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35. その後

この小説は次回投稿予定の「閑話-7 マリコ視点」で完結となります。初作品、初投稿の拙い文章にも関わらずここまでお付き合い下さり有難うございました。現在続編の構想を練っており近い内に投稿させていただきたいと考えております。ご感想、評価を頂ければ、次作品の参考にさせて頂きますのでよろしくお願いします。

 さて、この話もそろそろ締めにはいる。


 私達の銀河系が超越者から逃げ切ってから10年経った。この10年惑星ルーテシアは概ね平和であった。喜ばしい限りである。この間、私とハルちゃんは各国の辺境を回る旅を続け、数々の奇跡の噂を生み出した。聞くところによると、信心深い人はドワーフのふたり連れの冒険者が自分の町を訪れるのを心待ちにしているらしい。はいはい、私はドワーフです。もう諦めた。ちなみに私とハルちゃんの外見は実年齢と相違がある。私が年をとることをストップさせたからだ。私が20歳、ハルちゃんは30歳で固定である。


 私達の努力の成果か、それともアレフさんの腕の賜物か、各国では大森林を開発して耕作地を広げようと言う気運が盛り上がりつつある。また、新しい魔道具の開発も盛んで、人々にテクノロジーの大切さが理解され世の中が便利になりつつあるようだ。


 それからアレフさんのことだ。なんと未亡人になっていたカトリーさんと結婚した。私はてっきりトルクさんと結ばれるかと思い込んでいたのだが意外である。なんでも殿下は事業に失敗。その後起死回生の一手として仲間とともにドラゴン狩りに挑戦。意気揚々と出かけたものの戻ってこなかった。残されたカトリーさんは殿下の借金の保証人になっていたため娼館にその身を売られた。娼館で過ごしている時にアレフさんがその事を知りカトリーさんの元に駆け付けたらしい。まったく、男と女のことは予測不可能である。


 神界については報告がひとつある。今から3年前に第1回神界総会が開かれたことだ。これはリリ様の主導で、上級神から下級神まですべての神が一同に会しての会議である。超越者が支配していた時にはありえなかったことらしい。

 本来下級神は自分の惑星を離れられないので、リアルタイムで他の神と話をすることは出来ない。その制約をリリ様が取っ払った。すべての神が自分のアバターを会場に瞬間移動させ遠隔操作することによりリアルタイムの会議を実現させたのだ。神々がはるか離れたところにある自分のアバターを操作できるのはリリ様の助力お蔭である。リリ様の本体はこの銀河全体なので、かなりの融通が利くらしい。相変わらずアバターがウエディングドレス姿の私であるのは困ったものだが。

 私と言えば、アバターではなく本体のまま参加させて頂いた。この点は惑星ではなく人間の身体を本体としている私の強みである。会議には私の様に亜神(デミゴッド)であってもひとつの惑星を任されている神が私以外に3名いて、交流を深めることができたのは嬉しかった。

 それと、この会議で久々にルーテシア様に会えたのだ。以前と同じ人間族のアバターの姿である。考えてみれば実際にお会いしたのは2日間だけだったが、脳内に書き込んでいただいた知識の所為か、いつもルーテシア様に助けて頂いている気がしていた。相変わらず「トモミ様」と話かけられたので、何度も「様付はやめてください」とお願いして、漸く受け入れてもらえた。いまは上級神ではなく、ルーテシア様より下位の亜神(デミゴッド)だしね。

 ちなみにルーテシア様が異動になったのは、ある下級神が行方不明になったかららしい。もちろん犯人は超越者である。そして、その下級神が管理していた惑星を担当させるためにルーテシア様を異動させた。すべてはリリ様が行方不明になってからこの銀河の責任者を兼任していた超越者の指示で、間に入った中級神も逆らえなかったらしい。後でルーテシア様に謝りに来たそうだ。

 それと、地球の神にも会うことができた。地球の神様のアバターは白髪頭に立派な白ひげを蓄えたおじいさんの姿だった。いい機会なので、私の高校時代からの親友マリコとの文通の手助けをお願いして了承してもらった。私の手紙を受け取った時のマリコの反応が楽しみだ。

 この会議ではこれからの神界の態勢について話し合われ、今までの上意下達方式の統治法からいかにボトムアップ形式に変更していくかについての方策が話し合われた。これから神界も変わっていく予感がする。


 以上が3年前の会議の話である。そして今、私とハルちゃんはルーテシア様が管理する惑星を訪れている。今回はふたりではない、私達の子供を含めた3人である。お義母様(おかあさま)お義父様(おとうさま)に初孫の披露に来たわけだ。私達の子供は1歳、男の子である。魔力の有無についてはまだ分からないが、親としては子供が元気であればそんなことはどうでも良いのだと認識しているこの頃である。ルーテシア様達も孫は可愛いらしく、表情を崩している。本当は神が子供や孫を持つなんてありえないことなのだ。


 これにて私の話はおしまいである。惑星ルーテシアが将来どの様になるのか、その結論はあと数千年待たねばならない。また報告する機会があれば良いと思う。


タイプミスを修正しました。  (2019/06/02)

タイプミスを修正しました。 (2019/06/26)

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