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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
96 アカデミー発展篇
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96-99 それぞれの成果

 2月7日になった。

 『アヴァロン』では各部署から中間報告が上がり始めている。

 これまで積み上げてきたものの成果が出始めているのだ。

 また、独自の機構を開発している研究室もある。

 『アヴァロン』の『アカデミー』は活気づいていた。


*   *   *


 ゴウとルビーナはタイヤの研究を一旦置いて、『自動車』本体の設計に取り掛かっている。


「ラダーフレームだから改造も楽だよ」

「本当ね」

「エンジンは6段でとりあえず作ったよ」

「扱いやすそうね」

「まず試作車を作って、タイヤのテストを行う、でいいんだよね」

「ええ、それで行きましょう」


 こんな感じで、2人の連携はうまくいっているようである。


*   *   *


 『自動車研』も『回転式エンジン』を試作し、テストを繰り返していた。


「うむ、『ゴーレムアームエンジン』に比べて特性がフラットだが、回り出すと一気に回転数が上がるな……」


 電動モーターもそうだが、低速回転がやや苦手である。

 『ゴーレムアームエンジン』なら、10秒で1回転という低速も可能だが、『回転式エンジン』ではちょっと……いや、かなりつらい。


「やはり減速は必須だな」

「あるいはクラッチですね」

「クラッチか……それも手だな」


 マキナ3世(というか仁)が作ったカートには『流体クラッチ』が搭載されている。

 クラッシュなどの衝撃でタイヤが急停止した際、エンジンや減速機が破損しないようにという安全装置であり、また走り出しを滑らかにするという、2つの役目がある。


 『自動車研』の面々もそれは知っているので、クラッチの使用を思いついたようだ。


「カートに使われている流体クラッチがよいだろうかな?」

「いいと思いますよ」

「私も」

「そうか。では、我々も流体クラッチを使おう」

「どうせなら、専用のものを考えてみませんか?」

「それはいいかもしれないな」


 そういうわけで『流体クラッチ』の開発も行うことになった。


「大きさが大事ですね」

「伝達するトルクの大きさによるからな」

「中に入れる流体の粘度も重要ですね」

「衝撃緩和が主目的なら、やや硬めでもいいかも」

「筐体と軸とのシーリングも重要でしょう。流体が漏れないようにしないと」


 彼らもまた、やる気に満ちている。


*   *   *


 マキナ3世は『中継基地』を充実させるべく、いろいろと手を加えている。

 各国の専用ルームの扉には国名だけでなく国旗を追加で描いたのでよりわかりやすくなった。


 内部で勤務する汎用ゴーレムにも独自の教育を施し、施設利用の説明やサポートがスムーズにできるようにした。

 また、緊急時の避難経路をわかりやすく表示。


 日を追うごとに『中継基地』は使いやすくなっている。


「あとはセキュリティだな」


 一般人にも使えるようになると、テロリストにも利用できるということになる。

 その際、すみやかな鎮圧ができるよう、工夫をこらしているのだ。


 そして。


「あとは名称か……」


 『中継基地』の名称をどうするか、である。

 『アヴァロン』の幹部たちは、仁かマキナ3世に命名してもらいたいと考えていた。


「うーん……『アヴァロン』『アルカディア』とくれば……『エルドラド』? ……イメージが違うな……」


 仁も悩んでしまう。


「深海……深淵……待てよ? 確か深海のことを『アビス』とも言うんじゃなかったけな……」


 正確には『abyssal zone』といい、水深4000メートルから6000メートルの領域をいう。

 『中継基地』のあたりは水深1400メートルであるからこの定義とは一致しないが、仁はそこまでは知らない。

 ちなみに、水深1400メートルは『abyssal zone』の1つ上、『漸深層ぜんしんそう』と呼ばれる領域である。

 英語では『bathyal Zone』。バチスカーフの『バチス』と同じ語源だ。


 閑話休題。

 ともかくそういうわけで仁は、この『中継基地』を『アビス』と呼ぶことにしたのであった。


*   *   *


 その仁は、『中継基地』の名称を考えるよりも先にやるべきことを抱えていた。

 『魔導(マギ)高分子(ポリマー)合成機(シンセサイザー)』の量産試作である。


「危険物を作る際は専用の密室で助手ゴーレムに作らせる、というのもいいな」


 規格に沿った容器に入れてもらい、受け取ればいい。


「そういうシステムを構築していければいいな」


 実験用・開発用など、少量生産専用のものは汎用機で対応できるが、量産するものは専用機とするつもりである。


「固体の樹脂はペレットで出てくるようにしようか」


 ペレットとは粒状の形をした合成樹脂 (プラスチック )のことであり、これを成形して様々な用途に使うのだ。


「『補助魔導頭脳』は必須だな」


 これにより安全管理をはじめ、ノズルの詰まりや原材料不足の指摘といった問題点の指摘や対処・対策も可能になる。


 こうして、仁による『魔導(マギ)高分子(ポリマー)合成機(シンセサイザー)』は完成度を高めていくのであった。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 本日は 異世界シルクロード(Silk Lord) も更新しております。

     https://ncode.syosetu.com/n5250en/

     お楽しみいただけましたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
>『自動車研』も『回転式エンジン』を試作し、テストを繰り返していた。 >「うむ、『ゴーレムアームエンジン』に比べて特性がフラットだが、回り出すと一気に回転数が上がるな……」 >電動モーターもそうだが、…
[一言] >2月7日になった。 藩「…………」←期待に満ちた眼差し 仁「96章100話目丁度と、あと3話待って4000話丁度で祝うのと、どっちが良いかな……」 エ「……とか言ってて、また忘れそうな気が…
[一言] > ゴウとルビーナはタイヤの研究を一旦置いて、『自動車』本体の設計に取り掛かっている。   最悪でも『レビt o...ーションプレート』を応用して『浮遊車』にでk...rz ゴ・ル「絶対に、…
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