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第1話 バスドラム消失事件

バスドラムが消えた。


しかも、あのどう考えても隠しようのない


サイズのやつが、跡形もなく。



土曜日の放課後、


音楽室で吹奏楽部が練習をしていた。


個人練習から始まり全体練習。


トランペットを中心に音楽が学校中に響き渡る。


練習後は各自楽器の手入れをして部活は終わった。


そして月曜日に朝練をしようと音楽室に集まると、


バスドラムがなくなっていた。



県立平坂ヶ峰高校に通う進藤(しんどう)はごく普通の学生である。


学力も普通。


運動も普通。


取り立てて目立つ生徒ではない。


月曜の週初め、進藤さんが学校に登校すると、


吹奏楽部の松本さんが興奮気味に喋ってきた。


「進藤。私達が朝練で音楽室に行ったら、


バスドラムがなくなっていたんだ。


調べてくれないか?」


「どういうこと?」


「そのままだよ。バスドラムが消えたんだ。


部員の誰も知らない。顧問の先生もだ」


「僕にどうしろと」


「進藤は探偵の知り合いがいるんだろ。


どうか、消えたバスドラムを見つけてくれ」


進藤は4人の自称探偵と知り合いなのだ。


しかしそのうち3人すなわち、


見取(みとり)さん勘野(かんの)さん漆黒(しっこく)の騎士さんは


宿泊研修中で今はいない。


いるのは明智(あけち)さんだけなのだ……


明智さんは、


自称見てきた事件は数百件。


数々の名探偵に触発された、推理小説オタク。


よく、名探偵の名言を引用する。


生徒会書記でもあり、


平坂ヶ峰高校に在籍する生徒に詳しい。


そして、ぶっちゃけ4人の中で1番頼りない。


しかし、こればかりはどうしようもないので、


明智さんに事件を依頼することになった。


明智さんに依頼すると


「まあ、私がいれば十分だろう」とのこと。


どうせ1人なら、見取さんか勘野さんがよかったなと、


内心思った。


それを(さと)られまいと思いながら、明智さんを見る。


「ふむ。バスドラムというのは、大きなやつだろ。


盗むにしても労力がいるな」と明智さん


放課後、明智さんと2人で音楽室に向かった。


音楽室では、バスドラムがなくなったことに対して、


混乱しているようだ。


「いったい誰がバスドラムを」


「てかなんでバスドラムなんだろ。私なら別なのにするけどな」


「持ってくのにも苦労するだろ」


「昨日(日曜日)とかに誰かが忍び込んだの?嫌だな」


こんな会話が聞こえてきた。


2人で音楽室内を見てると


「部外者が何しに来ているんです」と男性から言われた


「あなたは?」と進藤さん


「私は部長の大石です」


大石さんは背が高く、みんなから信頼の厚そうな、


どっしりとした感じの人だ。


「私達はそこにいる松本さんに依頼されて、


バスドラムがなくなったことを調べにきたのですが」


「私はそんなものは頼んでいない。


関係者以外は帰った帰った」と大石さん


「私は、依頼されたのもあるが生徒会役員でもある。


生徒会が紛失事件に関わるのは自然なことだと思うがね」と明智さん


大石さんは顔を顰めて、その後松本さんを睨んだ。


そして


「邪魔だけはしないでくれ」と大石さんは言った。


明智さんは床を這いつくばり、バスドラムのあった場所を調べている。


「明智さん何やってるんですか?」


「足跡。些細(ささい)な落とし物などをね」


とルーペを覗き込みながら明智さんが言う。


「フローリングに足跡って残るんですか?


しかもみんな、学校指定の上履きですけど」と進藤さん


「初歩的なことだよ、ワトスン君」


世界一有名なベイカー街の探偵言葉を言う明智さん


「大丈夫ですか、この人」と副部長の田中君


田中さんは真面目で責任感の強そうな人だ。


そして「この人は4人でですけど


数々の事件を解決してきました。


今回は明智さん1人ですが解決してくれるはずです。


たぶん。きっと」と進藤さん


こうして明智さんによる調査が始まった。

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