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カジロウ達がメグロ城下町に着くと歓声が上がり、花吹雪が舞う。


「カジロウ様〜!」

「お疲れ様でした!」


民衆は王宮に向かうカジロウ達の馬車を眺めながら酒を飲んで騒いでいる。


「カジロウさん……良かったですね、無事に終わって」

「ああ……そうだな」

全く……知っている身としてはまどろっこしいよ……


「何です?あれは」

王宮に向かう途中に舞台が設置されていて国王が立っている。


まぁ骨達が大部分を作った舞台だから知らないわけはなかったが、演技する事にした。


カジロウは馬車を降り、国王の元へ歩いていく。

「国王……これは……一体?」

「カジロウよ、今回の偉業……嬉しく思うぞ」


国王が話し始めると民衆や戦いから先に帰還していた貴族は舞台を取り囲んで静まり返った。


「ありがとうございます……オオタ国の事も?」

「ああ……既に新聞を発行しておる」


「そうですか、それではこれで失礼致します……」

「いや、待てカジロウ……この王冠をお主に譲ろう……既に大臣や貴族は説き伏せておる」


「国王……私には荷が重過ぎます……たかが司祭……」

「いや、民衆はこれを望んでおる……」


「カジロウさん、お受けしたらどうです?国王は多分引かないでしょう?」


「カジロウよ!頼む!この王冠を受け取ってくれ!」

「わかりました……」


国王は舞台の上の王座にカジロウを座らせ、王冠を頭にかぶせた。


その瞬間、歓声が上がり国王は大声で演説し始めた。


「聞け!メグロの国民よ!私はウダゼ教の聖人、使命を持ってこの地に生まれた!その使命は今ここで果たされた!……君達は歴史的瞬間を目にしている……ここに新たな国王が誕生する!」


「ウォォォォ!カジロウ様!」

「今よりもっと良い国になるかな!」


「オホン!宣言した後なのに早速主役を奪って済まないが、今日の城下町のすべての飲食は無料とした!皆!盛大に食べて飲むように!」


「ウォォォォ!前国王!」

《前国王!前国王!前国王!クチャパクパク!前国王〜!》


カジロウは騒ぐ民衆をよそにロビンスの肩を叩いた……


「ロビンス、良かったな」

「カジロウ様……不甲斐ない自分が恥ずかしいです」


「そんな事ないだろう?敵将をいくつも打ち取った……それに一番手に入れたいものを……」


「ロビンス!」

王女がロビンスに駆け寄って来たのでカジロウはロビンスから離れた。


「お……王女!」

「ロビンス!良かった無事なのですね!」

王女はロビンスの様子をくまなく伺い、安堵して抱きしめた。


「王女……こんなところで!」

ロビンスは顔を真っ赤にしてオロオロしていた。


「ロビンス……抱き締めて?」

「あ……あ、はい!」

ロビンスはプルプル震えた手で遠慮がちに手を背中に添えた。


「あと……もう王女じゃないの……ちゃんと名前で呼んでよ!」

「ふ……フフフ……フラフラ……フランソワ」


ん?……今ふざけなかったか?……ロビンス、上手くやれよ?せっかくお膳立てしてやったのにぶち壊すな!


ロビンスの目はグリグリ左右に動き、ふざけている様子ではなかったが……カジロウは心配だった。


「ふふふ……ロビンスったら……ああ、暖かい……」

フランソワは満足しているようだ……


ふぅ……良かった……

フランソワも若いから夢見がちなお年頃かと思ったら意外と大人だった……

ロビンスったら、危ないんだから……兎に角、良かったねロビンス


「国王……新たな憲法等については後日……」

「ああ……大臣に伝えておく」


「それでは……」

カジロウは墓地に向かって歩き出す。


「カジロウしゃん……どこいくのれす?」

ゼスタは既に大きな酒樽を次々に開けては頭を入れて、馬みたいな飲み方をしている。


昔、酒に落として殺してしまおうと思った事もあったが……それだけでは……こいつは死ななそうだ……


「ああ……ちょっと墓地にね、ゼスタは飲んでなよ」

……全く、こいつもフランソワを見習って良い加減、どっかに嫁げよ!

「りょうかいれーすぅ」


考えながら墓地へと向かった。


……政治か……財源は骨達にやらせて社会主義国家にするか……

税金はかなり減額して最低限の食事と金銭は配給しよう……

教育義務制度を作って、魔法や剣術を重点的に仕込もうか……


仕事はやりたい奴には予算を与えてやらせるし、家に居たければ出なくても良い国に……


どんどん産んで、どんどん死んで骨になると良い


一部の天才は育ったら戦死させた後で骨にすれば良いな……


カジロウは墓地に到着した。

……まぁじっくりと考えよう……


『サキュバスは殺し部屋に居るのか?』

『はい!』


カジロウは看守室に入り、殺し部屋に繋がっている連絡管に向かって声を出した。


《サキュバスよ、魔王の使いらしいな……用件を聞こう》

カジロウの声は管を通り、殺し部屋のサキュバスに伝わる。


さて……魔王とやらはどう出て来たのか……


《御機嫌よう、わたくしは……》

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