第3章4話
龍司いやレブルの言った事は輝達にには信じられない事であった。あの日、龍司は死んだ筈だった。だからこそ信じられなかった。あの日、輝達は龍司は皆の為に死んだとして、心の傷を癒した。
輝がレブルに向かって言う。
「何を言っているんだ!! 龍司君は死んだ筈だ!! 君は死者を冒涜する気なのか!?」
「悪いがこれが真実だ。あの日、俺は死んだがとある人物によって生き返った。なんなら、クラスメイトの宮原 鈴菜にでも聞いてみろ。彼女は確か降霊師だったろ? 俺の魂と魔力は確かにここにある」
レブルはそう言う。レブルの正面にラグラスが現れる。そして、手に持った大剣でレブルを攻撃する。レブルは右手を前に出してガードする。
「君が本当に龍司君でも私は君を排除しなくてはならない。騎士団長として、障害は取り除かなければならない!!」
「それは無理ですよ。ラグラスさん。貴方と俺には圧倒的な差が出来た。貴方如きでは俺に傷一つ付ける事は不可能だ。邪魔するなら、貴方を排除する」
レブルは左手に持つデスペリアでラグラスの左腕を斬る。腕は宙高くに舞い上がり、肩からは大量の血が流れ出ている。
「ラグラスさん。人間が魔王に勝つのは無理なんですよ。力の差が圧倒的過ぎる。さようなら」
レブルは腰からもう1つのデスペリアを抜く。そして、両手で止まらぬ連撃を食らわす。
大剣はバラバラになり、鎧は傷だらけとなり、身体に傷が着いてゆく。レブルはそれを唯無表情で斬り続ける。輝達は怯えて足が動かないのか、レブルの所に来ようとしなかった。そして、レブルは左手を前に出す。
「零式魔法、天極」
左手から出た光線がラグラスを飲み込みかき消す。光線が消えるとラグラスは姿形も無かった。
「ラグラスさん!!!!!」
そう叫んだのは輝だった。その叫びはラグラスに届き事は無かった。
「よくやったよ……。レブル君」
レブルと輝達の間に黒い霧が現れる。そして、黒い霧の中から黒いスーツ姿の男が現れる。彼の右手には赤黒いシルクハットがある。レブルはその姿に見覚えがあった。
「まさか、かつての仲間を殺すなんてね。よくやるよ」
「あんたは誰だ? と聞きたいけどその指輪は俺と同じ、ルミナ神話に出て来る物だな?」
男の右手の人差し指に黒い宝石の指輪があった。男はレブルの問いに答える。
「よく分かったね。僕はリーブラ。あの時、1度会ってるよねコメット平野の迷宮で」
輝達はそれを聞いて、驚いているがレブルは無表情だ。レブルはこの男の姿を見たときに何と無くだが察していた。
「何の用だ? 俺は今から坂井 輝を潰さないといけないんだが」
レブルは輝達の元へゆっくりと歩を進める。それをリーブラが止める。
「まあ、慌てる時間じゃないだろ? 君の今の力なら、そこにいるゼウスが呼び出した学生なんて何時でも排除出来るだろ? 話がずれたね。どうだい? 僕達と手を組まないか?」
レブルは歩みを止める。そして、リーブラの顔を見る。何か、隠してそうな顔をしている。
「お前と手を組む? んなアホな。お前と手を組んで何になる?」
「何でもなるさ。分かっているだろう? 君はここで復讐を果たしてもやるべき事はなくなると。なら、共にゼウスを倒そうじゃないか。ゼウスが倒れれば全てが終わる。この世界は消滅し、君達が元いた世界に大量の魔力が降り注ぐ。そして、君達によって魔法が伝承され、やがて君の居た世界は魔法は科学となる。素晴らしいじゃないか。そんな、小さな復讐よりも大きな目的があった方がいいだろう?」
「貴様の目的が見えない。何が目的だ?」
レブルはリーブラに向かって言う。それにリーブラが答える。
「魔法と現代科学の融合。そして、ゼウス神の消滅。これが目的だ」
流石にレブルもこれには動揺する。現代科学と魔法の融合。それが出来たら今の帝国の技術を超えるであろう。それどころでは無い。現代科学は進化を加速させ、そして無数の発見が起き、魔法と融合する事によって限りない発見、そして各国は技術を競いやがてはさらなる発見のため、技術のため、世界規模の戦争が起きるであろう。技術革新は良い事だが、その代わりというか代償として戦争が起きる。
「さあ、君は復讐に生きるか未来の技術革新のために生きるのか、どっちがいいか分かるだろう?」
レブルは拳を握る。歯を食いしばる。今の自分の目的は復讐だ。だが、リーブラの言っている事は俺にとって気持ち良く聞こえる。
「俺の目的は復讐だ。それ以上でも以下でも無い。目の前にいる坂井 輝、西田 昌吾、斎藤 悠作、曽山 樹を殺す為に俺はいる。邪魔をするのなら貴様を殺す」
レブルはツインデスペリアを構える。そして、リーブラに剣先を突きつける。
「僕としてもまだ彼に死んで貰う訳にはいかない。全力で邪魔させて貰おう」
レブルとリーブラとの戦いの火蓋が切って落とされた。




