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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第十二話part5

「大丈夫野々野君?」

「ああ、俺は大丈夫。そっちは? 無茶したんじゃないか?」

「私も……大丈夫だよ。私の力わかってるでしょ?」


 私はそう言って二の腕に力瘤を作るポーズをする。別に私の力瘤をみせつけるためにそんな事をやってるわけじゃないよ。こんな私でも女の子として心配してくれるのは嬉しい。でも実際に心配されるのは心苦しいじゃん。

 元気だよって伝えるために私はそんな事をやってるのだ。実際ちょっと足首がなんか痛い。でもこのくらいはどうにでもなるだろう。私の人体の回復能力は普通の人よりも強い。超能力を得てからそれも発覚したんだ。だから私は部活の疲れとかもみんなよりも早く取れてた。

 きっと私の身体強化が体の回復能力も強化してるんだと思われる。だからこのくらいは医者に行くこともなくきっと治る。だからわざわざいう必要もないことだ。それよりも大切なことがある。私は歩道橋に打ち捨てられてる男を見る。


「どうしようか? これ?」


 それである。はっきりいってこのまま放置するのもまずいと思う。だって彼は壊れてる。完全に壊れてしまってるのかはわからないが、その力でいじめっ子? 達に報復をしたのは確実だろう。やっちまってたとしたら、彼はもう後戻りはできないだろう。そうなると改心の余地なんて……ね。

 私たちにできるのは彼を警察に突き出すことくらい。でももしも警察に突き出しても彼が裁きを受けるのかはわからないってのも事実だ。なにせ超能力者がその力で行った罪の立証の確証というか? 証明のことは法整備なんてされてない。

 つまりは本当に彼がいじめっ子達をやっちゃってたとしても、彼の罪を立証するのは難しいかもしれないってこと。それに……それに別の問題もあるよね。それは私たちが彼を警察に突き出すことだ。彼が超能力者だと突き出すと、そんな超能力者をどうやって捕まえたのか? ってことになる。


 これまでも私は警察に貢献はしてきてる。ひったくり犯とか捕まえてたり店で暴れてた人を取り押さえてたりしてるからね。でも彼が超能力者としたら、話は別だろう。普通の人なら、まあちょっと強い女子高生がたまたま大の大人を制圧できたりするかもしれない。


 当たり前ではないかもだけど、あり得なくはない。けど、超能力者を無能力者、つまりは一般人が捕らえるってかなり厳しい。そう考えるのが普通だと思う。そうなると、実は私も……という感じで私も超能力者だとバラさないといけないかもしれない。

 そうなるとこれまでのバレない努力が……そして部活の仲間、先輩達にしてた嘘がバレる。それは……とても困る。


「はあ……」


 思わず大きなため息がでる。だってさ……これだけ厄介な存在もそうそういないよ。こいつをどうしたらいいのか、どこがいい落とし所なのか、本気で頭が痛い。


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