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女神と転生〜ポンコツ女神と父娘が最強へと至る道〜  作者: 荒頭丸


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74話

十二分にジョウジョカにお仕置きをしたあと、彼女から毟り取れるだけ金を毟り取ってやった。

だが、それでも二束三文とは言わないものの、貯めていた金に比べると微々たるものだ。

家の柱に吊るしたジョウジョカを振ってみても、小銭がチャラチャラと床に散らばるだけで、得るものはほとんどなかった。

「お前、ウィンダミアではかなり有名な冒険者なんだろ? どんだけ金持ってないんだよ」

「宵越しのお金は持たない主義にゃ。だけど、それもこの家にきて曲げられてしまったのにゃ……」

「おい、こら今何つった?」

「ここのお金を使うのには苦労したにゃ……三日三晩遊び尽くし、食って寝て、やっとウチの本道へと戻ることができたのにゃ!」

「まさかレティを超える逸材がこんなトコにいたとは……」

「ワシを超えると言うのは聞き捨てならんが、ワシ、割とお金の面はしっかりしておるぞ?」

「確かに!」

「無駄遣いをしているところは見ませんね」

「レティって案外、しっかりしてるよね」

「まてまて。比較対象がアレなだけで、コイツはまごうこと無き蒙昧の魔女だぞ」

「ヌシは少し真っすぐ人を見たらどうじゃ。褒めるべきところは褒め、伸ばすべきところを伸ばす。ヌシには人を育てる気質が足りぬ」

なんかすげぇまともなことを言われた。

あまりのショックに吐きそう。

「けれど、これからどうするんだい? 共和国に行って職人を探しても、作ってもらうお金がないとどうにもならないよ」

「むぅ……」

共和国で身分を偽って冒険者でもするか?

けど、あんまりランクが低いと稼げないし、ランクを上げても悪目立ちするだけだしなぁ。

ジョウジョカみたいに人にたかるのも……

「あっ! これだ!」

「何か思いついたみたいじゃが、ヌシ、悪い顔しとるぞ?」

「社長はん、ワシは恩義を少しだけ返してもらおうと思てるだけでっせ」

「なんじゃ、その下手な芝居は」

「おるでっしゃろ、共和国にはワシらに恩義を感じとるヤツが!」

「まさか兄様にタカろうというのですか!」

「そんなことは、ひとことも言ってまへん。ただ少しの便宜を図ってもらおう、そう思とるだけでっせ」

「外道が過ぎる!」

「いやまぁ、冗談はさておき、今んトコ頼れるのがティアーゴしかいなくない?」

クーデターには失敗したものの、共和国の腐った部分は謎の力で排除された。

シリウスの興味から外れた共和国は、軍事的にも政治的にもボッコボコにされた。

国としては形を保っているものの、帝国に主権を握られているにも等しく、その実態は属国と言ってもいいぐらい。

それでも、ティアーゴを新しく大統領に据えて、若い新進気鋭の政治家や将校たちと共に頑張っているらしい。

半分はシリウスのおかげとも言える。

けど、その半分の半分くらいはオレたちの頑張りもあるはず!

「たしかにのぅ。どの道、共和国に行く予定じゃったし、手としては悪くないのぅ」

「あまり兄様には心配をかけたくないのですが……」

「それこそ早いトコ、直接会わないといけなくない? だってオレたち死んでるんだぜ? 超心配してると思うよ」

「そうでした……失念しておりました」

相変わらず行き当たりばったり感満載だけど、予定通り共和国行きを決めた。

あそこにはゲートクリスタルを何個か設置してあるし、旅費もかからない。

「にゃあにゃあ、そろそろウチを降ろしてもらってもいいんじゃにゃいかにゃ?」

「お前、マヂで反省しろよ! お前からは悪かったっていう気持が微塵も感じられないんだよ!」

「まぁ、そう言うにゃって。本当に悪いと思ってにゃいんだから仕方にゃいにゃ」

はぁ……コイツと話してると頭が痛くなる。

だが、確かに悪いと思っていないのに反省しろと言われてもできないわな。

ジョウジョカの縄を切り、柱から降ろす。

「もう使う金もないし、好きにしろ」

「そういうことにゃら任せるにゃ!」

ジョウジョカはそのままソファーにどかっと腰掛け、寛ぎ始めた。

オー、フリーダム! 流石のオレも絶句するぜ!

「そうにゃ! これをやるにゃ!」

ジョウジョカはポケットを弄り、紙くずを取り出す。

くしゃくしゃの紙を広げると八桁の数字が書かれたチケットのようなものだった。

「なんだ、これ?」

「未来のお金にゃ。これでお金を返すから持っておくといいにゃ」

「ボナボナボナンザ? なんだこれ?」

「宝くじだよ、一等賞金何億っていうヤツだね」

「11291129」

「良い肉良い肉にゃ」

「ありがとうよ!」

机に宝くじを叩きつけて、オレたちはさっそく共和国へと向かうことにした。

ここにきて文無しになるとは思いもしなかったが、これもまた人生か。

今となってはどうとでも生きていけるし、何とかなるだろ。

ソファーで寛ぐジョウジョカの尻尾を固結びにして、オレたちは光の中へと飛び込んだ。


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