セラの魔力が感覚と直結している理由
セラの魔力が感覚と直結している理由
エルが静かに説明を引き継いだ。
「セラさんの魔力が感覚と直結しているのは、彼女の『戦士』としての魔力の使い方に原因があります」
セラは自分の胸を軽く押さえながら、少し恥ずかしそうに聞く。
「……どういうことですか?」
「戦士の魔力は、主に『防御』と『身体強化』に使われます。これらは、外部からの刺激――つまり痛みや衝撃、触れられる感覚――を即座に判断して魔力を分配する必要があるんです。そのため、セラさんの魔力は、胸に集中しながらも、皮膚の感覚と非常に密接に繋がっています」
リナが興味深そうに身を乗り出す。
「つまり、触られた瞬間に『これは防御が必要だ』って魔力側が判断しちゃうってこと?」
「そうです。特に胸は魔力の核なので、そこに刺激が入ると、感覚が魔力の流れに直接変換されます。快感も、痛みも、熱も、すべてが魔力の活性化として処理されてしまう。だから、顔が赤くなったり、体が震えたりする反応が抑えにくいんです」
セラが小さく頷いた。
「……確かに。勇者様に胸を触られると、すぐに『守らなきゃ』って思うんです。でも同時に、気持ちよくもなって……それが防御の魔力に変わっていくのがわかります」
エルが続ける。
「魔法使いの私の場合は、魔力を意識的に制御してから使うので、感覚と魔力の間に『思考』が入ります。セラさんの場合は、その思考を挟む余裕がなく、感覚がそのまま魔力になる。それが、反応が出やすい理由です」
セラは自分の胸に手を当て、透けたシャツ越しに先端の位置を確認するように軽く押さえた。
「だから……勇者様に触られると、どうしても反応してしまうんです。魔力の性質上、仕方ないことなんです」
彼女の頬は、すでに薄く赤らんでいた。
セラの魔力が感覚と直結しているのは、戦士として生きるために必要な、そして避けられない特性だった。
(続く)




