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女神と転生〜ポンコツ女神と父娘が最強へと至る道〜  作者: 荒頭丸


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77話

魚タイプのモンスターやサハギンたちを倒しながら、奥へと進む。

サハギンたちは途中から俺たちを見かけたら、逃げるようになってきた。

サハギンたちにも面白いのがいて、デカい魚に乗っているやつがいる。

背びれ?がモヒカンのようになっていて、キシャーという叫び声と共に水の中から強襲してくる。

俺には「キシャー」としか聞こえないが、日本語に通訳すると「ヒャッハー」と言っているはずだ。

間違いない。そこはかとなく世紀末味を感じる。

そんなモヒカン共をボコし続けたら、アイツら俺たちを見ると化物にあったかのように叫び声をあげて逃げ回るようになった。

「失礼なやつじゃのぅ、これほど愛らしい女神は他におらんというのに」

「サハギン視点で愛らしかったら、多分人類からは愛されないと思うわ」

「けど、マンボウとか可愛い!」

「お前、イケメンのマンボウと手を繋いでデートとかできる人なの?」

父の言葉にメイは数多の中で想像を巡らせているらしい。

様々なシチュエーションを想定した動きを見せている。

「ワンチャン!」

いけんのかよ! 器がデカい!

「自分ら、ほんま緊張感ないな」

ため息をつくジルベロくん。

言い方がちょっぴり優しくなっている気がする。

ツンツンしたりデレたり忙しいヤツだ。

そうこうしている間に、大きな広間に到着する。

洞窟の中に滝が流れ込んでいて自然のダイナミズムを感じる。

そして展開から考えると、ここがボス部屋に違いない。

戦うにはお誂え向きな大きさだ。

レズンみたいに超弩級のサイズだったら知らんが……

すると、眼の前の大きな滝が二つに割れ始める。

それが三つになり、四つに。

巨大な蛇のような頭が八つ、鋭く切れ長の目が滝の中から出現した。

水に濡れた鱗がうねるように波打つ。

身体には刀のようなヒレが輝き、その巨大な体躯から発する威圧感よりも、まず先に異様な美しさを感じさせた。

「美しい……」

レズンが見惚れている。

「確かに、なんか綺麗だな」

「惚れた」

「は?」

「嫁にする」

「何言ってんだ、コイツ」

「切れ長の瞳、白磁のような牙、黒龍真珠のような艶のある鱗……」

「自分ら、龍に興奮するド変態連れてんのか?」

「いや、その……」

「なんという美しい顔」

「いや、どれのこと言うとんねん!」

「一つで八つ美味しい的なやつか?」

「好きになった時点で八股とか終わってる!」

「これは……浮気の判断はどうなるのですか?」

「僕、浮気したことがないからわかりません」

俺の発言を受けて、ローザはレティを見る。

そしてニナへと視線を移した後、その瞳は俺を射抜いてくる。

う、浮気とはちょっと違うんじゃないかな!

「父ちゃんも終わってた!」

「主ら、静かにせよ! 魂を鎮めるのだ……そして我の一世一代の告白を刮目せよ!」

レズンがヤマタノオロチの前に出る。

そして、そのうちの一つの頭に向かって膝をつき、自らの鱗を差し出した。

「美しき君よ、どうか我と生涯を共にする伴侶となってく……」

レズンの告白は最後まで述べられる前に身体ごと吹き飛ばされ、岩盤へと叩きつけられた。

隣の頭がレズンを薙ぎ払ったのだ。

「告白した瞬間に修羅場を迎えとるやないか!」

「俺、こんな時、どういう顔をすればいいのかわからないの」

「笑うしかないやろ」

崩れ行く岩盤を背に立ち上がったレズンは、もう一度オロチの前へと進んだ。

そして、もう一度愛を誓ったのだ。

だが、ヤツは誤った。

そう間違えたのだ。

最初に告白したのは、右から三番目だ。

お前、それ左から三番目だろ……

「あかーーーん!」

ちゅどーん、っという炸裂音と共に宙を舞うレズン。

見事なアッパーカット。

それは駄目だろ!

と言うか、誰でもいいのか?

いや、どれでもいいのか?

もう何が何だか分かんねぇ!

「酷いわ! 乙女の純真を何だと思っているのかしら!」

その巨体からは想像できない金糸雀のような美しい声で、お怒りのオロチさん。

「やっぱり殿方は気が多くて嫌ですわ!」

「心に決めた龍を愛し続ける、そんな方はいらっしゃらないのかしら!」

オロチさん、お嬢様らしい。

丁寧な言葉でレズンを批判なさっている。

挨拶は「ごきげんよう」に違いない。

八つの頭でそれぞれの理想の男性を語りながら、滝の奥へと帰っていった。

「おい、さすがにツッコミが追いつかへんぞ」

「これは中々の新体験!」

「彼女が求める殿方は、現れないのではないでしょうか……」

「男のオロチが女のオロチに愛を説き、被ること無くカップリングが成立すればあるいは……」

「酷い無理ゲー!」

「展開が読めなさすぎて困るんだけど……」

「これ、このまま進んでも良いのでしょうか?」

天井に刺さったレズンを見上げる。

ショックのあまりに手足が脱力し、ぷらーんと左右に揺れている。

なんかシクシクと泣き声が聞こえる気がする……

「良し、何もなかった。そういうことにしよう」

「じゃのぅ。考えるのは面倒じゃ」

「レズンはどうするの?」

「何もなかったんだから、どうするもこうもないだろ」

滝の水が滝壺を叩く音だけが響く。

それ以外、ここには何もない。

「ヌシら、行くぞ」

「お、おぅ」

ボス戦はなかった。

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