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35/35

※バスの席に座っております。

第35話です。

※物語を更新します。

※バスの席に座っております。


サブクエスト チワワと喋ろう


クリア

―――


周りの声ばかりが聞こえてくる。

「......」

康太はチラチラと蒼を見る。

「あ........」

康太の口が開いては、閉じてしまう。

蒼は窓枠に頬杖を付いて、視線は外に向けている。

「あ、あずねえだ。」

蒼の声が弾む。

「.......あ、玲ねえに叱られてる。馬鹿だなぁ…」

窓の方を向いている康太の頬が、少し赤くなる。

「あの!蒼くん――」

「康太、見ろよ。あれ。」

蒼と視線が重なる。


――笑っている。

「あずね.....梓先生、玲先生に怒られてるぞ。」

「.......」

「康太?」

康太の目に蒼の輪郭が映る。

「.......あ、うん。本当だ。」

蒼の口角が少し上がる。

「なぁ?言ったろ?あずねえは、絶対寝坊だぞ?」

「そうだね。うん。」

康太の肩を掴んで、外の玲と梓を指差す蒼。

「どうせ、昨日の夜一人で酒盛りしてそのまま寝たんだろうな。」

「そうなの?」

「あずねえ、酒好きなんだよ。玲ねえ達誘ってうちの家でよく姉ちゃん達と飲んでるし。」

康太の耳に蒼の息がかかる。

「へ、へぇー。」

蒼は片耳を手で隠す康太をチラッと見る。

「....ごめんな。」


「ん?」

康太は蒼の方を見る。

「ん?どうした康太?」

「え、あ、いや。」

「あ、あずねえ、玲ねえから手刀受けてる。」

窓の外に視線を戻した蒼に、康太は小首を傾げる。

「康太康太!あれ見ろよ!」

「う、うん。」

康太の肩に乗っていた蒼の腕が離れる。

「あず姉泣きそうじゃん。」

「本当だ。」

「玲ねえのあれ、痛いんだよなぁ。」

「そうなの?」

「おう。俺も何度か叱られた時に受けたことあるけどよ。」

「うん。」

蒼が目を細める。

「.....すっげぇ痛いんだよ。あれ。」

「へ、へぇー。」

「玲ねえ容赦ないんだよな。」


「.....僕にもするのかな?」

康太は蒼の方に視線を、ゆっくりと合わせる。


「......えっと、蒼くん?」

蒼の口から息が漏れる。

「......そうだな。まぁ、俺と仲良いの知ってるし、あるかもなぁ。」

「や、やっぱりそうかな?」

「......」

蒼はこめかみに手を当てる。

「まぁ、康太はどちらかと言うと撫でられるんじゃないか?」


「......え?」

康太の声が一瞬、うわずってしまう。

「あずねえとかワシワシと撫でるんじゃないか?」

「.....い、いやいやいやいや!な、なんでそうなるの.......」

康太の唇がパクパクと上下する。

「いや、絶対そうだぞ。」

蒼の目線から、康太は目線を下に落とす。

「な、なんでそう言い切れるのさ.....」

「そりゃ、康太よりもあずねえと玲ねえとは仲良い......あ」

康太はチラッと蒼を見ると、蒼は手を振っている。


それと―――


「玲ねえとあずねえがこっち気づいたぞ。」

「......」

「うわ、あずねえ起きたばっかだな。てか、髪の毛寝癖だらけだし―――」

「可愛い。」

周りの喧騒がやたらと聞こえてくる。


「.......あ。」

康太の頬がまた急に熱くなってくる。

「え、えっと。梓先生の寝癖がえっと、その、可愛いね!」

「.......おう。」

蒼は窓枠に頬杖を付いたまま、目線だけが康太を向く。

「あ、先生こっち来るよ!そろそろ出発じゃないのかな?」

「.....」

「蒼くん?」

蒼は康太の胸を優しく押す。


「......席座っとけよ。」

周りの喧騒にかき消されてしまっている声。


「......え?」

「だ!か!ら!座っとけ!出発すんだろうが!」

バス内の空気がひんやりと冷める。


「......あ、えっと。うん。」

「ったく.....」

蒼は、外に視線を戻す。


「.......あっつ。」

冷めたバス内の空気にその声がゆっくりと落ちる。


――― ―――


※バスが発進します。

読んでいただきありがとうございます。

次回もお楽しみに。



※物語が生成されました。



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