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閑話-6 トルク視点

 私はトルク。女神代行官であるアレフさんの秘書をしている。彼とは魔道具開発部勤務時代からの付き合いだ。


 私は未だに現在の状況が信じられない。アレフさんは女神代行官だから当然として、その秘書である我々も毎回女神様との打ち合わせに参加している。いつの間にか女神様とお話しをするのも慣れてしまった。あのアレフさんですらどもらずに女神様と話ができる様になったのだ。これも女神様がまるで対等の相手であるかのように私達に接して下さるからで、考えてみるまでもなくとんでもないことである。


 最近、人間族の国の元王太子キースタリア様がお亡くなりになったと噂で聞いた。何でも仲間とともにドラゴン狩りに出かけられ返り討ちにあったらしい。王太子の座を弟君に譲られた後は商人として身を立てられたとお聞きしていたのだが、いつの間に冒険者になられたのだろうか。

 いや、実は私には、商人になられたと聞いた時からこの様な結末を予測出来ていたのだ。キースタリア様の性格は、極度の自信家で、快活、下の者の面倒見が良く、独善的ではあるが勇気があって曲がったことが嫌い、どの様な逆境になっても希望と自信を失わない。まるで非の打ちどころがない様に見えるが、この性格の人は周りを不幸にすることが多い。

 私は魔法道具開発部時代、性格とその人がどの様な人生を送るかの関連性を研究したことがある。魔道具と関係ないと言うなかれ、主任は何でも研究させてくれたのだ。それに現在の仕事にその研究は大いに役立っている。キースタリア様の性格は周りから非常に魅力的に見え、同性からも異性からも慕われる。勇気と自信があるから、自分の信念に基づいて新しいことにどんどん挑戦する。この性格の人は成功すれば英雄になり、失敗すれば周りの人を巻き込んで破滅する、両極端なのだ。そして当然ながら成功するより失敗する人の方が多い。

 キースタリア様は王太子としてあるいは騎士としては実績もあり才能もある方であった。だからと言って商人としての才能があるかどうかとは別である。でもこの性格の人は根拠がなくても自分に自信が持てるのだ。自分は商人としてもきっと成功できると信じることができる。ある種の人達は、まるで火に集まる蛾の様に自信に溢れる彼に引き付けられ付いて行く。その結果については言うまでもないだろう。


 不吉なことを書いたが、私は心からキースタリア様の成功を祈っていた。アレフさんが命がけで助けたカトリーナ様が幸せになれる様に。彼女はキースタリア様と結ばれたのだから。だから、キースタリア様の訃報をきいてからすぐにカトリーナ様のご様子の調査を親しい冒険者に依頼した。報告が届くまでかなりの月日が掛かったが、その内容は悲しいものだった。彼女はキースタリア様が作った借金の返済のために娼館に売られてしまったらしい。


 さっそくアレフさんに連絡しないと。その後どうするかは彼しだいだ。私には予測が付くけどね。


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