4話 なんかサラッと重要な情報を言われたんですけど…?
「…なんて?」
「いや、だから、悪役令嬢救済処置。」
「何それ。」
聞き間違いじゃなかった。てか、流暢だな…。さっきは追加コンテンツって言えてなかったのに…。じゃなくて! 何?? 何なの? 何て言ったの!? 悪役令嬢救済処置って何!? 最近の乙女ゲームってそんなのがあるの!? え、私の救済は?? 怖っ!?
「悪役令嬢救済処置とやらで、私はああなるの?」
「そうだな。」
「へ、へぇ…。」
肯定された。嘘でしょう? 泣くんだけど…。それにしても、なぁ…。いつの間には制止している映像に目をやり、隣のイオを見る。”自分”も同じ状態って事わかった上で私に会いに来る? 普通…。いや、ここまで、話してて、イオが普通じゃ何のは分かったけどさぁ…。
「俺もさぁ、あの姿には、成りたくはないから、成らない方向でいこうぜ。」
「…聞いて言い?」
「ん?」
「成った事あるって事…?」
聞いた瞬間、ゾッとした。綺麗に嗤った。目を奪われる程の…この世の者ではない様な笑みだった。真っ黒な瞳が私を見てる。何処までも、どこまでも黒い瞳で私を見ながら自身の口に人差し指を添える。
“しぃ”
ははは…。秘密って事ね…。それは言っていると同義では? なんて野暮な事は言わないけどさぁ。
「まぁ、とどのつまり俺もお前も気を付ける事があるって事…だな。」
「んーそうだねぇ。…例えば?」
「例えば…。あー。お前ってこの世界の事何処まで知ってる?」
「…ん?」
どー言う意味だろう? そう思いながら首を傾げる私にあーっと、遠い目をするイオ。えぇー何その反応。そのまま頬を突かれる。何々…突かないで欲しい。
「この世界って、シリーズ化してんだってのは言ったな。」
「はい。」
「シリーズ化ってのは俺も良くわからなねぇ。から、それは、今度ちゃんと聞こうぜ。」
「うん。」
シリーズ化…って事は、話が何話か繋がってるって事かな? 考えているとムニっと指で頬を摘ままれた。目線を上げると、目が合う。あーはい。聞きます。
「はぁ。今必要な事だけ言うと、今いる”軸”が悪役令嬢救済処置の方向に入っているか否かって事なんだけど…。」
「はい。」
てか、軸って言うんだ…。はい。すみません。
「多分入ってる。」
「…わかるの?」
「まぁ、俺にこの話をした奴が言うには1週目と2週目があるんだと。」
「…」
「滅茶苦茶簡単に言うと、1週目が主人公…オペラ用で、んで、2週目が…悪役令嬢用らしい。」
「ぁー。うん。2週目って私幸せになる?」
「ならねぇーな。2週目は、悪役令嬢専用! って感じで、主人公を絶望させて闇落ちさせていく話だからな。あ、でも、1周目はオペラはハッピーエンドだぞ?」
2回目も幸せになりたんだよ! てか、うっそでしょう?? めちゃくちゃいい笑顔で言ってくんじゃん! イオ、実は私の事嫌いでしょう!?
「出来れば、死なない方向がいい…。」
「聞いた話だと、2週目のお前って世界と心中する為に俺を呼び出すらしいぜ? んで、それを、悪役令嬢が助け出して、俺と悪役令嬢は結ばれる…らしい。ドンマイ!」
「いい笑顔だなぁ…。」
「まぁ、聞いた時は、爆笑もんだったぜ?」
最悪だ! 人の不幸をなんだと思っているんだ! はっ! 悪魔かこいつは!?
「は、はぁ…あ。普通は”ハッピーエンド”で終わるんじゃないの!?」
叫んで、持っていたカップの中身を空にするとカップに新しい紅茶を注がれる。いい香りなんだけど…それどころかじゃないんだよなぁ。
「まぁ、やり込みタイプの人間もいるだろし、結構人気のゲームで、隠しイベント? とかもあったらしいからなぁ。その”悪役令嬢”が可哀想だったから、せめて2回目は幸せにしてあげてって声があったらしい…。」
「…そーなんだ。」
なんで、そんな事まで知ってるの?? 制作者なの??
「それに、やるなら1回クリアした世界に興味なんてねぇ~だろ? なら、1回目とは別の“選択”をした方が面白いだろ?」
「…あー。確かに。」
繰り返しなんてつまらないから、ちょっと選択肢を変えて、新しい発見してみようって事だよね? つまりは…あー。そっかぁ。うん。それが今言ってる。
「で、俺が思うに、ここは2週目の世界だと思うって話だ。」
「へぇ…。」
ごめん。全然分からん! ぶっちゃけ途中から何ってんの?? って思ってる。いや、マジで、きっと、きっとこれは、私の理解力の問題もあると思うんだけど…。それか、拒絶したかのどっちか…。
「俺は、思ってるけど、…オペラはどっちだと思う?」
ニヤリとニヒルな顔でとても愉しそうに言うイオに言い性格してんなぁって勝手に思う私。
知らねぇ~!! ぶっちゃけ、もうどっちでもいい! だって分からんし! ただ、平穏なら何でもいいんだけど!? 無理なんか!? コレは!
「出来れば…出来れば! “ハッピーエンド”の1週目がいい!」
でも、こんな事言うんでしょう!? だから、きっと…ああああ、何でそんな可哀想な目で私を見るの!? えーいやぁぁぁ!
「…そうだな。」
分かってるよ! 多分違うんでしょう!
「いやぁぁぁ! こんきょ~。」
「3つある。」
「3つもあるの!?」
そ、そんなにあるんだ…。多いな根拠!!
「お前の母親が亡くなるのが早すぎた。」
「…は?」
え? 何? どう―言う…。
「…オペラの母親が亡くなるのはオペラの魔法がわかってからだ。だから大分後のはず…らしい。」
「…そ、そう。」
「んで、ここ最近“きな臭い”連中も出て来た。」
「…ぁーっと。んー。」
何をどう言ったらいいのかは分からない。
「だから、1年前の件も早すぎた。」
「…っ。」
言われて何かを言おうとした口は声を発する前に閉じだ。
「ただ、コレはあくまでも、俺の憶測だ。根拠はあっても証明する事は出来ねぇからな。」
「う、うん。」
「まぁ、色々言ったけど…さぁ。オペラ。強くなりたいよな?」
「え…、う、うん。」
唐突に何? 今の流れで言う話なの?? それにしても、私はどうして、攻略対象様に、この世界の説明してもらってるんだろう? 普通逆では? とか今更思うけど、まぁいいか。なんか面白いし。て言うか、攻略対象様の中にイオ居たっけ? 見た事ない。間違いなくパッケージには、居なかったはず! 裏? 裏にいた??
「それにしても、よく私に会いに来たよね?」
普通は避けるよね?
「聞いたから?」
聞いたから?? え? 聞いたからって普通会いにくる? 避けない? 興味あったら向かっていくタイプなのか?? はぁー。なんか誕生日なのに、一気に疲れた。
「って事で、お前の事鍛えてやる。」
「へ?」
「これからは人前では師匠って呼べばよ。弟子?」
「…」
これって拒否権あるかなぁ。あ、ない感じですか…はい! すみません!
「後は、俺と”結婚”するか!」
「…えぇぇぇ」
すっごい事をさらっととんでもない事を言われたんだけど、色々大丈夫?? 私…。
悪役令嬢救済処置…人気があった悪役令嬢を2週目で幸せにする為(好きなキャラを攻略できる)の処置




