもいいから成長していきたいと思うな。


それよりもこの今現在をどうにかしないといけないのだけれども…。

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