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プロローグ

突然現れた琵琶湖を覆い尽くすほどのダンジョン。

しかし、今はそのダンジョンに誰も近づくことは無かった。


そのダンジョンの魔物はゲームとは違い、簡単に勝てる相手ではなかったのだ。

スライムは誰もが知る雑魚の定番...のはずだった。


高い知能を持ち、残酷性を兼ね備えたそのスライムは人を食べていたのだ。

逃げられないように足をスライム酸によって溶かし、その後に腕、足、胴体の順に少しずつ捕食していたのだ。


そんなダンジョンに誰が来るのだろうか。



ある時、ダンジョンから妙な感覚が溢れ出した。

まさか、そんなことあるわけないと誰もが思っていた。


ダンジョンから様々な魔物が溢れ出てきたのだ。

誰もがパニックを起こしていた。

「助けてくれ!」

「死にたくない!」

市民を守るために日本政府は自衛隊を派遣し、殲滅を命じた。

だが、自衛隊ですら怯えていた。ダンジョンから出てくる魔物は人間ではない。怪物なのだから。

わざわざ死ににいくようなことをしたくないのは当然だ。勝てないと分かっていた。

戦意を喪失した自衛隊は魔物に何もさせられずに次々へと死を迎えていた。

シェルターに避難していた人間はどのくらいいただろうか。


全国に散っていた魔物は半日が過ぎる頃にはダンジョンへと戻っていった。

そしてシェルターから出てきた人達は地上を見て呆気にとられていた。

全てが破壊され、無事なものは何一つない。そこにあるのはおびただしい量の人間の死体。

涙を流す者や目を背ける者。

多くの人間の心に深いキズが刻まれたのだ。


なんでこんなことが起きたんだ。

台風のような災害なのか?


だとしてもこんな悲惨な状況になるとは誰も思っていなかった。


つぎに魔物が出てきたら次は自分かもしれないと恐れて皆がシェルターの中へ戻っていった。


しかし、涙を流しながらダンジョンのある方向へ進む者達もいた。

何故なら...

「ダンジョンが消えた...」

琵琶湖の上に現れた巨大なダンジョンはいつの間にか消えていたのだ。

「攻略されたのか!」

その言葉が周りの人間にも伝染していき、多くの者が安堵していた。

涙を流し、喜びを分かちあっていた。

誰もが安堵した。もう恐れることはないのだと。

だけど間違いなく、この事件は日本の多くの市民の心に深く刻まれていた。

今回の恐ろしく悲しい事件は歴史にも刻まれることとなるだろう。

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