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翌朝、侍女長に呼び出された二人。



「貴方達の処分ですが」


「はい…」


「はい」


ジェーンとスザンヌは緊張が迸る。


「処分ですが貴方達を御付きから一般の侍女とします」


「「え?」」


てっきり宮廷を退かされると思っていた二人は驚く。


「先日のお茶会での失態ですが、間違いは誰にでもありますが、貴方達は反省しちゃんと誠心誠意を尽くしたそうですね」


「はっ…はい」


「お二方はお茶とお菓子の件ではご立腹でしたが、アレーシャが怒りを収めてくださいました」


「そっ…そんな」


昨夜あんなひどいことを言って罵倒したにも拘らずだ。


「間違いは誰にでもありますが、大事なのはその後どうすべきか。貴方達はちゃんと反省しました」


侍女長は厳しい人柄だが間違いを改めた人間に厳しい沙汰を下す程冷血ではなかった。


「薔薇の一件ですが、完全にとはいきませんがお許しくださいました。奥方も綺麗にバルコニーに飾られた薔薇を喜んでいらっしゃいましたわ」



厳しい沙汰が下ると覚悟していた二人は安堵した。


「初心に戻って一から務めなさい」


「はい!」


「精一杯励みます」


侍女を辞めさせられると覚悟していた二人からすればこの程度の罰は緩いぐらいだ。


(きっとアレーシャ様が掛け合ってくださったのだわ)


スザンヌは確信していた。

侍女長にそれとなく上手く言って罰を軽くしてくれたのだと。


(あんな酷いことをしたのに…)


最初から張り合おうなんて思った自分が馬鹿だった。


器の大きさが最初から違うのだと知らされた。


「まったく、本来なら貴方達は火あぶりにされてもおかしくなかったと言うのに。王室に入る方に手を出すとは」


「「は?」」


安堵するのも束の間、二人は侍女長の言葉に狼狽する。



「王室…?」


「今後、私達はあの方にお仕えします。まだ公にされておりませんがアレーシャ様は公妃となられます」



侍女長の言葉に二人は精魂が抜けていく。


「えっ…公妃様?」


「王太后様が承認されました。陛下の弟君大公様がアレーシャ様を妃に望まれたのです。私達はあの方にお仕えするのです。いいですね」


「「はっ…はい!」」


声が震えていた二人は思った。


とんでもない女性をこれまで苛め倒していたと。




「くしゅん!」


「どうしたんだ?風邪か?」


くしゃみをするアレーシャにお茶をそそぐルーファス。


「まぁ、いけません王太子様が」


「気にするな。風邪でも引いたか?」


魔法で部屋の温度を上げるルーファスだったが熱も肌寒さもない。


「誰か私の噂でもしているのかしら?」


「迷信だろう?」


「そうですね。私などを噂する物好きな方はいませんわね」


未だに過小評価のアレーシャだった。



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