27話 どうやら聖女様には別の力があるらしい…。
朝、目が覚めるとイオの姿はなかった。朝が早い男である。尊敬はするが、前名は出来ないと思っている。起き上がると、すでに太陽は昇っている。目覚まし時計が欲しいと思ってしまう。これ、学園始まったら、ちゃんと私自身が起きれるか心配である。
「今から頑張れば間に合うかな。」
間に合うよね? 朝起きるの。私、前世でも朝起きるのが大変で結構ヤバかったんだけど。特に、冬とか無理だったんだけど…。もはや絶望である。
「とりあえず、起きるか。」
よし! っと起き上がり寝巻の服から私服にを着替えて顔を洗おうと扉に手をかける前に開いた。
「お、起きたか? おはよう。」
「うん。おはよう。イオは起きるの早いね?」
何かイオからいい匂いが…これは!?
「まぁ、な。飯どうする? 外で食べるか? それとも、俺が調理場で借りて作ったサンドイッチ食うか? 卵とハムとキャベツ入り。飲み物は珈琲と、」
「イオのサンドイッチ食べる!」
イオの返事を待たずにバケットを受け取る。あ、これ、外晴れてるし外で食べたら気持ちがいいよねぇ~。
「っはは。いいね。外で食べるか?」
「たべる~! 一緒の事思ってた!」
「お、ならいいな。因みに、飲み物は珈琲とミルクティー準備してる。」
バケットを片手にイオに手を差し出すと笑って握ってくれる。普通は逆じゃね? っと言われたが、笑ってごまかしておいた。
「えぇー。悩むなぁ。」
「まぁ、おすすめはミルクティー。」
「じゃ、ミルクティーで!」
外に出ると、人の活気がすごかった。なんか、昨日よりも人多くない?? なんかあるの?
「ああ、生誕祭が近いからな。」
「生誕祭?」
「聖女様のな。んで、1週間ぐらい生誕祭を記念して祭りをするんだよ。」
「へぇー。生誕祭かぁ。」
1週間もお祭りするんだ。すごいな。聖女様人気。…確かに、そのまぁ、聖女様を模ったお饅頭売りたくなるよね。いや、あれは通年売ってたんだっけ?
「行きたい?」
「んー。お祭りには興味あるんだけど、時間がないし。いいかなぁ。」
それに、ここの生まれでもないしなぁ。地元なら参加するけどぉ。そこまでかなぁ?
「意外。」
「そう?」
手を繋ぎながら良さそうな場所まで歩くと、最初に見た広場に着いた。
「あ、あそこの噴水の端にベンチあるよ。」
「なら、そこにするか。」
「うん。にしても、噴水なんてあったけ?」
横を通りながら噴水を見ると以外と大きかった。その中心に座った姿の女性の像が置いてある。きっと、あの像の女性が聖女様だ。その左右には、男の騎士の人がいる。護衛?
「今度の生誕祭の主役はこの聖女様だよ。」
「愛とは永遠って人か!」
あの、ちょっと恥ずかしい事言ってる女の人だな。名前はそう言えば聞いてない。どっか書いてたりするのかな?
「それは、初代聖王が、言った言葉で聖女様は言ってねぇーよ。」
私の隣にきてあきれ顔をで言うイオは、そのまま私の手を引いてベンチに着くとハンカチを引いてくれた。スマートだなぁ。その上に腰を下ろすと、バケットからサンドイッチを渡してくれた。
「美味しそうな。タマゴサンド。めっちゃ綺麗な色なんだけど?」
え、これ手作りなの!? イオから受け取ったパンは、粗めにつぶされた白身と黄身のタマゴサンド…。見ただけでわかる。これ、絶対に美味しい! え? めっちゃ上達してない??
「あ、トマトとハムとレタスのサンドイッチもあるぞ?」
「え、食べる! 置いといて!」
「はいよ。っと、ミルクティーは?」
「んっ…! ふぃっ…る!!」
「はは…悪い悪い。今度切ってから渡すな。はいミルクティー」
食べながら伝えると、笑われた。…ひどい。ちょうどタイミングよかったんだもん! 私は悪くない!!
「あ、りがとう。」
「いいえ。」
とりあえず、渡されたミルクティーを飲んで落ち着く。
「イオさぁ。すっごい勢いで料理の腕を上げてくるよね?」
「そうか? サンドイッチは簡単な部類だろ?」
「は? 何言ってんの? シンプルな料理なんかね、味の誤魔化しがきかないから難しいに決まってるじゃん! シンプルだからこそ余計な味を入れれないんだ!」
私はそうだった…。前世、私は親に言われてご飯を作った。そうして、徐々に、作れば作るほど、味は不味くなっていく。何故だと頭を抱えた私に、親はもういいよと、優しい笑顔で言った。あの時程、悲しい事はなかった。レシピか?? 魚はうまく焼けたので、それだけが救いだった。本当に悪いと思っている。未だに、なぜ不味くなったのわからない…。なんでだ。
「つまり、オペラの胃袋を掴むのも時間の問題って事か?」
ニヤリと笑うイオに、悔しいが言い返せないのも事実! いや、でも、胃袋で…。く、考えるのは今は辞めよう! うん!
「…それは、ちょっと、置いといて。」
「えー。…まぁ、いい。時間はあるしな?」
「そう…だ、ね。ぁー。うー負けそう。」
「負けていいよ?」
「イーオー?」
笑って言うイオの顔を軽く睨むと更に笑われた。ひどい! 私は真剣なのに! 半分…いや、3分の2は落ちてるけど…それでも。記憶も何もない私が、いずれ、闇落ちなんかしてしまったらっと未来がチラつく。
「はいはい。待ってるからいいよ。」
きっと、そんな私の考えもすべてわかってるんだろうなぁ。でも、ちょっとムカつくので黙っている。
「はぁ。ねぇ、話変わる…てか、話戻すんだけど、ここの聖女様のお名前は?」
「めっちゃ話変わるじゃん?」
「いや、話を戻しただけなんだけど。」
話してて、思ったんだけど、そう言えば、こんなに有名なのに、私、聖女様の事全然知らないなぁ。お祈りしてるのに…。てか、聖王様に出会ってたのに…。それはそれでヤバいよね!? 聞かれなくてよかった…。え、確か何人かいらっしゃるよね。内心冷や汗をかいている私の隣で、口を開くイオ。
「聖女アリア。金髪碧眼の美女だった。」
おや? 断言してるって事は、見た事あるのかな? 結構昔の人っぽいけど。
「会った事あるの?」
「会ったことは無いな。」
ちょっと含みがある答えが返ってきた。見た事はあるって事かな。でも、生きてる時間長そうだし。
「つまり、見たことはある?」
「まぁな。遠目で見たかな? だから、ちゃんと祝福…あーこっちでは”能力”か? は、わからねぇんだよ。まぁ、マグダラも詳しくは知らないらしい。」
「祝福?」
聞いたことがない名前に首をかしげる私に、説明をしてくれる。
「ああ、正確には、聖女様に神様から与えられた魔法…祝福って言われてる。」
「祝福」
「ああ。例えば、”増幅”や”生成”に”模倣”とかかなぁ。」
「へぇ、”神聖魔法”と一緒に使用したら、なんかすごそうだね?」
「まぁな。でも、その時の聖女によって何が与えられるは”聖女様”次第なんだよなぁ。」
「なんか、それは…どうなの?」
「あれは、もはや、賭けみたいなもんだしなぁ。ただ、あの人の目に狂いはねぇけど…。」
「あの人?」
「あー。こっちの話。ってことで、祝福ってのは、神様から直に与えられる恩恵みたいなもんだよ。”神聖魔法”のおまけみたいなもんだ。だから、聖女様、1人にしか与えられないんだよな。」
「ざ、雑だなぁ。」
「それでも、歴代の聖女様達は使いこなせてるから。いろんな意味ですげぇよな。教えてくれるの人居ねぇからな。」
「た、確かに…。」
ある日、突然与えられる祝福もらうけど、自分以外は持ってないから必死で使い方を勉強したんだ。すごい。私、未だに魔法の事全然わからないのに…。
「すごいなぁ…。」
「なぁ。」
サンドイッチの最後の一口を食べ終えて思った。
「ねぇ。イオ」
「んー?」
「因みに、私は魔法使えるの?」
教会に言って、自分の魔法が分かったなら、使えるのだろうか? 疑問に思ったことを伝えると、一瞬だけ驚いた顔をしたイオは微笑んで口を開く。
「ああ、使えるぞ。」
そう言った顔は、とても悪そうで愉快な顔をしていた。いい笑顔だと思った。
祝福…聖女様が神様からもらう補助魔法です。でも、神様からなので普通に強力です。
※小話と言うか蛇足
今回、どうして主人公が料理をしないのか…これからも多分しませんが、ソースは私です!
私の家のルールで一番初めに帰って来た人が晩御飯を作るって言うルールがあって、私が1番早くかったから作ってたんですね。
いや、初めはね。頑張るじゃないですか。でもなんか、作れば作るほど、回数をこなすほど、焼き物だけが不味くなっていくんですよ。いやぁ、本当に、なんでか不味くなっていくんですよね。味噌汁とか魚とか鍋物は大丈夫なんですけど! 父上と一緒におかしいなぁって言いながら食べてましたよ。
でも、親は、私がわざとじゃないし、仕事終わって作ってるからって、我慢して食べてくれてるんだけど、私が毎度めんどくさがって大皿で出すもんで…ついに、文句を言われまして、だから私も言いましたよ。
「愛があれば食べれるよ!」って、そうして言われました。
「愛がないと、ここまで食えねぇだろ!」そう言って、父上は大皿の3分の1を見せておっしゃりました。
たしか、作り始めて半年ぐらいで…。半年我慢して食べてくれてました…。
そして、残りを父上が焼いて、一緒に食べました。美味しかったです。焼き加減ですかね? 母上は、普通に美味しいと言ってました。きっと、仕事で疲れてたんだと思いました。だって、作った私が、微妙寄りの不味いなぁって思ってたんだもん!
因みに、最近では父が1番早いので、晩御飯は父担当になっております。母上の場合は、お弁当を買って帰ってきます。わが家の家事担当:父上! 気が向いたら、洋服の話書いた時でもわが家の洗濯事情書きますね。
ここ最近、お前も作れ、父上に言われたので、家のルールの事と私が作ってすべて食べてくれるのか?と問うた所、すごく、すごく、すーごーく、迷って断られました。それはそれで癪だと思いました。1~2回目は成功するんだよ!? っと心の中で思いました。




