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歌声に花咲かせ  作者: 宮島485


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2/8

あの日の記憶

このステージに立ったからには絶対勝つ


ずっと立ちたかったこのステージに、私たちは今いる


思えばここまで大変だった。私たちのスクールアイドル部は、決して強豪というわけではない。でもだからこそ勝って、このステージで結果を残したい。センターを任された私はそう思っていた


「よし、みんないくよ!」


「「「おー!」」」」


私たちスクールアイドル部は、重ね合った手を天高く上げた



そして迎えた本番


大丈夫、ただいつも通り完璧に踊ればいいだけ


そのはずだった


(あれ?)


どういうわけか、自分のステップがおかしくなっていく感覚に襲われる


どうしてこうなってるのか、自分でもよくわからない


段々、観客の目線が自分に集中するのを感じる


(なんで、ただ完璧に踊れば、そうすれば上手くいくのに)


あれ、


(次の動きってどうだったっけ)


そしてとうとう、体が言うことを聞かなくなった



泣いた。ただただ、泣いた


勝てば、何も取り柄がない私も、きっとみんなから認めてもらえると、信じていたから


でも、ダメだった


しかも、大事な最後の大会で、私は大きな失敗を犯したのだから


きっともう、私には輝く資格がない


それから私は部活の連絡を見なくなり


気づけば制服に袖を通すことも出来なくなっていた



「佐倉さん」


あれからどれくらいの月日が流れたのだろう。暑かった窓からの日差しも、気づけば冷たい季節になっていた。私は久しぶりに聞く声に顔を上げる


「あ、」


そこには、担任の先生がいた


「大丈夫?」


私はその優しい表情に再び泣き崩れてしまった


「せんせい!せんせい!わだじ、わだじぃ」


「ごめんね、何もしてあげられなくて」


謝りながら私を抱き、頭を撫でられる


「だいじょうぶでず、わだじがわるいがらぁー!」


「ううん、あなたは悪くないよ」


「でも、でも〜!!!!」


「佐倉さんは、歌うのはまだ好き?」


「ずぎでず!だいずぎにきまってるじゃないでずが〜!!」


私は先生の胸元で大声で叫んだ


「ほら、そうじゃん。あなたは歌が嫌いになった訳じゃないんでしょ?」


グスッ、グスッ


私は無言で頷いた


「佐倉さん、大きなお世話かもしれないけど、先生から提案があるんだ」


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