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人間やめて、王国を作ろう!!  作者: kazuma1998713
最終章 次世代へ
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最終章2話

全員、彩香の指示に従って木星を攻撃する。木星はそう硬くはなく、直ぐに壊れた。そして、木星による重力操作の効果は消えた。


レブルの笑っていた事に彩香は始めて気付いた。レブルの左手の中指にも指輪が付けられていた。左手の中指と右手の中指、薬指の指輪が光りだす。


破壊された木星の欠片が潰れて開く。それはまるでブラックホールに形状が似ていた。


黒穴の重力(ブラックホール・グラビティ)


木星の欠片から無数のブラックホール。そして、分かるのはさっきよりも重力が強くなっている。皆が凄い速度で吸い込まれていく。


彩香は頭を働かせる。無数のブラックホール群から脱出してレブルの元に辿り着く方法に。だが、考えても出て来ない。


彩香が閃いたのは高速でレブルの元に一気で移動し、レブルに攻撃する方法。だがそれだと攻撃が無効化された瞬間、ブラックホールに吸い込まれて反撃のチャンスがなくなる。


さらにこれを使用するには前提条件として光速を越える必要がある。ブラックホールは光すらを飲み込む重力地帯。光速を超え、ブラックホールよりも速く移動する必要がある。だとこれを実行するには条件がある。


その条件は光速以上の移動に耐え切る身体が必要になる。光速以上の速さで移動したら普通に考えて、身体は粉々になる。


彩香はもう1つの方法を思いついている。それは瞬間移動を利用してのゼロ距離移動。瞬間移動は座標移動の為、速度は関係ない。1つ欠点があるとしたら魔力を使用する為、移動してから直ぐの全力攻撃は放つ事は無理だ。全力攻撃でも破壊出来るか分からないのに、全力攻撃以下の攻撃だと破壊出来る確率はさらに少なくなる。これだと、2人以上で攻撃するのが望ましい。


彩香は膝を着く。どう考えてもブラックホールが発生した状態で結界を破壊するのは無理だ。そんな彩香の肩を叩く者がいる。堂島会長だった。


「俺が瞬間移動で先陣を切って、レブルの結界にダメージを与える。だからお前は全員の魔力を借りて、レブルに全力の一撃を食らわせろ」


堂島会長はそう言って前に出る。左手に持つ槍に目に見える程の魔力が溜まっている。その魔力は紫と赤色に変色する。それと同時に堂島会長の全身から大量の汗。


彩香はそれに見覚えがあった。それは村でかつてのクラスメイトであった舞花に再開した時だった。彩香は舞花と話し合った。その時に舞花が読んでいた本のページに描かれていた。


魔槍グングニル。魂の奥に眠る全身全霊の魔力。命の魔力を左手に溜め放つ魔法。だが1度放てば命は燃え尽き、その人は死亡してしまう。


命と引き換えという事があり、威力は半端ではない。ルミナ神話では人間の心を忘れ、魔王と成り果てた男を殺す為にかつての仲間が全身全霊の魔力を溜めて放った魔法。その槍は空間をえぐり、光を貫き、邪魔する者は例外なく消滅させた究極の槍。


「我が命と引き換えに全てを貫く槍となれ! 魔槍グングニル!!」


堂島会長は呪文と同時に槍を投げる。そして


「行け!! 俺の魂と共に行けえ!!」


それは彩香に向かっての言葉であった。彩香は息を大きく吸ってから皆に向かって叫ぶ。


「皆!! 皆の魔力を貸してくれ!!」


彩香はそう言うと全身に眠る魔力を解放させる。赤のオーラが優希を包む。皆は手を出して魔力を彩香に渡す。


舞花はそれに見覚えがあった。


(あれは……間違いない。ルミナ神話に出て来る究極魔法。もしかして、彩香ちゃんは龍司を助ける為に全てを賭けるつもりなの? その優希ちゃんを見て私の出来る事は………)


舞花はそう考える。舞花がこの魔法を知っていた。それはプリーモの幼馴染であった女格闘家がいた。彼女は負け無しだったがある日、試合で人を殺めたのが原因で公の舞台から消えた。


だが、プリーモが1度だけ危機に直面した時、プリーモの前に立ち、かつて自分を支えてくれた者達の力を借りて全身全霊の最強の一撃を流星の如く放ったと言われる。


彩香の右手にある赤のオーラが強くなる。そして彩香は走り出す。皆は


『行けー!! 彩香!!』


彩香がたまに視認出来なくなる。それは移動の速さによるものであった。


グングニルが結界に突き刺さる。結界に少しだけだが、ひびが入る。そして、後ろから彩香の拳が現れる。


炎の流星群(ヒートスターダスト)!!」


右手から放たれる秒間に8000億発の全身全霊の攻撃。神の柱も破壊される。そして、拳はそのままレブルを襲う。だが、レブルは笑っていた。彩香はそれを一瞬だけ見れた。その顔はとても優しくて人間らしかった。


世界(ザ・ワールド)が現れる。ザ・ワールドは腕を開いている。どうやら抵抗する気はないらしい。


ザ・ワールドは彩香の拳に耐える。鎧がへこんだり、壊れたりするがそれでも耐え続けた。秒間8000億発の攻撃は並大抵のものではない。だが、ザ・ワールドは何秒も耐えた。優希も拳を放ち続けた。10秒くらいザ・ワールドは耐えたがザ・ワールドは粉々となり、消滅する。そして、蒼い光がレブルと重なり、消滅する。


(よくやったな。彩香。皆。ようやく俺は忘れていた大切なピースを取り戻す事が出来た)


彩香もレブルの目の前に立っていた。肩で息している。だが、レブルは椅子に座ったまま目を閉じている。脳に直接響く。


(俺は最後のピースを取り戻した事で俺はレブルと完全に融合し一つになった。今の俺は神に最も等しい存在だ。皆は行ってくれ、日本に。俺には向かうべき場所がある。先に皆は行ってくれ。そして覚えておいてくれ。俺がレブルであって細川龍司だった事に。俺は最後の戦いに向かう。これで本当に最後かもしれない。さようなら)


龍司はそう言う。彩香が叫ぶ。


「いつか! 探しに行くから!! 龍司に伝えていない大事な言葉を伝えてに行くから!! だから待っていてくれ!! 待って、私の言葉を聞いてくれ!!」


彩香がそう言うとクラスメイトや舞花、ミリア、アリス、フロールが自分の思いを言う。龍司には1つ、1つ聞いている余裕は無く、大体としてしか聞いていないが皆帰りを待っているという物であった。


(大切な物は直ぐ近くにあって、気付くのは難しいか……)


龍司はそう思う。そして、龍司は再び皆に向かって言う。


(皆言葉だけで凄く力になる。俺は今、1人なんかじゃない。皆はそこにいる。皆はあの村に石碑がある事を知っているか?)


龍司は皆に聞く。皆は首を傾げている。どうやら分からないようだ。龍司は言葉の続きを言う。


(あの石碑にはマスターピースと刻まれている。俺が刻んだ物だ。あの村は1つのパズルで1つの世界を構成するピース。そういう意味だ。俺は彼処の村いや国をマスターピースと名付ける。国王は……。皆が決めてくれ。マスターピースは常に心の中にあるパズルとピース。1人、1人がパズルで1人、1人が世界を構成するピース。何処にも存在して、何処にも存在しない幻の王国。きっと、村の連中も気付いているさ。あの石碑の存在とマスターピースの意味に。俺は行くよ。最後の戦いに。皆は待ってくれ。そして、忘れないでくれ、レブルと龍司という男が居たこと、マスターピースという王国が存在したことを)


終焉の銀河に光が満ちる。皆はその光に飲み込まれる。そして、龍司は光輝く空間に居た。


「どうやら、お前のパズルは完成したようだな」


「見ていたのか」


「当然だ。俺はこの指輪の中にずっといる。お前が自分の時を刻む様に、俺も俺の時を刻んでいる。この指輪の中で」


「面白いな。俺は何処まで行っても1人にはならないな。少し安心したよ。これで行ける。メビウスの輪の終焉。ゼウスの元に」


「ゼウスは強いぞ? 俺もかつてメビウスの輪の終焉。ゼウスの元に辿り着いたがゼウスは全ての存在を超える。最強の個体。お前はそれと戦えるか?」


「ゼウスが個体なら俺達は複数だ。大丈夫さ。欠けていたピースは全て揃った。俺の心の中でパズルは完成した。俺も1つのパズルで1つの世界を構成する大きなピースとなった。パズルのピースになれない神に負ける訳がない」


「そうか……。俺は指輪の中にいるよ。安心しろ。お前は1人じゃない。俺は直ぐにそばにいる。龍司」


「ありがとう。プリーモ」

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