マリアの表情
マリアの表情(さらに詳しく)
カウンター越しに四人を迎えたマリアの表情は、穏やかでありながら細かな変化に富んでいた。
最初に顔を上げたとき、彼女の茶色の瞳は優しく細められ、口元には自然な微笑みが浮かんでいた。話すたびに頬がわずかに上がり、笑みの端に小さなえくぼができる。胸をカウンターに乗せるときも、その表情は崩れず、むしろ「どうぞ」と誘うように目を細めた。
俺の手が胸に触れた瞬間、マリアの眉がふっと緩む。瞳の焦点が少し内側に向き、唇がわずかに開いて小さな吐息が漏れた。それでも笑顔は消えず、むしろ深く、柔らかくなる。確認が進むにつれ、彼女の頬に薄い赤みが差し、耳の先までほんのりと色づいた。
「……安定していますね」
そう言ったときの声は普段より少し低く、吐息が混ざっている。目を細めたまま俺の手の動きを見つめ、時折まばたきの間隔が長くなった。快感を隠そうとする様子はなく、むしろそれを受け入れながらも、受付としての落ち着きを保っている。
最後に手を離すとき、マリアはもう一度にっこりと笑い、目を細めて「良い夜を」と告げた。その笑顔は明るく、しかしどこか満足げで、胸の熱がまだ残っていることを静かに物語っていた。
マリアの表情は、穏やかさと色気、そして仕事としての余裕が、自然に混ざり合ったものだった。
(続く)




