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エゴイストたちの愛が重い 〜嘘つきたちの甘い包囲網〜  作者: ぺんなす


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3/3

ぶつかる欲望

「はぁ…はぁ…。急がなきゃ……!」

今日はゆうちゃんと琉兎くんを会わせる日!なのに、先生と話しすぎちゃった…。ふたりと約束してるのに、気づいたらあんなに質問しちゃうなんて……。ふたりにちゃんと謝らなきゃ。あ、ふたりとももう仲良くなったのかな?ふふっ、なんか嬉しい。

「お〜い!」

走りながらふたりに向かって手を振ると、ふたりが笑いながら手を振り返してくれた。

やっぱり友達になったみたい。よかったぁ……。



みつき到着、数分前───────────。


「はぁ……」

…気が重い。再会できたと思ったらどん底に落とされた気分。でも、断ったらみつきが悲しむだろうし…みつきの友達がどんな奴なのかは気にはなる。みつきのことどう思ってるのか。ただの友達ならそれでいい。

もし、違ったら──────。


「…あんたがゆうちゃん?」

()()()()()呼びはみつきだけのものだ。気安く呼ぶな」

一瞬で感じ取った。こいつは同類である、と。声のトーン、話し方、視線。そのどれもが俺に敵意があることを示していたから。多分こいつから見た俺も同じようなものだろう。

「ふーん。おれは鐘城琉兎。みつきちゃんの友達。()()()()()()()()

「…葉之崎優人。みつきのこと中学から知ってる。三年間同じクラスだった」

「それ、マウントのつもり?たった三年一緒にいただけで?」

「そっちは知り合ったばっかりだろ。みつきのこと何も知らない」


互いに牽制しあい、譲らないという空気が漂っていく。遠巻きに眺めている周囲の人達でさえ、無意識のうちに目を逸らすほど。


「知らないほうが色々楽しめるんだよ。みつきちゃんの新しい一面をね」

「お前にそんなもの見せない。……お前、みつきから優しい奴って聞いてたけど、随分違うんだな」

「それはお前もでしょ。みつきちゃんには笑うんだって?あの噂、みつきちゃんといたいから言ってるでしょ」

「……誰にも邪魔されたくない。ただそれだけ」

「おれからしてみればお前も邪魔なんだけど。……消えてくれる?」

「それはこっちのセリフ。邪魔なのはそっちだ。みつきに近づくな」

「はぁ?なにそれ。ナイトのつもり?ウッザ。……あ〜…お前のこと、ぶっ殺しちゃおうかな〜」

そう笑顔で言い放つ琉兎。

「いいよ。俺がお前をぶっ殺すから。……みつきは渡さない」

据わった目で見下ろす優人。

「ははっ。みつきちゃんはおれを選ぶんだから、おれのだよ」

「…フッ、みつきがお前を選ぶかよ」


爪も牙も、棘も毒も互いに一切隠すことなく、剥き出しにし続ける。全ては彼女を渡さないために──────。


「その言葉ブーメランでしょ。みつきちゃんはおれといた方が幸せなんだから」

「お前が勝手にみつきの幸せ決めんな。俺の隣が一番に決まってる」

「え〜そんなわけないじゃん。たった三年間一緒にいただけでよくそんなこと言えるよね〜。……ほんと邪魔」

「お前は所詮みつきの友達。俺はみつきの親友。こっちのが上」

「ぷっ、ははっ……バカバカしい。お前だってただの友達だよ。おれはこれから恋人になるから。……邪魔すんなよ」

こいつ…/あ〜今すぐ


""殴りたい""


二人の間に漂うピリピリと張り詰めた空気は


「お〜い!」

たった一声で解かれていく。

彼女の声と姿は二人の口元を綻ばせ、"友達"の姿へと変えていく。


───────みつき/みつきちゃん。


「はぁ…はぁ……。ふたりともごめんっ…!待たせちゃったよね……」

「気にしなくていいよ。みつきちゃん」

「全然待ってない」

「わ、ゆうちゃん…撫でちゃダメだよ!汗かいてるから…」

「平気。走ってきたでしょ。お疲れ様」

「…そうそう、お疲れさま。みつきちゃん、走ってきたんだから、まずは深呼吸深呼吸」

「うん…!すーはー…すーはー…。ふぅ……」

「みつき、水」

「わ、ありがとう!ゆうちゃん」

「……うん」

「ねぇねぇ、もしかして…ふたりとももう仲良しになった?見つけた時に話してたからそうなのかなって思ったんだけど…」

「…なったよ、友達に。みつきちゃんのおかげで友達が増えて嬉しいなー」

「おぉ〜!よかったぁ……。改めて、これからよろしくね!ゆうちゃん、琉兎くん」

「…ん。よろしく」

「よろしくね。みつきちゃん」


眩い笑顔は今日も二人を狂わせる。

あの張り詰めた空気は、みつきとは無縁にしなければならない。二人の中で密かに誓いが立てられた。同時に、みつきは誰にも渡さないという欲望も強まっていく。


"さらに奥底へ──────"


"もっと─────跡をつけて"


みつきを巡る物語の幕は、彼女に知られることなく上がっていく。華やかな物語とはきっと違うだろう。けれど、出会ったあの日から抱いた気持ちを捨てるつもりはない。


この欲望は みつき/みつきちゃん(きみ)専用───────。

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