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~掌握分散

ウィンガポールを制圧したのち、我々は津波が港を押し流すように周辺地域を掌握した。気が付けば東大陸の南を完全掌握し、有力な人材も急増した。ここまで領土が広がると”貿易公社”ではなく”国”の領域である。組織は肥大化し、私の器から溢れ出し、分裂した。十分すぎる領土を手に入れ、何もしなくても西と東から利益が舞い込んでくる状況になった。それでも拡大を止めることができない軍を現地民兵が支援し、海路からの祖国侵略が始まった。軍部は私の下を離れ、軍部を離脱した一握りの将と金のみで動く傭兵ばかりが残った。

 そして、ついに北の神権国家と接敵してしまった。神が金より大切な連中とは戦いたくなかった。だが守らねばならないだろう。この場所での生活は私に馴染み、私を受け入れ、私が好きになってしまったから。祖国に帰っても殺されるから。軍が我が祖国を仮に掌握できてこちらに引き返して来たら、私は社長を辞任して、今度は純粋な商館を作ろう。重戦士を用心棒にして、世界中を商隊で廻る方が楽しそうか。


 まあ、祖国が落ちるとは思えないがね。あれほど敵を絡め捕る要塞はないだろうから。私の希望はどこだ?

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