幕間:暇を持て余した者達の遊び Second Stage
誰か様視点です。
人族の住む大陸に魔王軍始動の衝撃が密かに走る中、山よりも高く天よりも高く遥か彼方の高い次元では今日も暇を持て余した者共が名々好き勝手に遊び呆けておる。
銀河のプールで小惑星を弾いて玉突きしてる者も居れば、気まぐれに箱庭を作る者や人の営みを覗き見るのが好きな者など様々だ。
夢枕に立って意味深なことを告げては人の子共が惑うのを楽しんだり、運命に悪戯を仕掛けて悲劇に喘ぐのを見て楽しむなんて悪趣味な者共もおるが、余程のことが無い限りは好きに遊んでいて構わない。
それが許されるのは「神だから」その一言に尽きるな。
わしは他の者とは違い何かと忙しい身でな、そろそろ迎えるダンジョン対抗バトルSecond Stageの結果を確認する作業に取り掛からねばならんのじゃ。
ダンジョンの生成から最初の三ヶ月間がFirst Stage、ここで多くのダンジョンマスターは脱落していく。わしが胴元となってダンジョンの生き残りを予想する賭け事が大人気じゃ。
次なるSecond Stageは一年目終了までになるんじゃが、数が絞られておるからモニタリング企画みたいにして楽しんでおる。3rd Stageはその後三年間となっており、成長や進化の過程を倍速で楽しむからシミュレーション物好きには好評じゃ。
四年間終了時点で生存しているダンジョンはFinal Stageへと招待され、仮想空間でのダンジョン対抗バトルが開催される。盛り上がりはこれが一番でな、優勝予想の賭け事でウッハウハじゃ!
ちなみに、ダンジョン対抗バトルは純粋な戦闘力勝負じゃから、ダンジョン特性を活かした防衛力はあんまり意味をなさないんじゃよな。ダンジョンでやる意味とはなんて騒ぐ輩もおるが、やっぱりバトルは派手でなくてはの!
そんなわけで、久しぶりに今期のリストを表示っと。
ふむふむ。
一位通過した龍人族の兄ちゃんは順調に戦力を伸ばしておるな。大きく離されていた2位通過のダークエルフは知能の高いモンスターが何体か育っているから勢いを増しておるな。悪魔族は…やはり討伐されておるか。妥当なところじゃな。
First Stageではあまり奮わなかった海洋ダンジョンと断崖ダンジョンが怒涛の追い上げを見せておるな。なるほど、此奴らは共闘しておるんじゃな。ハルピュイアが誘い込んでスライムが拘束し繁殖やら搾取に用いていると。
脱落した者もある程度はいるが、予想以上に残っておるな。Second Stageも生き残った者共は何かしらの強みを磨いておるからな、これからどんな展開になるのかまだまだ分からん。
…分からん繋がりでいくと、あのダンジョンの転がり方は本ッ当に分からん。
二転三転した後に想像の斜め上を飛び跳ねていきおった。しかも今は魔王の元にいるとか。
「…全く面白い奴じゃな…」
「ほんになぁ。少しばかり衝突はあったようじゃが……血が流れておらぬ」
「予想外の進化を辿る者達ばかりで、見ていて飽きませんねぇ〜」
わしの横からリストを覗き見るのは特にこのダンジョンに肩入れしておる2柱じゃ。
わしとしても最早隠すつもりなどないが、呼んでもいないのにいつの間にか来よったわ。
次いでぞろぞろと馴染みの連中も集まってきた。
「あの花畑は今回も無事に生き残ったんでしょう?良かったじゃない」
「中々良い展開になってきたではないか!血の滲むような鍛錬はイイゾォ!」
「確かにの。あのアルラウネと草人共は良いな。わっち好みじゃ」
「あらあら〜。再生力に任せたゴリ押しな鍛錬方法は私の領分ですわよぉ〜」
「……お主ら皆好きなんじゃな」
わしの仕事場だというのに、勝手にウィンドウを出してはあのダンジョンの情報を色々と表示しておる。
戦闘力の高い炎魔術使い冒険者との出会いから、リベンジマッチへ。
食欲旺盛な熊型モンスターとの出会いにも怯むことなく手懐けてしまうし、魔王軍との戦いを経て大きく成長しようとしているダンジョンモンスター達。
……本来の運命であれば、やる気に火が着いてしまった炎魔術師と、ハルを守ろうとするあまり暴走したモンスターとで激しい戦いになったり、熊型モンスターに何体かダンジョンモンスターが食べられてしまったり…となるはずだったのだが、彼奴は運命を変える力を持っているのかもしれんな。
「…トレントを媒体とした結界陣の構成は中々見所があるわよねぇ!」
「生命を賭した魔法……あぁ、美しいですわねぇ〜」
「俺が目をつけてるのはこのじーさんばーさんだな!目立っちゃいないが武術の吸収速度はピカイチだぜ!」
「やはり守りに意識が向いておるからのぉ。血湧き肉踊るような展開はまだかぇ?」
うむ、話が尽きることもなさそうじゃし煩いの。
「えぇい!他所でやらんか!!」
この調子でいけばFinal Stageでも大波乱を巻き起こしてくれそうじゃからな、頑張るんじゃぞハルよ。
ピロリン!
「至上神からの期待」「血戦の誘い」「儚き生命の輪舞曲」が発動!
ハルは身震いした!_▼
ダンジョン活性期の裏事情が明かされるお話でした。
ハルちゃんが関与できない部分に関してはゆるふわ力が働かないので、早くゆるふわしたい…!って禁断症状に襲われています。
これにて第二章は区切りとなります。
続けて最終章の書き溜めに移るのですが!僭越ながら、評価やコメントが欲しいのです!
初投稿作品で皆様に楽しんでもらえているのか、不安になりながら書いているので、皆様の時間を少しばかり頂けないかなと!何卒、何卒よろしくお願い致しますー!




