2話 学校
門の閉まるギリギリに学校につき、荷物を整理すると朝のホームルームの時間になった。
そのタイミングと同時に担任の来野先生がやってくる。20代後半もしくは30代前半の若い先生だ。よく言えば時間ぴったり、悪く言えば時間ギリギリなのがこの先生の長所であり短所だ。
『おはようございます』
『「おはようございます」』
そういえば今日は、小鈴が休んでいる。
黒根 小鈴、彼女は僕と同じアパートに住む小学校からの幼馴染だ。小学校の時から風邪に強く、学校を休んだことなんかほとんどなかった。
そんな小鈴が学校を休みなんて珍しい。何かあったのかな?
◇
ホームルームが終わり、朝学の時間が始まると僕はなぜか来野先生に呼ばれた。あっ、なにか悪いことした訳じゃないからな。
『もう気づいてるかもしれないが、今日黒根さんが休みでね。誠には今日、学校で配られたプリント類を放課後渡しに行って欲しいのだが、いいか?』
そうこの学校には、休んだ人のその日配られたプリントはその人の近所に住んでいる友達や仲のいい友達が持っていくというプライバシーゼロの謎ルールがある。
「ちなみにどうして僕なんですか? 田所さん(他の小鈴と仲のいい女子)でもいいと思うのですが……」
『そりゃなぜかって、家同じアパートだろ。あとは単純に仲が良さそうだったからだ。そういうわけだ、頼んだぞ』
そう言われ結局断りきれずに、僕が引き受けることになった。
◇
あれから2限目が終わり、今は3時間目の体育のために着替え終わったところだ。
「今日の体育、持久走か……何が楽しくて校庭のトラック5周させられるんだろうか…… ね、拍」
そう言い、僕は幼稚園からの親友の羽鳥 拍に話しかけた。
『まあ、まだ5周なだけマシよ。来週からは10周らしいからな。そう言えば記録用紙は持ってきたか?』
「あっ、やばい忘れてた。ちょっと教室の鍵借りてもいい? あと、遅れても「お腹痛いからトイレ行ってる」って言っといて」
危ない、拍がいなかったら忘れるところだった。
◇
教室に着き机の中をあさる。思ってた以上に記録用紙がなかなか見つからない。
今は10時15分ちょっと前、授業開始が20分だから落ち着いて探せばまだ間に合う。
"カッチ カッチ"ーー 10:15 ーー
記録用紙を探していると、なぜか急に体のバランスが変わったように感じた。朝のあの感覚だ。
どうして? と思い、いったん違和感のあるところを見ると、そこには
ーー 朝見間違いだと思っていた・思いたかった、白色の尻尾がついていた ーー
まさか、と思い学校で使っているタブレットのカメラ機能を開き、自分の姿を見てみると朝の狐娘だった。服装もさっき体操服に着替えたはずなのに、朝のワンピース姿になっている。
えっ、どう言うこと? まさか、まだ夢?
そう思い体をつねってみるが痛い。どうやら夢じゃないらしい。現実に頭が追いつかない。状況がまるで理解できなかった。
あたふたしていると、こちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。一応この教室は廊下の一番奥の教室のため前は通らないだろうと思っていた。
しかしその足音はこっちに近づき続けている。
◇
そして今その足音の正体、そう来野先生と目があっている。姿が狐娘のままで。反応としては、今朝の母さんと同じくフリーズしている。
僕はどうすることもできず、とりあえず軽く会釈をすると、やっと来野先生が動き始めた。
ちなみに僕はこの時もずっとどうやったら元の姿に戻れるかを考えている。
『あなたは誰だい? 確かうちの学校にはあなたのような生徒はいなかったはずだが…… 何か答えたらどうだい? 警察に通報しますよ。この教室で何をしてたのかな? その格好は何かのコスプレかな?』
先生がいろいろ聞いてくるが、今はどうやったら元の姿に戻れるか考えることで頭がいっぱいなので答えられない。
そして、いろいろと考えた結果今朝と同じようにしてみることにした。
(僕の名前は狐谷 誠、中央高校1年、顔はあんな感じで、服は…、耳や尻尾なんて存在しないし…)
そして、さっき尻尾のあった場所を見るとそこには何もなかった。そう僕は服装を含め元の姿に戻れたのだ。ちなみに先生はまだ質問を続けている。
「先生? 何してるんですか?」
『おお誠か、いつの間にそこに居たんだ? それより、白い髪の少女を知らないか? ちょうど今、誠が立っているあたりにいたのだが……』
「さあ? 僕はずっとここにいましたけど、そのような人は見ていませんね。先生の見間違いじゃないですか?(その子が僕だったなんて絶対言えない…… バレたら厄介そうだし……)」
『(生徒を見間違えた? そんなはずは......いやここは自分の非をしっかりと認めておこう)それはすまなかった。そういえばどうして誠はここにいるんだ?』
「あ、ああ、そうですよね。なんというか、体育で使う記録用紙を無くしましてね… それを探しているのですよ」
そう言うと、先生は何かを思い出したそぶりをして、教卓の中を漁ると
『無くしたと言う記録用紙はこれかい?』
そう言い、僕の記録用紙を出してきた。
「それです。ありがとうございます!」
『この前床に落ちていたのを拾ってね、次からは無くさないように気をつけるんだぞ。』
そう言いながら先生は僕に記録用紙を手渡してくれた。
僕の記憶ではちゃんと入れたはずなんだけどなあ。まあ、うまく入っていなかったんだろう。
ちなみにこのあと僕は、体育の授業にギリギリ間に合ったため遅刻・忘れ共に減点はなかった。
書きだめ全部使い切ってしまった……
「前回からもしかして書きだめ増やしてないの!?」by??
ダッテイソガシカッタカラ…
「言い訳しないの!!」by??
しばらく不定期です……
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