第8話 結末
明智さんは生徒会室に呼び出しをした。
そして問い詰めている。
「バスドラムはもう限界だった。
フレームも歪み、ヘッドを替えても治らない。
大会直前でどうしても新しい楽器が欲しい。
今の音ではとてもじゃないが……」
「それで何故こんな事を」
「古山先生に言っても無理だった。
自治体からの許可が下りないと過去に却下された。
なら無くしてしまえばいいんじゃないかと」
「ふむ。それで音楽室に工事に来ていた業者を呼び、
屋上に運んでもらうように指示をした」
「日曜でしたが、校内に生徒がいました。
僕が運んだのでは見つかったら言い訳出来ない。
でも工事業者なら大きいものを運んでいても
違和感がないと思い」
そういうとがっくりと肩を落とした。
副部長の田中君が。
「明智さん。何故犯人は田中君だとわかったのです?」
「まず業者は男子生徒と言ったので日曜に来ていたのは
大石か、田中だ。地学部も家庭科部も女子生徒だけだった。
そして田中は音楽室に来たが閉まっていてと言った。
だが実際は家庭科の先生が職員室で田中を見た。
鍵を取りにきたんだろう。さらに大石も見たと言うが
大石が音楽室に行ったのは業者が帰った後だ」
明智さんが一旦一息つく。
そして進藤さんを見て再び喋りだす
「田中は13時~14時にいたと言っている。
実際13時頃に家庭科部の先生に目撃されている。
業者は14時前には作業を終えている。
つまりそれ以降に依頼するのは不可能だ。
田中は13時頃鍵を取り、業者に渡せる。
大石は14時~15時ぐらいと言っている。
家庭科の先生も15時頃大石を見たと言う。
大石には鍵を取り、渡す時間がない。
そして台車の痕跡がない=1人の力では無理。
よって田中には業者に指示することは可能で
大石には不可能。
あと家庭科部がお昼を食べて少し経ったぐらいに、
上の部屋で音がしたと言っていただろ。
バスドラムを運ぶ時に鳴った音だな」
その後田中君はみんなに謝りたいと言う。
そこで音楽室に吹奏楽部のみんなを集めた。
田中君が自分がやったと告白。
みんなから驚きの声があがった。
しかし田中君を責めるものはいなかった。
みな思っていたことなんだろう。
古山先生は困っていた。
どう処理をしていいのか。
部長の大石さんは一言「田中……」とだけ言った
明智さんが立ち上がりみんなを見る。
「聞いての通りです。しかし私は今の発言は
偽装だと思っています。犯人は工事業者の勘違いです。
持ち運ぶものを間違えたのでしょう。
ただの指示ミスです。これが真相だ」
そういうと明智さんは周りをみる。
「事件を解決です。なにかあれば後で言って下さい」
そういうと明智さんは音楽室を出た。
「明智さん」進藤は明智さんを追いかけた
「バスドラムを探すと言う依頼は果たした。
誰も不幸にならない方法があるならそれが一番良い。
これから生徒会の仕事をしなければ。
自治体に頭を下げに行ってこなければな」
そういって明智さんは去って行った。
(完)
お読みいただきありがとうございました
いつか他の探偵の話も書けたらなあと思っています
ありがとうございました




