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VRMMOでお酒が飲みたい!性別不定の酒探索〜どうしてここにはお酒がないんですか!?〜  作者: 猫又
間章

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143. パッチ説明ライブvol.1(後半)

『気を取り直して、食べ物以外もいってみましょう! 服飾、アクセ、雑貨なども華やかですね〜!』

『特に革細工など、まだ充実していませんからー』

『そうなんです? 在野のプロとか居そうですが』

『先程の海と同じです。まだ(なめ)す方法が見つかっていないようで』

『なるほど。なるほど? え、でもコラボ商品は実装されるんですよね?』

『はいー。装備系は基本はオシャレ装備となりますー』

『能力補正などはない、完全に見た目だけのものです。まあでも頑張ればレシピ化して自由にリメイクして頂けるかと……流れとしては古代の出土品のレプリカ扱いですね』

『古代の出土品! あれですね? 前半でお伝えしたアップデート内容の、常設ダンジョン追加にまつわるものですね?』

『はい。そちらの戦利品としてレシピの欠片が取得できます。一定数集めると、専用の住人と完成したレシピの交換が行なえます。ランダム要素なので、頑張って』

『……わたくし、ガチャは悪い文明だと思うんですよ』

『おや、引きが悪い方ですか?』

『100か0かの両極端です』


 めっちゃネネがライブ辞典を高速で操作してる。いや知らんかったんかい。エールズが遠い目をしてるのは連れ去られることを想定してだろうか。私は気が向いたときに味見する程度でいいかなー。ダンジョン自体は興味がある。

 パッチノートによれば、中央交易区に入口が出来るとのこと。スキルの導線と同じ区画になるらしい。この並び、作為を感じるが、まあゲームなんて全部が作為の塊だしな。


『肝心のコラボ先行きましょう! 有名なブランドから個人の方まで様々ですね。雑貨系Vの湖目菜沙(こめなずな)ちゃんもいますし、ほぼ一点もので有名なPRIMA-RY(プライマ・リー)も! いやあ、良いなと思っても同じものが手に入らないのが解消されちゃう感じですか!?』

『今回はゲーム内とのコラボということで、ご提供いただいた型はゲーム内での複製もリメイクも許可を得ています。それは他の全てのブランドも同条件です。リアルで同じものが作られるかはそれぞれにお任せしていますが、ブランドへの直接問い合わせなどはご遠慮ください』


 知った名前が出てきて思わずネネを凝視した。いやその前から見てたから二度見になったと言ったほうが良いか。おおっといけない、ギャジーやレラはネネのリアルブランドを知らないんだった。ステッラは……知らないふりをしてくれてるけど多分気付いてる気がすんだよな。


「あら菜沙ちゃんも提供してるのネェ。あの子センスよくて好きよ」

「持ってるんだっけ」

「ええ。見せたことあったでしょお?」


 休憩させる気がないライブで応援して大分満足したのか、うちわを置いて生ハムを摘んでいるリーナが話題を振ってくる。正直ちょっと助かった。意識がネネから外れるから。


 その他にもいくつかのブランド名が流れていく。知っているものもあるが、知らないものが大半だ。良いなと思って買うものでも、よほど気に入らない限りブランド名見ないからなあ。服飾雑貨系は判らん。ネネがめっちゃ楽しそうなのだけは解る。


 あとは木材、鉱石、園芸などの素材系コラボ先の紹介が続く。武器系は無いけど、そもそも武器をリアルで作成販売してたって超高価だったり所持免許がいったり、本当の趣味人しか手に入れないからだろうな。コラボ先としてはニッチもニッチ、人が殺到したところで捌ききれないから外すのは順当。VRで欲望を満たしている層はクラフターを頑張ってください。


 同じ高価枠でも楽器はいくつか。弦楽器は弾き手が居ないと音に深みが生まれない育てる楽器だし、雅楽系はそも人口を増やしたいんだろうなあ。……吟遊詩人とか音楽必須のジョブ、存在するんですか?


『うーん、わたくしチョイスで紹介していいとは言われましたけど、この量から選ばせるって新手の罰ゲームだと思うんですよ』

『ま、ま、パッチノートには全て記載してあるので』

『ゲーム内にもコラボ先一覧辞書欲しいです……アイテム欄にコラボ先情報あります?』

『あー、アイテム欄にはある……辞書入れましょうかー』

『ばっ、おま! え? なに? いい? オッケー? ――えらいひとから許可が出たようなので、実装されます』

『やったぁ!』


 そうこうしているうちに仕事が増えたようだ。南無三。

 でも確かに辞書はあると良いよね。ゲーム内で気に入ったものをリアル側でも嗜みたいときに、複数のブランドから選択肢があるのは良いことだ。いくらリアル寄りの体感ができるとはいえ、実物は比較したいもんな。


『ではー、最後の大目玉! 公式イベントについて、参ります!』


「お、来た公式イベント」

「なんだろうな」

「……しまった! 予想大会して罰ゲーム仕込んどくんだった!」

「おまえ天土の言葉で思いついただろ」


 ハッと気付いて口にしたらモルトに瞬殺された。いやぁね、遊び心が乏しいやつは。


『今回が初の公式イベントですが、テーマは〜? じゃじゃん! サバイバル! です! でもただのサバイバルじゃなくて謎解き要素もあるとか?』

『はい。渡り人の皆様には、【修復された土地に起きた異変】について調査をしに行っていただく、という導入です。ある特定の条件に合致した土地がイベントフィールドとなります。こちらで確認している限り、それなりの数フィールド生成が行えそうですので、ぜひ奮ってご参加ください』

『修復したのはプレイヤー……渡り人ですよね? イベント結果ではまた崩落しちゃったり……!?』

『さあどうでしょう。その可能性も含めて、どのように進めるかは皆様へ委ねられます。ただ、イベント自体は別サーバーで行われますので、イベント期間中にその土地にいけなくなる、ということはありません。結果が後日、土地に反映されます』

『世界の強制力ですねー』

『強制してる側がなんか言ってるぅ!』


「複数フィールドでの同時多発サバイバルイベント????」

「遭難とかじゃないんか」

「通常サーバーと出入りできるならサバイバルって言わなくない?」


 それぞれの感想が画面に向かって放たれる。そんな皆の声を聞きながら、私は足りなくなったサラミをスライスしていた。いやあ加工肉は充実してて楽ですわ。これはピリ辛だから、チョリソーサラミっぽいやつ。あれよりは優しい辛味で、噛むたびにじんわりと咥内に刺激が広がっていく。完璧酒のつまみなんだけどなあ!!


『イベント特有の仕様などはあります?』

『あります。まずは、一度イベントフィールドを選び入ると、特定ポイントを獲得するまではイベントフィールドから出ることが出来ません。これはログアウトして再度ログインしても同じ状態です。イベントフィールドから始まります。ポイントに関してはイベント開始時に、各ユニオンから説明があるので聞き逃さないようにしてください』

『ユニオン……各スタート国にある、組織の名前ですね。ギルドとは違うので皆さん気をつけましょうね』

『イベントの特殊開始クエストもユニオン発行となりますー』

『更に、イベントフィールドでは持ち物に制限がかかります。インベントリを実装した直後ですが、持てる種類と個数に割と少なめの上限が設定されています』

『まあインベントリが無かった時代の皆さんでしたら問題ないと思いますけどねー』

『なるほど。結構仕様が違うんですね。他に気をつけることや特徴は?』

『イベント達成リストがUIに追加されます。各イベントフィールド個別と、全イベントフィールド共通、それぞれ別にありますので、開始したらまず確認してみることをおすすめします。また、イベントフィールドには人数制限もかけられていますので、突入の際にはご注意ください』

『フィールド、足りなくなったりしちゃわないんでしょうか?』

『生成フィールドの種類がもし少なくなった場合でも、同フィールドを複数生成しますので、人数に対して足りなくなることはありません』

『良かった! それなら安心ですね!』


「お酒あるかなあ」

「ないだろ」


 あまり期待せずに呟けば、速攻でまたモルトに否定された。いやあ、そうだとは思うけど、ちょっとは夢を見させてくれても良くない?


 宴もたけなわ、予定していた項目も終わったのか、クロージングトークに移っていく。

 私たちも締めにしようかと、エールズがクラン名の入った木箱をテーブル中央に置いた。枚数が人数に対して少ない気もするが、締め切りまでに書けなかったやつに文句を言う資格なし! そも基本ネタに振るメンバーが多いのでね。


「じゃあ、せっかくだし、シェフレラ引いてみる?」

「えっ! 私でいいんですか……?」


 びっくりしながら皆にどうぞどうぞされて、レラは木箱へ指を伸ばす。

 さあて、彼女が選んだクラン名はー?


「えっと、桃宴郷(トウエンキョウ)? です!」


 どうやら今回はまともな名前になったらしい。誰が書いたの? リト? そっかー。




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