幕間:暇を持て余した者達の遊び
誰か様視点です
第何期じゃったかは忘れたが、ダンジョンマスターの召喚をしてから約三ヶ月。そろそろ脱落者やら頭角を表してる者も出始めていることじゃろう。今回はどんな展開になっておるのか楽しみじゃ。
下馬評では竜の血を引いた若い兄ちゃんが一番人気で、次いでダークエルフの兄ちゃんって予想じゃったな。ダンジョン運営に必要なのは武力よりも知力とは言え、やはり強い者の方が長生きする傾向にはあるしの。
人気どころはどうかなっと…うむ、生き残っておるな。どこも勢いがあってよろしい。悪魔族の兄ちゃんはちょっと人族への敵意が高すぎて先は短いかも知れんなぁ。
さてさて、あとは適当に人気順で確認していくとするか。うむ、今回も割と下馬評通りかのぉ。人気の低いところは脱落しているところが多い。一応生き残っているものはチェックするが、運による部分が多くて大して面白そうなとこはないの。
リストをザッと下まで確認していき、最下層は殆どが脱落している中、下馬評の最下位に目が止まった。
お、こやつ生き残っておるのか。わしの話も碌に聞いてなかったから全然期待はしていなかったんじゃが、ダークホースになるかもしれんな。どれどれ、どんな運営をしておるのか──
「ハァ!?なんじゃ此奴」
戦力にならんような食料用モンスターばかりを召喚して、剰え名付けまでしておる!ダンジョン準備期間の一ヶ月も大して戦力は増えていないのに人族に発見された今も無傷で生き残っていると!?
ダンジョンポイントの内訳はどうなっておるのじゃ?……なんと!DP収入の殆どが妖精やら精霊が訪れた時のおこぼれで成り立っておる!食物連鎖もなく、感情の揺れ動きも少なく、人族からの強奪もなしに、のんびりしよって!
此奴──ハルとか言う女のダンジョンを細かくチェックしていると、なんだか周りがざわざわしてきよった。さっき驚いた時に発してしまったから勘付かれてしまったようじゃ。
「面白い者でもおりましたかえ?」
「今回のダークホースは一体どんな者なのでしょう〜」
「猛き者か!勇ましき者か!!豪気なる者か!!!」
「それ全部一緒じゃない。これだから脳筋は…きっと魔法の才に溢れてるのよ!」
「ちっ、うるさい奴らじゃ。見たかったら勝手に見るが良い」
周りのは放っておいて、ダンジョン詳細の続きじゃ。
妖精らにダンジョンが見つかってから大精霊まで訪れておるのか。妖精達の人気スポットとなっていて、自然と人避けのまじないが掛かっておったようじゃな。
ドライアドとトレントを助けたことで人族に発見されてしまったが、その人族らまで取り込んでおるのか。
それにしても、わしの煽動が効いていないのは何故じゃ……ハッ!そうか、話を全く聞いておらんかったからか!
わしらの言葉には強い力が篭るため、ほんの僅かでも意識が向けば必ず影響が表れる。故にまともに取り合っていなくとも耳に入るだけで血気盛んになるよう仕込んであるのじゃ。そこまでわしのことを意識の外に追いやれるのもまた一つの才能ではあるが、この先どうなるものか未知数じゃな。
「あらぁ、結構綺麗なモノを作ってるのねぇ。これから先が気になりますわ〜」
「風光明媚で大変よろしおすな。しかし少しばかり血の匂いが足りぬな」
「……厄介なところに好かれちまったモンだなこいつは」
「そうね。破壊と創造の彼方さんと、安寧と闘争の其方さんでしょう。あーこわっ」
「まぁ俺らが直接どうこうできるモンじゃねぇが、絶対なんか起こるよな」
「ま、それはそれで楽しみってもんね!」
うむ、何も聞こえなかった。わしは何も聞いておらんぞ。
わしの煽動が効かなかった件については、仕方がないから良しとしよう。幸い人族に仇なすような存在でもないしこのまま様子見じゃな。
逞しく生きるんじゃぞハルよ……
さぁて!それじゃあダンジョン一年生存レースFirst Stageの配当をしていかねばな!
賭け事で一番儲かるのは胴元たるわしじゃ〜!うひょひょひょ〜。Second Stageも頑張ってもらわねばのぉ!




