閑話-7 マリコ視点
最終話となります。いままで読んでいただきありがとうございました。
私はマリコ、トモミとは高校時代からの友人だ。
トモミはハルトさんと新婚旅行に出かけたまま帰って来なかった。恐らく旅行先で何か事件に巻き込まれたんじゃないかと思う。心配して警察に行ったら、すでに勤務先から捜索願が出ている様だった。だが、ふたりが旅行先をだれにも言っていなかったこともあり有力な情報が無いまま時が過ぎて行った。
時の経つのは速い、いつの間にか私もアラフォーだ。今日はひとり娘サチコの誕生日。今日で6歳になる。いつも忙しくしていて構ってやれないから、今日ぐらいは思いっきりお祝いしなくちゃ。そんなことを考えながらベッドから起き上がる。まだいつもの起床時間には早いがすることはいっぱいある。シングルマザーは忙しいのだ。
ふと、寝室にある小さな机の上に見慣れない物が置かれているのに気付いた。何か複雑な文様が書き込まれたお盆の様な物とその上に置かれた封筒だ。なんだこれ? サチコが置いたのかな? 封筒の表を見ると”マリコ様”の文字。このくせ字! 見覚えがある。あわてて裏返すと”トモミより”と書かれている。
まさかね! だれのいたずらだろうと考えながら封を開ける。私宛なのだから問題ないはずだ。封筒の中には少しざらつく紙が3枚入っていた。びっしりと文字が掛かれている。このへたくそな字! 間違いないトモミの字だ! あの野郎、いままで何をしてやがった! と怒りと安堵が混じった感情が湧きあがる。
手紙を読んで絶句した。神に成った??? 惑星ルーテシア??? 何のドッキリですか? でも、この手紙を書いたのはトモミに違いない。心配をかけたお詫びとともに、私とトモミしか知らないはずの高校時代のエピソードについても書かれている。
手紙によると、封筒が置かれていたお盆は魔道具で、私がここに手紙を乗せると地球の神様に連絡が行く様になっているとのこと。連絡が行けば地球の神様が手紙をトモミの元に届けてくれる手筈になっているらしい。
ようし、書いてやろうじゃないか、書きたいことも、心配をかけたことについての文句も沢山ある。その日の夜、私はお盆に手紙を置いた。傍のベッドでは娘が気持ちよさそうに眠っている。お誕生パーティではしゃぎ過ぎて疲れたのだろう。しばらく見ていると、お盆の上に置いていた手紙が何の前触れもなく消えた。これはもう信じるしか...。
次の日の朝、お盆の上には娘への誕生日プレゼントが届いていた。




