番外編⑵「二人のコーチ――二十五年を繋いだ、知られざる親戚関係」
初代シークレットガールズを支えた、佐藤先生。
そして二十五年後――二代目シークレットガールズを支えている、歴史教師・崇道康熙。
二人は同じ「シークレットガールズのコーチ」という役目を担っています。
しかし、それだけではありませんでした。
実は佐藤先生と康熙には、これまで語られていなかった意外な繋がりがあります。
――二人は親戚だったのです。
佐藤先生の父親。
その兄。
さらに、その兄の妻側へと続いていく親族関係。
その先にいるのが崇道康熙。
決して近い親戚ではありませんが、二人は以前から互いの存在を知っていました。
二十五年前にEYE、MORM、YAH、BEE、LIZ☆を育てた佐藤先生。
そして現在、SHI☆、MIKU♪、YUNA◇、MII♡、LiZ☆を育てる康熙。
初代から二代目へ受け継がれたのは、シークレットガールズという名前だけではなかったのです。
そんな二人が、二代目のレッスン室で久しぶりに再会。
初代を知り尽くす佐藤先生は、娘たちの姿に二十五年前の母親たちを重ねていきます。
さらに――。
この再会をきっかけに、もう一つの秘密まで明らかになることに。
「康熙」
「美和」
二代目の五人が耳にしてしまった、学校では絶対に聞くことのない呼び方。
歴史教師・崇道康熙。
英語教師・宍戸美和。
五人がついに知る、二人の本当の関係とは――。
二十五年前と現在。
初代と二代目。
二人のコーチ。
そして、学校に隠されていたもう一つのシークレット。
いくつもの縁が一つに繋がる番外編⑵です。
二代目シークレットガールズがデビューしてから、しばらく経ったある日。
放課後。
芸能事務所のレッスン室には、いつもの五人の姿があった。
SHI☆。
MIKU♪。
YUNA◇。
MII♡。
LiZ☆。
そして、その五人を指導しているのは――。
「MIKU♪、半拍早い!」
「はい!」
「MII♡、もう少し前!」
「はい!」
「LiZ☆、そこで隣を見るな!」
「見てない!」
「見てた!」
「ちょっとだけ!」
「それを見たって言うんだ!」
レッスン室に笑い声が響く。
歴史教師でありながら、放課後は二代目シークレットガールズのコーチとなる崇道康熙。
五人も最初こそ学校との違いに戸惑っていたが、今ではすっかり慣れていた。
「もう一回、最初から」
「ええー!」
「嫌なら今日は終わりにするか?」
「やります!」
五人が慌てて位置につく。
康熙は腕を組んだ。
「五、六、七、八!」
音楽が流れる。
五人が一斉に踊り始めた。
その時だった。
レッスン室の外。
一人の年配の男性が、ガラス越しに五人を見つめていた。
そして――。
その隣には、小林前社長。
「どうですか?」
小林前社長が尋ねる。
男性はしばらく何も答えなかった。
SHI☆。
MIKU♪。
YUNA◇。
MII♡。
LiZ☆。
五人の姿を、懐かしそうに見つめる。
やがて――。
「……似ていますね」
「やはり?」
「ええ」
男性は微笑んだ。
「二十五年前の、あの五人に」
その男性こそ――。
かつてEYE、MORM、YAH、BEE、LIZ☆を育てた初代シークレットガールズのコーチ。
佐藤先生だった。
◇◇◇
「ストップ!」
音楽が止まった。
五人が一斉に息を吐く。
「つ、疲れた……」
MIKU♪が床に座る。
「まだ一時間しかやってない」
康熙が言う。
「一時間も、です!」
「デビューしたからってレッスンが楽になると思うな」
LiZ☆も座り込む。
「康熙コーチって本当に厳しいよね」
「お前たちのためだ」
「それ、いつも言う」
「事実だからな」
その時。
コンコン。
レッスン室の扉がノックされた。
康熙が振り返る。
「どうぞ」
扉が開く。
小林前社長が入ってきた。
そして、その後ろから――。
年配の男性。
康熙の表情が変わった。
「……え?」
五人も男性を見る。
「誰?」
MIKU♪が小声で言う。
「知らない」
MII♡も首を傾げる。
だが康熙だけは、その男性を知っていた。
「佐藤さん……?」
男性が微笑む。
「久しぶりだな、康熙」
五人が一斉に康熙を見る。
「知り合い!?」
LiZ☆が声を上げた。
康熙は驚いたまま立っている。
「どうしてここに?」
「小林さんから話を聞いてね」
佐藤先生は五人を見る。
「二代目シークレットガールズが誕生したと」
五人の表情が変わった。
YUNA◇が尋ねる。
「あの……もしかして……」
小林前社長が頷いた。
「紹介しよう」
そして五人へ告げた。
「この方が、二十五年前――初代シークレットガールズを育てたコーチだ」
「えええええっ!?」
五人の声がレッスン室に響いた。
◇◇◇
「本物!?」
MIKU♪が目を輝かせる。
「初代のコーチ!?」
MII♡も驚いている。
LiZ☆はすぐ佐藤先生へ近づいた。
「じゃあEYEとかMORMとかYAHとかBEEとかLIZ☆を直接教えてたんですか!?」
「ああ」
「すごい!」
佐藤先生は笑う。
「君がLiZ☆か」
「はい!」
その瞬間。
佐藤先生の目に、二十五年前のLIZ☆――柴崎リオの姿が重なる。
「……似ているな」
「え?」
「いや、なんでもない」
LiZ☆は首を傾げる。
当然、まだ知らない。
佐藤先生が言った「似ている」の意味を。
自分が、初代LIZ☆の実の娘であることを。
◇◇◇
一方。
SHI☆が康熙と佐藤先生を交互に見る。
「でも……」
「どうした?」
康熙が尋ねる。
「さっき佐藤先生、康熙コーチのこと『康熙』って呼びましたよね?」
「……」
康熙が黙る。
MIKU♪も気づく。
「確かに!」
LiZ☆も二人を見る。
「もしかして昔から知り合い?」
「まあ……」
康熙が答えようとすると――。
「知り合いというより親戚だな」
佐藤先生があっさり言った。
「え?」
五人が固まった。
数秒後。
「親戚ぇぇぇ!?」
また大声。
康熙が耳を押さえる。
「声が大きい!」
「だって!」
MIKU♪が二人を指さす。
「初代のコーチと二代目のコーチが親戚!?」
「そんな偶然ある!?」
MII♡も驚いている。
YUNA◇は冷静に確認した。
「どういう親戚関係なんですか?」
佐藤先生が少し考える。
「説明すると、少しややこしいんだ」
「聞きたい!」
LiZ☆が即答した。
「絶対途中で分からなくなるぞ」
康熙が言う。
「大丈夫!」
「本当か?」
「多分!」
「多分かよ」
五人が笑う。
◇◇◇
佐藤先生はホワイトボードの前へ移動した。
「まず私の父がいる」
「はい」
「その父には兄がいた」
YUNA◇が頷く。
「佐藤先生のお父さんのお兄さんですね」
「そう」
佐藤先生が線を書く。
「その兄が結婚した女性――つまり私から見ると伯父の妻になる人がいる」
「はい」
「その女性側の親族に次男がいて――」
MIKU♪の表情がすでに怪しくなる。
「待ってください」
「もう分からなくなったのか?」
「まだ大丈夫です!」
「本当か?」
「たぶん!」
康熙が苦笑する。
佐藤先生は続ける。
「その次男の弟が――康熙だ」
五人が康熙を見る。
康熙が片手を上げた。
「俺」
数秒の沈黙。
LiZ☆が言う。
「……遠くない?」
「だから説明がややこしいと言っただろ」
康熙が答える。
「でも親戚なんですよね?」
SHI☆が確認する。
「ああ」
佐藤先生が頷く。
「血縁としてはかなり遠いところもあるが、親族のつながりとして昔から顔を合わせる機会があった」
「だから康熙コーチのこと昔から知ってるんだ」
MII♡が納得する。
「そういうことだ」
◇◇◇
MIKU♪が突然立ち上がる。
「ということは!」
「何だ?」
「初代シークレットガールズのコーチが佐藤先生!」
「そう」
「二代目が康熙コーチ!」
「そうだ」
「しかも二人は親戚!」
「そうだな」
MIKU♪が両手を広げる。
「すごくない!?」
LiZ☆も頷く。
「本当だよ!」
「二十五年前から繋がってるじゃん!」
五人が盛り上がる。
康熙は呆れたように言った。
「俺がコーチになったのは、親戚だからじゃないぞ」
「そうなの?」
LiZ☆が尋ねる。
「ああ」
すると小林前社長が答えた。
「康熙君を選んだのは、彼自身に五人を任せられると思ったからだ」
康熙が小林前社長を見る。
「二代目を誕生させる以上、初代と同じものを作っても意味がない」
小林前社長は五人を見る。
「必要なのは、君たち自身のシークレットガールズを作れる人物だった」
五人は静かに聞いている。
「その役目を康熙君に託した」
佐藤先生も頷いた。
「私も、その判断は正しかったと思う」
康熙が驚く。
「佐藤さん……」
「さっき外から見ていた」
「レッスンを?」
「ああ」
佐藤先生は微笑む。
「厳しいな」
MIKU♪がすぐ反応する。
「そうなんです!」
「おい」
「学校では普通なのに、ここ来たらすっごく厳しいんですよ!」
LiZ☆も加わる。
「何回も『もう一回』って言うし!」
「できてないからだ!」
佐藤先生が笑う。
「それでいい」
五人が佐藤先生を見る。
「私も昔、同じだった」
「え?」
「初代の五人にも何度も言ったよ」
佐藤先生が懐かしそうに笑う。
「もう一回、と」
LiZ☆が固まる。
「……初代LIZ☆にも?」
「ああ。特にターンでな」
「えっ?」
「何度もやり直させた」
LiZ☆が自分を指さす。
「私もターンで何回もやり直してるんだけど……」
佐藤先生と康熙が顔を見合わせる。
そして笑った。
「何!?」
LiZ☆が頬を膨らませる。
「何でもない」
佐藤先生は答えた。
だが本当は――。
親子は似るものだ。
そう思っていた。
◇◇◇
「少し休憩しよう」
康熙の言葉で、五人は床へ座った。
佐藤先生も椅子へ腰掛ける。
SHI☆が尋ねた。
「佐藤先生」
「何だい?」
「初代の五人って、どんな人たちだったんですか?」
その質問に、佐藤先生は少し考えた。
「君たちと似ていたよ」
「私たちと?」
「ああ」
「本当に?」
「もちろん性格は違う。でも――」
佐藤先生は五人を見る。
「普通の少女だった」
五人が静かになる。
「学校へ行って、友達と笑って、時には喧嘩して、宿題を忘れて怒られて」
MIKU♪が笑う。
「アイドルなのに?」
「アイドルだからって中学生じゃなくなるわけじゃない」
「そっか」
「でも学校を出た瞬間、五人はEYE、MORM、YAH、BEE、LIZ☆になった」
今の五人と同じ。
SHI☆。
MIKU♪。
YUNA◇。
MII♡。
LiZ☆。
学校では普通の少女。
放課後は秘密のアイドル。
「悩んだこともあったんですか?」
YUNA◇が尋ねる。
「もちろん」
「秘密のことで?」
「ああ」
佐藤先生は頷く。
「大切な友達に言えない。家族にも簡単には話せない。学校で自分たちの話題が出ても知らないふりをしなければならない」
五人は顔を見合わせる。
まさに今の自分たち。
「……同じだ」
MII♡が呟く。
「そうだ」
佐藤先生は微笑んだ。
「だから私は、君たちを見ていると二十五年前を思い出す」
◇◇◇
しばらくして。
康熙が尋ねた。
「佐藤さん」
「何だ?」
「俺がコーチになったって聞いた時、どう思いました?」
五人も佐藤先生を見る。
佐藤先生は笑った。
「驚いたよ」
「やっぱり」
「まさか親戚から二代目のコーチが出るとは思わなかった」
「俺もです」
「でも嬉しかった」
康熙が顔を上げる。
「嬉しかった?」
「ああ」
佐藤先生は静かに続ける。
「二十五年前、私は五人の秘密を守った」
EYE。
MORM。
YAH。
BEE。
LIZ☆。
「そして今、その役目を親戚であるお前が受け継いでいる」
康熙は黙って聞く。
「偶然かもしれない」
佐藤先生は五人を見る。
「だが、不思議な縁だと思う」
二十五年前。
佐藤先生と初代五人。
二十五年後。
崇道康熙と二代目五人。
アイドルだけではない。
彼女たちを支えるコーチの縁まで、次の世代へ続いていた。
◇◇◇
その時。
レッスン室の扉が開いた。
「失礼します」
女性の声。
「康熙、忘れ物――」
入ってきたのは宍戸美和。
しかし。
五人。
小林前社長。
そして見知らぬ佐藤先生までいる。
美和が固まった。
「……あ」
康熙も固まる。
五人が一斉に美和を見る。
「宍戸先生!?」
MIKU♪が叫ぶ。
「なんでここに!?」
LiZ☆も驚く。
美和は康熙を見る。
康熙は額に手を当てた。
「美和……」
「ご、ごめん」
五人の表情が変わった。
今。
確かに聞いた。
「康熙?」
「美和?」
学校では、
「崇道先生」
「宍戸先生」
のはず。
それなのに。
YUNA◇が二人を交互に見る。
SHI☆も何かに気づく。
MII♡が口元を押さえる。
MIKU♪の目が大きくなる。
そしてLiZ☆。
「……ちょっと待って」
康熙が嫌な予感を覚える。
「LiZ☆」
「まさか――」
「待て」
「康熙コーチの彼女って……」
「待てと言ってる」
LiZ☆が美和を指さす。
「宍戸先生!?」
「えええええええっ!?」
五人の大声。
佐藤先生は状況が分からず、康熙を見る。
「……どういうことだ?」
康熙は深いため息をついた。
美和は顔を赤くしている。
「違う」
康熙が答える。
「え?」
MIKU♪が固まる。
「彼女じゃない」
LiZ☆が首を傾げる。
「じゃあ何?」
康熙は美和を見る。
美和も康熙を見る。
もう――。
ここまで来れば隠しきれない。
「……婚約者だ」
静寂。
五人の目が大きくなる。
そして――。
「えええええええええっ!?」
その日最大の声が、レッスン室いっぱいに響いた。
◇◇◇
佐藤先生は驚いたように康熙を見る。
「お前、婚約していたのか」
「はい」
「聞いてないぞ」
「言ってませんでしたから」
「相手が学校の先生?」
「はい」
美和が頭を下げる。
「宍戸美和です」
「佐藤です」
「お話は康熙から聞いています。初代シークレットガールズのコーチだったと」
「そうですか」
佐藤先生が微笑む。
「康熙をよろしくお願いします」
「はい」
「佐藤さん」
「親戚だからな」
五人はそんな二人を見ながら――。
まだ混乱していた。
「今日、情報多すぎない?」
MIKU♪が呟く。
YUNA◇が頷く。
「初代のコーチが来て」
MII♡。
「康熙コーチと親戚だって分かって」
SHI☆。
「その上……」
そしてLiZ☆。
「康熙コーチと宍戸先生が婚約者!?」
「だから声が大きい!」
康熙が注意する。
「だって!」
五人が笑い始める。
◇◇◇
その後。
康熙と美和は、五人へ改めて説明した。
学校では婚約関係を秘密にしていること。
知っているのは校長、教頭、新社長など、ごく限られた人物だけであること。
「だから――」
康熙が五人を見る。
「学校では絶対に言うな」
五人が顔を見合わせる。
LiZ☆が笑う。
「私たちに秘密守れって?」
「そうだ」
MIKU♪も笑った。
「私たち、シークレットガールズですよ?」
「だから頼んでる」
YUNA◇が頷く。
「分かりました」
SHI☆も。
「絶対言いません」
MII♡も。
「約束します」
LiZ☆とMIKU♪も頷いた。
「私たちも!」
美和が安心したように笑う。
「ありがとう」
これで――。
二代目シークレットガールズの五人も。
崇道康熙と宍戸美和の婚約関係を知る、ほんの一握りの人物となった。
◇◇◇
帰り際。
佐藤先生が康熙へ声を掛けた。
「康熙」
「はい」
「五人を頼んだぞ」
康熙が二代目シークレットガールズを見る。
五人は美和を囲み、婚約について質問攻めにしている。
「いつから付き合ってるんですか!?」
「プロポーズどっちから!?」
「結婚式は!?」
「ちょっと待って!」
美和が困っている。
康熙は苦笑した。
「大丈夫だと思います」
「そうか」
「はい」
佐藤先生は頷く。
「なら安心した」
「佐藤さん」
「何だ?」
「今度、初代の話をもっと聞かせてください」
佐藤先生が微笑む。
「ああ」
「俺も知っておきたいんです」
「何を?」
康熙は五人を見る。
「この子たちの母親が――どんなシークレットガールズだったのか」
佐藤先生の表情が優しくなる。
「分かった」
二人が握手を交わす。
初代シークレットガールズのコーチ――佐藤先生。
二代目シークレットガールズのコーチ――崇道康熙。
佐藤先生の父親の兄の妻側へと続く親族関係の先にいる、康熙。
決して近い親戚ではない。
けれど確かに、二人は一つの親族の縁で繋がっていた。
そして偶然にも――。
二十五年前と二十五年後。
二人とも「シークレットガールズの秘密を守るコーチ」という同じ役目を背負うことになった。
初代から二代目へ。
EYE、MORM、YAH、BEE、LIZ☆から――。
SHI☆、MIKU♪、YUNA◇、MII♡、LiZ☆へ。
五人の夢が受け継がれたように。
彼女たちを支える者たちの縁もまた――。
二十五年という時間を越えて、静かに次の世代へと繋がっていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回の番外編では、初代シークレットガールズのコーチ・佐藤先生と、二代目シークレットガールズのコーチ・崇道康熙の意外な関係が明らかになりました。
二人は――親戚。
しかも二十五年前と二十五年後、それぞれ別の世代のシークレットガールズを指導するコーチになっていました。
もちろん、康熙が二代目のコーチに選ばれた理由は、単に佐藤先生の親戚だったからではありません。
小林前社長たちが康熙自身を見て、
「二代目の五人を任せられる」
と判断したからこそ託された役目です。
それでも――。
初代の五人を支えた人物と、二代目の五人を支える人物が親戚だったというのは、不思議な縁なのかもしれません。
そして佐藤先生が二代目の五人を見て感じたのは、やはり初代との共通点でした。
特にLiZ☆こと柴崎莉央奈。
ターンを何度もやり直させられる姿は、二十五年前のLIZ☆――母・柴崎リオとそっくり。
けれど莉央奈本人は、
「初代LIZ☆にも?」
と驚くだけ。
自分とLIZ☆が似ている本当の理由には、まだ気づいていません。
そして今回は、それだけでは終わりませんでした。
忘れ物を届けるため、レッスン室へやってきた宍戸美和。
そこで思わず、
「康熙」
と呼んでしまったことで――。
五人が以前から疑っていた「康熙コーチには恋人がいるのでは?」という謎が、一気に真実へ近づきました。
ところが康熙から告げられた答えは、
「彼女じゃない」
ではなく――。
「婚約者だ」
まさか毎日のように学校で英語を教えてもらっている宍戸美和が、歴史教師・崇道康熙の婚約者だった。
SHI☆、MIKU♪、YUNA◇、MII♡、LiZ☆にとって、この日一番の衝撃だったかもしれません。
これによって、二人の婚約関係を知る人物の中に、正式に二代目シークレットガールズの五人も加わりました。
ただし学校では絶対に秘密。
今度は五人が、先生たちの「シークレット」を守る側になります。
二代目シークレットガールズの正体を守る康熙。
康熙と美和の婚約を守る五人。
お互いに秘密を預け合うことで、五人と二人の先生との関係も、これまで以上に深くなっていくことでしょう。
そして佐藤先生から康熙へ託された、
「五人を頼んだぞ」
という言葉。
二十五年前、佐藤先生が守った五人。
EYE、MORM、YAH、BEE、LIZ☆。
二十五年後、康熙が守る五人。
SHI☆、MIKU♪、YUNA◇、MII♡、LiZ☆。
母から娘へ受け継がれたシークレットガールズ。
そして――佐藤先生から崇道康熙へ受け継がれた、五人を支えるコーチという役目。
二つの世代を繋ぐ新たな関係が、ここで明らかになりました。
次回は本編へ。
第6話「崇道先生のもう一つの顔――学校とアイドルの二重生活」
婚約の秘密を知った五人。
翌日から学校では、目の前で普通の同僚として接する「崇道先生」と「宍戸先生」を見るだけで、どうしても意識してしまいます。
けれど――絶対に顔に出してはいけない。
五人は自分たちの正体だけでなく、今度は二人の先生の婚約まで守りながら学校生活を送ることになります。
そして康熙もまた、歴史教師と二代目シークレットガールズのコーチ――二つの顔を持つ自分自身と改めて向き合うことに。
第6話へ続きます。




