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マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
78 過去からの縁篇
2967/4341

78-34 解け始めた謎

 蓬莱島に戻った仁を待っていたのは老君からの報告である。


御主人様(マイロード)、マキナ3世がいろいろと新しい情報を引き出してきています』

「うん、聞かせてもらおう」

『まずは、『聖女』アリアンヌも『麻薬』を摂取しているという事実が判明しました』

「何だって……!?」


 老君が急ぎ調べたところ、『ファナ』の依存性と身体への影響、残留などはごく小さい『らしい』。

 そもそも、『賢者(マグス)』以来禁止されたらしく、臨床データがほとんどないのだ。


『おそらくは、『影響がごく小さい』ために『聖女』にも服用させているのでしょうね』


 そして『ファナ』が『覚醒系』の『麻薬』であることも、使用されている理由の1つであろう、と老君は続けた。


『頭がはっきりする、というのは一般的にいえば『いいこと』ですから』

「それはそうだな」

『ですが、『賢者(マグス)』は、そして『御主人様(マイロード)』は、『麻薬』の常習をお認めにならないでしょう?』

「もちろんだ」


 仁個人の倫理観と言ってしまえばそれまでであるが、このアルスでも、そして『始祖(オリジン)』も、『麻薬』の常習はいさめている。

 また、どんな副作用があるか、未知な部分もあるからには、使わないに越したことはないであろう。

 まして、『麻薬』の『覚醒作用』と似た効果を発揮する魔法もあるのだから。もちろんそちらは有害な副作用はない。

 (ただし、『覚醒感』が癖になる、つまり『常習性』はある)


「まあ、その議論を延々とするつもりもないしな」


 今現在問題視しているのは『捜理協会(そうりきょうかい)』の闇だ。


「その『アリアンヌ』という女性以外にも『聖女』っているのかな?」

『はい、御主人様(マイロード)。どうやらあと2人、いるようです』

「『聖女』が3人か……。その上にいるのが『導師』だって言ったな?」

『はい』

「うーん……。『マキナ』を主に操縦しているのが『導師』の名を持つ魔導頭脳だっていうのは皮肉なのかな?」

『私にはなんとも……』

「まあいいや。次はその『導師』の調査か?」

『それはなかなか難しいようです。というのも、『導師』は普段は一般人の前には姿を見せないということですので』

「そうなのか……それは厄介だな」

『はい。……この件は私にお任せください』

「そうだな、頼むぞ、老君」

『はい』


 そして『暗示』についての話となる。


「『暗示(セデュース)』の効果のあるペンダントか……間違いなく魔導具だな。ユミィたちが言っていた、なくなった3つのうちの1つだろう」

『はい。その可能性が大です』

「悪用しているということか……そういえば、『施設』に侵入した人物についてはまだわかっていないんだな?」

『はい。今現在、優先度が低いので』

「それはそうだ」


 そしてもう1つ、懸念事項があるが、それは今現在解析中である。


「老君は、もう1つの謎の侵入者って何者だと思う?」

『はい、御主人様(マイロード)。情報が少なすぎて、有効な推論さえできません』

「それはそうだろうな」

『ですが、可能性を追っていくと、幾つか挙げることはできます』

「聞かせてくれ」

『はい。まずは『マルキタス、もしくはその関係者』ですね』

「うん……だが、奴は『ギガース』は所有していなかった」

『はい。その危険性を悟って処分した可能性が無きにしもあらず、ではありますが、あくまでも可能性の1つとして』

「うん。……他には?」

『まだ未発見の『始祖(オリジン)』の基地関係のゴーレム、ですね』

「ありうるか……」

『それから、我々が把握していない、『仁ファミリー』の子孫ですね』

「ああ、そういう可能性も、確かにな……」

『これ以上は、情報がないため、推測ではなく想像になってしまいます』

「わかった、そっちはいい」


 あと少しすれば、ユミィとヴェラから何らかの報告があるはずなのだから。


*   *   *


 そして、仁待望の報告が行われた。


「お待たせいたしました、ご主人様」


 『施設』に移動した仁を、ユミィとヴェラが出迎える。

 簡単なテーブルと椅子が用意されており、仁は椅子に腰掛けた。

 ミニ礼子は仁の前にちょこんと座る。


「まず、これをご覧ください。『清掃用ゴーレム』が記録していた画像から、辛うじてサルベージした侵入者の姿です」

「おお」


 ユミィが1枚の紙を差し出した。

 侵入してきたゴーレムのスケッチである。

 清掃用ゴーレムの情報を検索し、辛うじて残っていた不完全な画像から再構築したものだという。

 ちなみに、今回はユミィがスポークスパーソンだ。


「私どもは知らない型ですが、これはおそらくディナール王国の技術者が開発したゴーレムです。それが2体、侵入してきました」

「なるほど」


 仁も旧ディナール王国の技術にはそれほど詳しくはないので、ここはユミィとヴェラの説明を素直に受け入れることにした。


「これもまた推測になりますが、大戦末期に開発された最新型でしょう」

「ふうむ」


 そして、推測を交えての説明がなされた。


 体型はマッチョタイプ。パワー型に見える。

 身長はわからないが、2メートル前後ではないかと思われる。

 外装は合金鋼のようだが、『強化』されていると思われ、関節部はアダマンタイトで補強されているようだ。

 土属性魔法を使えるようで、パワーもかなりのもの。カスタマイズされたユミィやヴェラの50倍はありそうである。


「かなりの自律性を持っていると思われます」


 ここで、仁は疑問を口にする。


「ええと、2人がやられたのはこいつになのか?」

「はい」

「同じ旧ディナール王国のものなのに、攻撃されたのか?」

「そういうことになります」

「それはなぜだろう?」

「わかりません。ですが、推測でよろしければ」

「聞かせてくれ」

「はい。……当該ゴーレムと、その所属する施設の『魔導頭脳』が、ここの『施設』を認めていないのです」

「それはなぜ?」

「未完成だからです」

「ああ……」


 要は、未完成の施設から資材を徴収して、自分が管理する施設を充実させようと考えたのではないか、ということだ。

 有り得る話だ、と仁は感じた。


「だが、だとすると、その施設は、まだ戦争が終わったことを認識していないのかな?」


 仁の疑問、心配ごとはそれであった。

 『旧ディナール王国』の『施設』でいろいろ問題ごとが起きている。

 好むと好まざるとに関わらず、仁は巻き込まれていく……。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


 20210528 修正

(誤)ここはユミィとヴェラの説明を素直に受け入れることにした。」

(正)ここはユミィとヴェラの説明を素直に受け入れることにした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 同世代で同系統の陣営で戦闘って、ガン◯ム世界では時々よく見ますけど この世界だと、中枢脳が仲間と認めるかどうかで結構違いますしねぇ フ「そもそも同じ国の軍隊だって、お互い監視する面があって…
[良い点] これはきな臭いですね。別の遺跡とのバトルとか来ちゃいますか? wktk 仁「ワクテカすんなw」 ラ「第一、レーコちゃんがいるのにワンチャンすらありえないよね。よくて接待プレイ?」 [一言]…
[気になる点] >ミニ礼子は仁の前にちょこんと座る。 どうしても、仁の頭で垂れているミニ礼子しか思い浮かびません。 なぜだ…w
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