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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第六話Part5

 幸せとは何か? そんな事を思って生きて来たことなんてなかった。でも、この日本という国に生まれて、そこそこ標準的な家庭で、学校にも普通にいけて、友達もできて、いじめとかとも無縁にきた。

 それはきっとそこそこ幸せなんだと思う。そういう風に漠然とおもって生きてきたわけだけど、確実に幸せを実感したこと……ってなかったと思う。だって生活って奴が出来てるとそれは当たり前になる。当たり前に幸せを感じる事ってそうそうないと思う。

 だからこそ、時々感じる幸せがとてもと大きく感じる。そしてそれが気になる男子と繋がれた……となると、それはもう感じるのはこれまでにない幸せ……になるのは必然というか? 当然というか? そう、私は今、『幸せ』なんだ。それを感じてる。


 だからだろう、この幸福感? 多幸感ともいえる状況になって、そして彼から抱きしめられたことで、私は受け入れられた……みたいに思った。

 彼なら私の全てを受け止めてくれる……そう思ったんだ。だから私は言った。言ってしまった。何も考えずに……ただ幸せをかみしめるように−−


「好き……私野々野君が……ううん足軽君が好き」


 そう……言ってた。いつもの苗字じゃなく、名前で呼んだのはそうしたかった……というのもあるし、今なら受け入れられる……と思ったからだ。彼は抱きしめたまま私の頭をなでてくれてる。その一定のリズムが心地よくて……「う、好き……大好き」と私は呟き続ける。ナデナデされてると多幸感でなんかこれが現実なのか妄想なのかわかんなくなってきた。思考も曖昧だ。それに……まぶたが重い。


「大丈夫、辛かったね」


 そんな声が聞こえる。優しい声だ。撫でられてる一定のリズムと、優しい声。そして彼のあったかさ。それによって私は……意識か不覚にもしずんでいった。




「う……ん? あれ?」


 私は瞼を擦って目を覚ます。カラオケの室内には物静かなBGMが流れてた。カラオケにこんな機能があるなんて私は今初めて知ったよ。リラクゼーションの音楽らしい。なにかな? 個室だし、勉強とかするために利用する人の為の音楽とかだろうか? 

 私の発想というか? 常識ではカラオケというのは集団でワイワイ楽しく過ごし場所という思い込みがあったからこんな機能があるなんて知るよしもなかった。


「野々野君?」


 私は部屋を見て彼がいないことに気づく。そして眠る直後のことを思い出した。


「私……やっちゃった?」


 そう呟いて、私は顔をあおぐする。

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