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閑話 『おじいちゃんは心配だった』

「おじいちゃんは心配じゃあああ」


 フェインがこの天界を去って三日が経った。

 ここはグリーティアの自室である。机の上には処理なければいけない書類が山のように積まれてある。書類に手を伸ばしてものすごいスピードでそれを処理していきながらグリーティアは叫んでいた。いや、叫ばずにはいられなかった。たった一人の孫が旅立ってしまったのだ。自分が追いやった張本人ではあるものの、そうしなければ各方面の信頼を失いかねない事態が発生してしまったのである。

 天界の汚染が天使達が意識してない範囲で広がりつつあったのだ。それも強力な怨念のような形で。

 天界が汚染を受けることはたびたびある。そうなる原因も複数ある。

 一つは天界で疫神が興る場合、興り方も様々あるが一番多いのは天界の何処に悪意が貯蓄され何らかの方法で核を得た悪意がそのまま凝縮し形を成す場合。この場合天使の軍勢が早々に対処することが多い。そして少数ではあるが発生してる事例としては、神であったモノがそのままの形で邪悪化した場合。この場合は厳正に対処すべく神の元々の力量次第で討伐編成が組まれ大きな戦になる時もあった。

 そして二つ目は、今現在問題に上がっている事に該当する事案だった。今回の汚染は()()()()()()()()()()()証拠であるのだ。例えば戦争。多くの人々が一度に死に、大量の魂が一挙に流れるとき憎しみなどの不純物も共に流れてしまうことがある。


「そんなに心配でしたらなぜあのような決断をなさったのですか?坊ちゃまの受ける罰は少々重すぎるのでは?あの心優しい坊ちゃまがいなくなって屋敷の者達の雰囲気が少々重くなってしまいました。」


 そうグリーティアに疑問を投げかけたのは彼に従え秘書や護衛の仕事を行っているメインであった。天使の階級は主天使である。時々フェインに稽古をつける先生の役割もこなしていた。


「今回ばかりはわしの手でもどうにもならなかったんじゃ。他の熾天使、それに智天使(ケルビム)座天使(ソロネ)の派閥まで動いておる自体なんじゃ。何せ今回汚染の影響を受けておる範囲があの禁忌の庭園が含まれておる。普通ならありえんのじゃ。何せ厳重も厳重普通の天使や悪意ましてや邪神にさへ簡単に手が出せないようになっておるのじゃからな。どうやってかは分らんが今回の件、確実に誰かの意図が介入されておる。しかもかなり厄介な奴のようじゃ。何せ下界からこちらの様子を伺いながら事を起こしてるようじゃ。しかもずいぶん前から着手しておったことが判明してのう。」

「フフッ、話を聞く限りでは坊ちゃまの権能の恐ろしさが垣間見えますね。そうやすやすと庭園に侵入されては、衛兵も戸惑っていたでしょうね。」

「それもそうじゃ。わしの自慢の孫じゃからな。ガハハハハハハッ!!」

「確か10年ほど前に坊ちゃまが、動植物の様子が少しおかしいと述べておられましたね。その結果庭園の汚染が判明したとお聞きしましたが、もしかして今回の件フェイン様に対処をさせるべく下界送りに?」

「わしは反対だったんじゃ!あの子はまだ子供なんじゃ。他のクソ天使どもめ、いい機会だ。とかほざきおって強引に事を推し進めたのじゃ。神側も何の提言もなく賛成しおって!」


 グリーティアはそう言いながらボキッ!音を立てながらペンをへし折った。それを淡々と片付け新しいものと交換するメイン。見慣れた光景である。


「しかし本当に大丈夫でしょうか。今回の件あのお方様が絡んでいるようにも見えますね。」

「そうじゃな、わしも今回の件あ奴が絡んでると見ておる。あのバカ息子めまた面倒事を起こしおって…

、まぁフェインなら何とかやってくれるじゃろう。なんたってわしの自慢の孫じゃからな!ガハハハ!」

「フフフッ、そうでございますね。」


 何やら不穏因子がうごめく中、黙々と書類仕事をこなしながら、グリーティアとメインはフェインの無事を祈るのであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 同日。

 

「ここが下界。地上の国か…」


 地上に降り立ったフェインは無数の伸びきった建物を見て圧倒されているのだった。


 


 

シリーズ物の閑話ってすごい重要だと思いませんか?フェインさんは問題児ですが、みんなから好かれてる天使という印象が伝わってくれたらうれしいですね。

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