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【完結】トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第三章 〜  そして、激動の果てへ 〜

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謎の鎧と、伝える存在

「ウチは魔法使い……ユミエルよ。」

 力なく笑いながらドワルクに名乗る。

まるで自身の存在を伝えているかのように感じた。


そして、その目は……真っ直ぐにダンジョンの軍勢を見つめる。


砂煙が薄くなる中、

ガシャリ…ガシャリ…

鎧の継ぎ目が擦れ合う音が静かな草原で鳴り響いた。


「まだ……動いてるじゃん…」

「倒したのも居るよ……ユミエルは、ゆっくり休んで。」

倒せたのは軍勢の1割程に過ぎなかった……

あの強烈な魔法で……

私は、傍らに立っていた魔法使いのお姉さんにユミエルを託した。


「じゃぁ、行ってくる!」「応援、よろしく頼む。」

「うん、見てるからね。」

青白い顔をするユミエルと別れ、櫓を駆け降りる。

先導するのはドワルク。


「よし!200メートルラインを越えてきた!

  行くぞ!開門!」

ドワルクの声で、町のトレジャーハンター達が一斉に飛び出す。


「エタルナ…準備はいい?」

「あぁ…」

エタルナは、すでに槍と盾をユミエルの傍へと置いてきていた。


球体イシュエスが熱を帯びる。

《右肩の…》

《インテリジェンス兵装を》

《――壊せ》


「え?壊す?

 すると、どうなるの?」


《――活動停止》


「ちょっ、そんな大事な事、先に言ってよ。」


《――無駄》

《……説明しても、信じない》


非情な言葉に思えたけど、確かに……

私にしか見えないのだから、右肩の球体を狙え!なんて皆に言っても無理な話だわ。


それでもエタルナには情報を伝える。

「エタルナ…黒い軍勢の右肩辺りに球体が浮かんでるの。

 ――それを壊せば、動きが止まるらしいわ。」


「見えない物体を壊す……か、難題だな。」

そう言うと、エタルナは牙を生やし始めた。

目は赤くなり、白銀の髪が伸びていく…

バーサーカー化。


私は、腰に差したお父さんの剣を握りしめた。

《感覚三倍…筋力三倍…》

球体イシュエスが支援を使う。


「いきなり三倍……スパルタね。」

《――相手》

《――強い》


「だね…エタルナ、行くよ!!」

「おぅ!!」


すでに戦場は荒れていた。

あちこちで倒れているのは、ハンター達。

対して、黒い軍勢は……

まるで感情を持っていないかのように、ただ剣を振るっている。


ザンッ!


私にだけ見える、右肩のインテリジェンス兵装を叩き切る。

まるで割れるかのように球体は弾けた。

すぐに光を失う。

と……その球体を右肩に乗せていた黒い鎧が倒れた。


《――後ろ》


キンッ!!


背後から迫った黒い鎧の剣を剣で抑える。

「うわっ!凄い力」


「筋力三倍なのに……押される。」

ジリジリと踏ん張る足が後方へと流される。


ドーーーン!!


いきなり、対峙していた黒い鎧が吹き飛んだ!


「エタルナ!」


「アンジュ!その…言っている球体を壊せ!」


ザンッ!!


エタルナが抑えつけていた鎧の”兵装”を破壊。

黒い鎧は活動を停止。


「いいね!この連係!」


エタルナが飛びかかり、私が無力化する。

この戦法を繰り返した。


「はぁ、はぁ、はぁ…」

エタルナと二人、肩で息をする。



「ぐわぁ!」


――この声は!ドワルク!


「アンジュか!来るな、逃げろ!!」

見ると、ドワルクは足から出血していた。

動けないながらも、二体の黒い鎧に抵抗している。


「エタルナ!」

飛びかかり、その爪を鎧の隙間に叩き込む!

さらに振り返ると、

もう一体の黒い鎧を蹴り飛ばした!


「お、お前は!」

ドワルクの驚きの声。


エタルナは声を無視して、黒い鎧に馬乗りとなる。

右の爪を振り下ろし…

さらに、首元に牙を向けた!


「エタルナ!」

私の叫び声に我に返るエタルナ。


狙うは……右肩!!


ザンッ!!


黒い鎧が事切れた。


「すまん、血を見たからか……感情を抑えられなくなった。」

「大丈夫!私が手伝う!」


ドワルクが近寄る……

「アンジュ!どうなってるんだ、前と違うぞ!?」


「私は……剣士、アンジュよ!」

「あたしは……バーサーカーのエタルナだ!」


そう返した後、

何体もの黒い鎧をコンビネーションで倒し続けた。


――突然、

右肩に浮かぶ球体インテリジェンスの色が変わった。

私のイシュエスでは見たこともない……青い色……


……黒い鎧は、反転して後ろ姿を見せた。

ダンジョンへと戻っていく……撤退??


傍らで転がる黒い鎧を見て思う。

まるで、何も怖い物が無いかのようだった……

もしかして……コイツらも??



「ねぇ、イシュエス…あの黒い鎧たちは何?」


《――兵隊》

《心を持たない》

《ただの道具》


「待って……整理させて。

 道具が右肩に道具を持って戦っているの?」


《……そう》

《インテリジェンス兵装は…》

《遠隔操作の道具》


「遠隔操作?何それ??」

《―――。》


またもや、球体イシュエスは話さなくなった。

それでも、黒い鎧が何なのか……ぼんやりと見えてきた気がする。


町に戻るとユミエルが肩を支えられながら近づいて来た。

「ちょっと……私の魔法、意味なかったんじゃないの?」


「コツがあってね。」

私は、インテリジェンス兵装の事を伝えた。


「訳が分からない話ね。」

「あぁ、分からん。」

ユミエルとエタルナ、二人が無事だった。

今回の異変……それだけで満足。


ギルドに戻ると負傷者の治療でごった返していた。


「あの、さっきはありがとう。」

見知らぬ男性に声を掛けられる。

正直、何人ものハンターを助けたので、覚えていなかった。

エタルナも同様。


だけど、バーサーカー化したエタルナの事を怖がるハンターは誰もいなかった。


「お前たち……どうして、そんなに強くなったんだ?」

ハンター達と共に治療を受けていたドワルクからバツが悪そうに尋ねられた。


ユミエルは肩をすくめ……

エタルナは鼻で笑う。


「えーっと…前から?」



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