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【完結】トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第三章 〜  そして、激動の果てへ 〜

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絶望と、防衛の始まり

「大変です!調査隊が帰って来ました!」


王都軍が集まる食堂に居ると、一人の男が走り込み大声で叫んだ。


「よし!帰って来たか!」


立ち上がったのは総司令ナシュール。


「はぁ、はぁ、はぁ。」

「で、調査隊は何処だ?」

息を切らしている男に、総司令は矢継ぎ早に聞いた。


が……その答えは、全員を絶望へと陥れる。


「帰って来たのは……一人、たった一人です。」

「な、なんだと??」


「その男によると……3階層に降りた所に鎧の大群!

 そこで、調査隊は一瞬で全滅!」


立ち上がっていた総司令は、近くにあった椅子に腰を降ろした。


先程まで楽しそうに食事をしていた軍の人達も一斉に静まり返る。


私達も、美味しかった料理への手が止まった。


「ねぇ、この国は……どうなっちゃうのかな?」

「もし、この王都が落ちる事があったら…」

「王都が落ちたら、どうなるんだ?」


「分かんない、あの黒い鎧達の目的も何もかも。」

「すでに滅ぼされた町があるって事は…」

「王都が落ちて終了って、事は無いよなぁ。」


「そのうち、インクスの人達が逃げたプノンニッタの街も襲われるかも…」

言いようのない不安に襲われる。


「伝令!!」

笑い声が消えた食堂に、またもや大きな声が響いた。


「黒い軍勢が、再来!その距離約2キロ!」

――来た。


「総員!配備につけ!」

総司令の声で、全員が立ち上がった。


王都に来た翌日の出来事。

祖父に会おうか迷っていたけど…どちらにしろ、そんな時間は無かったわね。


私達も、王都軍の人達の後ろへと続いた。

他の町から来たと思われるトレジャーハンター達も走り出す。


異様な雰囲気を察した王都の人達は、慌ててそれぞれの家へと入り、大きな音を立てて扉を閉めた。


まだ修復作業が終わっていない城壁の上へと駆け上がる。


「まだ……見えないわね。」


「まずは、投石部隊からだ!いいか、練習通りに!」

城壁の上には何台もの大きな投石機が置かれていた。


「投石の次!射程距離に入ったら、弓と魔法だ!」

総司令の指示が続く。


「ユミエル、魔法って効くと思う?」

「無理ね、空の鎧を焼いても意味ないと思うわ。

 効くとしたら、アンジュが指示した鎧の右肩に向けて石弾とかの物理魔法攻撃ね。」


「でも、ウチ達じゃ見えないしな…

 また、グラビデを使う?」


「この前、グラビデは……効いたわね。」


「だけど、アレは大きな岩がインテリジェンス兵装とやらに当たったからだろ?」


王都の城壁周りを見渡すと、岩石は見えなかった。


「グラビデで押し潰す為の岩が無いわね。」

「うーーーん。」


「来たぞ!!」

遠目だが、軍勢の姿が見えた。

地平線が不気味に黒く揺れている。

……一体何体いるのだろうか?

まったく数える事が出来なかった。


「ユミエルも私達と一緒に出撃。

 そして、私が指示する場所に石弾を。

 ――どうかな?」


「うん、私も暴れたい。」

ユミエルはニコリと笑う。


「あたしは、最初からバーサーカーで良いか?」

「そうね、あの町での連係を思い出して、今度は三人でね。」

エタルナはニヤリと笑った。


ドーーーン!!

ドーーーン!!

ドーーーン!!


黒い軍勢が近づくと、投石機から何発もの石が放たれた。

何体かの鎧に当たるも……すぐに起き上がった。


ヘコんでいる鎧もある。

が……その動きを止める事は無い。


「次!弓矢と魔法を!」

総司令の指示で、弓矢と魔法による攻撃が始まった。


流石、王都軍の魔法使い達。

強烈な魔法が飛び交う。


が…中身の無い黒い鎧には、強い火魔法も、水魔法も、効いている様子は無かった。


偶然、鎧の右肩を貫いた一本の矢。

その鎧だけが――動きを止めた。


「よし、城門を開けよ!剣士達は、我に続け!」

総司令の号令の下、階段を駆け降りる。


私達も他のトレジャーハンターと共に階段を駆け降りた。


「イシュエス…行くよ!」

《感覚三倍、筋力三倍》


「ガルルル…」

エタルナの銀髪が長く伸びる。


「エタルナが先頭!ユミエルは私から離れないで!」

「分かった!」


エタルナが城門から飛び出す!

「エタルナ、速い!ユミエルがついて来れない!」


少し減速。


ドーーーン!!


エタルナが黒い鎧を押し倒した。

その牙からはヨダレが垂れ落ちる。


「ユミエル、右肩に石弾を!」

「ストーンバレット!!」


「もう少し上!」

「面倒!ストーンバレット…五連!!」


パリンッ!

黒い鎧の右肩に乗る球体兵装を破壊!


「お見事!」


私達は、一体、また一体と黒い鎧を無力化した。


けど…周りの王都軍は、次々と倒されていく。

借り出されたトレジャーハンターの一部は……逃げ出した。


「ユミエル!魔力は大丈夫?」

「大丈夫!もう、ストーンバレットぐらいじゃ生命力減らないわ!

 ――きっと、シャルルの祝福の力!」


「じゃぁ、エタルナと二人でお願い!」

「え?アンジュちゃんは?」


「私は大丈夫!イシュエスと二人だから!」

そう叫ぶと右肩のイシュエスが熱を増す。

「頼んだわよ…相棒!」

《――任せろ》


「五体目!」

「六体目!」

「次っ!」


「はぁ、はぁ、はぁ!」

倒しても…倒しても…キリが無い。

横たわる鎧を踏み越えて向かってくる軍勢。


支援の三倍……相手の動きを楽にかわせるけど、

頭が重くなってきた。


「ちょっと……辛いかも。」

《まだ…行ける》


「スパルタね……」

《シリウスは……》

《――もっと行けた》


「もう、お父さんと私を比べないでよね。

 かなわないに決まっているでしょ。」

《そんな事無い》

《アンジュも…強い》


「嬉しい事を言ってくれるわね。」


ガンッ!!


強い衝撃が、左腕に響いた。

――しまった、こっちにも居た!


倒れそうになる体を支える……暖かな体。

「え?」


ザンッ!!ザンッ!!


目の前の黒い鎧が倒された。


「どうなっているんだ!

――倒しても起き上がる!」

鎧を倒したのは……


「ダグラスさん!!」


「私も居るわよ……」

耳元で囁くような声。


「ミランダさん!!」


「ごめんね、貴族が離してくれなくって遅れちゃったわ。」

父と共に戦った二人の登場。


――私の心は熱くなった。

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