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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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死獣神vs警察の犬(5)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 男共の頑張りによって、犬塚と犬神を殺すことに成功した死獣神だったが、その一員である朱雀は、忍との死闘に集中しており、視界に映っていなかった。

 それは、忍も同じだった。


「そんなにうちが憎いんか!?」


「当たり前だ! お前は乾を、私の大切な部下を殺した! 犯罪者のくせに……それが何よりも許せない!」

 忍はそう言いながら、怒りに任せて刀を振り回した。


「チッ。このオバハン、まるで猛犬やな。ええ加減ハウスせんと、火傷すんで!」

 そう言うと朱雀は、火薬針を発射して爆発で刀を弾き飛ばし、すかさず火炎放射で炎をまとったチタン針を発射して、忍の右肩を砕きつつ焼いた。

 強烈な痛みに忍は耐えきれずうずくまったのを見て、チャンスと思った朱雀は、この機を逃さず、


「これでしまいや! 大事な部下と同じところに、行きさらせー!」

 と、言いながら、ブレードトンファーでトドメを刺そうとした。


 ところが、その刃は忍に届かなかった。

 味方であるはずのペガサスに止められたからである。


「ペガサス!? 何すんねん!」


「勝負はついたよ。あとは僕に任せて。君だって彼女と違い、別に自ら手を下す必要は無いだろう?」

 そう言われて、朱雀が釈然としないながらも引き下がると、ペガサスは礼を言い、彼女や青龍が不思議に思う中、忍に自分達を見逃すよう要求した。


 犠牲を出した上、情けまでかけられたことに屈辱を感じた忍はもちろん拒否し、自分を殺すよう言った。

 正義感と仲間意識に殉じようとする彼女の意思の強さを感じ取ったペガサスは、これを屈辱と感じるのなら、翔馬の恥ずかしい行動に付き合わされる方がよっぽど屈辱的だと述べ、それでも引き下がらない忍の胸に仕方なく、強めの掌打を叩き込んだ。

 割って入ったペガサスの真意については、次回に乞うご期待です。

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