表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
85 遠い絆篇
3227/4343

85-13 巨大ゴーレムの操縦

 さて、魔導頭脳『ロギス』と管理魔導頭脳『アーサー』のリンク、戦闘用ゴーレムの修理と来たなら残るは巨大ゴーレムである。


「ボディの修理は問題ない。操縦系統をどうするか、決めてほしい」


 とマキナは最高管理官トマックス・バートマンに要求した。


「そうですな、遠隔操縦にはできるのですかな?」

「距離さえ問わなければできる」

「おお、それはありがたい。ちなみに最大離れてどれくらいでしょう?」

「目視できる距離なら問題ないな。……まあ500メートルから1000メートルといったところか」

「十分です。遠隔操縦にしていただきたい」

「わかった。だが……」


 遠隔操縦にするには、1つ問題がある、とマキナは説明を行う。


「動作を全て操縦者が操作で行うのは困難だろう。なので、補助魔導頭脳にサポートしてもらう必要がある」

「ふむ、どういうことですかな?」

「『歩く』という動作をさせる際に、上体のバランスや地面の傾斜を考慮しなくてもいいということだ」

「ああ、なるほど……」


 微妙に地面が傾いていた場合、ゴーレムの姿勢もそれに合わせる必要があるが、それを補助魔導頭脳に行ってもらう、ということになるわけだ。


「……時間が掛かるのですかな?」

「いや、特には」

「他に何か問題が?」

「問題というわけではない。操縦方法を決めてもらいたいと思ってな」

「どんな方法があるのです?」

「ああ、そこからか」


 マキナはトマックス・バートマンにゴーレムの操縦方法について説明を始めた。

 周囲には『新技研』の面々やイルミナ・ラトキン、トモシデ・ヨダ以下3名他、多数の人々が集まり、マキナの話に耳を傾けていた。


「まずは音声入力だな。『進め』とか『止まれ』、『右に曲がれ』などの言葉で操縦できる」

「おお!」

「それから操縦装置の場合は、自動車や飛行船のように、スロットルや操縦桿もしくはハンドルを使って歩かせ、レバーで腕を動かすんだ」


 レバーで腕を動かす操作は、ショベルカーの操作に似ている。


「おすすめはハイブリッドだな」

「は?」

「大まかな操作はハンドルやアクセルで行って、細かな操作は音声で指示をするわけだ」

「なるほど」


「遠隔操縦でないとすると、どうなりますかな? 参考までにお聞かせください」

「完全自律型かな。まさに巨大なゴーレムだ。それから搭乗型。操縦者が乗り込むんだが、人間にはまず向かない」

「それは?」

「揺れるし、上下動が激しいし、結局手足の操作はしなければならないし」

「ああ、確かにそれはつらそうです」

「まあ、ゴーレムに操縦させるという手はあるがな」

「なるほど……」


「で、どうする?」

「……ハイブリッドでお願いします」

「わかった」


 こうしてマキナは巨大ゴーレムの操縦装置を作ることになったのであるが、さすがにこの日のうちには終わらず、完成は翌日に持ち越しとなる。


*   *   *


「……もうできあがったのですか……」


 とはいえ、翌8日の午前9時には、操縦装置が完成していたのである。

 トマックス・バートマン以下の面々が驚いたのは言うまでもない。


「……小型の自動車ですか?」


 そしてそれは、小型の自動車になっていた。


「そうしないと、この巨大ゴーレムを操縦するのに不便だろうから」

「確かにそうですな」


 例えば地下に操縦装置を設置してしまったら、巨大ゴーレムが動いているところを目で見ることができないからだ。

 (もちろん、蓬莱島ではモニターでタイタンやダイダラの動作を追うことができる)


 マキナが作った操縦装置は、小型の自動車の後部座席に操縦装置を載せたもの。

 その操縦席は自動車の運転席よりも高くなっており、透明な屋根が付いているので非常に視界がいい。


「……一晩でこれを?」

「あ、いや、夜はちゃんと寝ているぞ?」


 そう。デウス・エクス・マキナは、基本的には仁よりも規則的な生活をしているのだ。

 人間ではないことを悟らせないため、より人間らしい生活習慣を持っているのだった。


「じゃあ、そんな短時間で……」


 驚くしかないギャラリーである。


 だが、驚いてばかりもいられない。

 主目的は『巨大ゴーレムの操縦』である。


 そしてその巨大ゴーレムは、礼子との戦いによる損傷は全て修理され、全体的な整備も行われて、工房前の広場に横たわっている。

 

(あれって、工房内にあったよな?)

(うん、間違いない)

(つまり、運び出したか自分で外に出たか……)

(普通に考えれば、試験的に操縦したんだろうな)

(まあそうなるよなあ)


 などとギャラリーがボソボソと話しをしている中、マキナはトマックス・バートマンに操縦席に座ってくれと言った。


「私にできますか?」

「できるように作っているからな」


 というごく短いやり取りの後、トマックス・バートマンは操縦席に着いた。


「まず、始動キーを差し込んでくれ」


 マキナはカード式のキーをトマックスに手渡した。


「これを、ここに」

「はい」


 トマックス・バートマンはカードキーをスリットに差し込んだ。


「『魔鍵語(キーワード)』は『起動(スタート)』『始動(アクティベイト)』『起動せよ(ウエイクアップ)』どれでも大丈夫だ」

「では……『起動(スタート)』」


 巨大ゴーレムの目に光が灯った。起動した証拠である。


「『起き上がれ』とか『立ち上がれ』と言えば立ち上がるぞ」

「では『立ち上がれ』」


 巨大ゴーレムはゆっくりと立ち上がった。


「おお」


 ギャラリーからも声が上がる。

 身長18メートルの巨大ゴーレムは威圧感たっぷりだ。


「姿勢や進行方向は操縦桿で制御する。少し前に倒せば前進、後ろに倒せば後退。中立に戻せば停止するが、音声でも同じことができる」

「では」


 トマックス・バートマンは慎重に操縦桿を前に少し倒してみた。

 すると巨大ゴーレムはゆっくりと前進を始めた。

 一歩、二歩。

 四歩歩いたところでトマックス・バートマンは操縦桿を中立に戻す。

 巨大ゴーレムは停止した。


 その後、後退や方向転換なども行い、トマックス・バートマンは巨大ゴーレムの操縦に少しずつ慣れていった。


「次は上体の動作だ。腕の上下は左右のレバーで行う」


 操縦桿の左右についているレバーを動かすと、それに応じて左右の腕も動く。


「細かい動作は指示してやってくれ」


 ものを掴む、拾い上げる等の動作はレバーでもできるが、音声で指示を出したほうが早くて確実であった。


「そうだ。まずは慣れてくれ。そしてトマックス殿以外の操縦者候補にも同じように教えよう」


 そういうわけで、この日から3日間、操縦者候補の訓練を行ったマキナである。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 お知らせ:本日20日は昼過ぎまで不在となります。

      その間レスできませんのでご了承ください。


 本日の 異世界でホムンクルスになっていたのでスローライフを目指す は

 都合により2月22日(火)14:00に更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
『読み返ししています』 アヴァロンに遠隔操縦型巨大ゴーレムが配備されたのは良い事ですよ、敵対者や犯罪組織が巨大ゴーレムを持っていたら対抗手段として大いに役立ちますからね。 個人的には、前の感想に書…
[良い点] 更新ありがとうございます。 いつも楽しく読ませていただいております。 [一言] 巨大ロボの操縦と言えば、映画「パシフィックリム」が連想されて・・・ 「なんで、操縦席の中で走るかな?」とか「…
[良い点] >身長18メートルの巨大ゴーレムは威圧感たっぷりだ。 お台場や横浜や上海や福岡と違って、比較建造物が無ければ、尚更。 逆に、牛久の大仏様を新宿の超高層ビル群のど真ん中に建てても、対して目立…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ