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クラス転移でハブられた俺、勇者の力だけ与えられた現代で無双する。  作者: ふぇありす


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第7話:西園寺家と陰陽寮

それからメイドさん達に同じ室内に放り込まれた俺達は、並んで敷かれている布団をちょっとだけ離して倒れ込むと一瞬で意識が飛んでいった。


「あ、おはようございますわ」


「あ、おはようございます」


そして、どのくらい経ったかわからないが、目が覚めると先に起きていた西園寺さんと目が合う。


「流石に気恥ずかしいですね……」


「あはは……ですね……」


顔を赤くした俺と西園寺さんが笑い合っていると、何か視線を感じた。


「「じーっ」」


西園寺ママさんと昨日応対してくれたメイドさんが覗いている。


「ねぇ御影、あの二人どう思う?」


「そうですね、私の愚考だとイチャイチャプレイをしているかと」


おい、聞こえているぞ。というか何で覗いてるんだよ……。


「あはは……起きましょうか?」


「そうだな……耳と尻尾は収まってるし」


俺の言葉に頭の上をぺたぺたと触る西園寺さん、そうして大きく息を吐く。


「良かったです、お風呂だと洗い辛かったので……」


「お風呂……」


昨晩不可抗力ながら色々と見てしまった脳内に刻まれてる、西園寺さんの生まれたままの姿を思い出してしまう。


「た~か~な~し~さ~ま~ぁ~」


ジト目で自分の身を隠そうと布団を引っ張る、寝起きという事もあり着崩れていてなんだか凄くエッチである。


「二人とも~そろそろ起きないと~。もうお昼過ぎよー」


「「!!」」


その声に俺と西園寺さんが顔を見合わせる。そういえばママさん達が見ているのだった!


「おおお、お母様ぁ!?」


「うふふ~ほら、早くきがえちゃいなさーい」


「は、はい!! ひゃう!?」


飛び起きたので色々と飛び出てしまう、咄嗟に首を音がするくらいに捻る。


「ごっふっ!?」


「小鳥遊様!?」


「と、とりあえず。俺が伸びてる間に室外へ……」


「は、はい!」


大慌てで部屋から出て行く足音が遠くに聞こえたのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


それから少し遅めの昼食を食べてから西園寺さんと向かう先は西園寺さん達が所属している『陰陽寮・変異災害対策課』の支部の一つらしい。


「そういえばその陰陽寮とかってよく知らないんですけど……。どういった物なのですか?」


俺の隣に座る西園寺さんに問いかける。


「そうですね、一般の方ですと関わりがありませんものね。多分ですがこれから関わる事が増えますので、説明させてもらいますね」


横に並んでいる西園寺さんが座り直し、俺の方を向いて姿勢を正す。


「まず、陰陽寮というのは二つありまして、7世紀後半に時の政府が作った組織です。表のお仕事は暦や天文を取り纏めたりと主に政治に関わるお仕事をしているのですが。裏のお仕事では今の陰陽寮と変わりませんね。歴代の頭領には安倍晴明様やその子孫の方々もいらっしゃいますね」


「安倍晴明……なんか凄いビッグネームが出てきましたね……」


「そうですね。そして、鎌倉時代以降は妖怪や鬼といった妖鬼・魔獣の類は出現が減ったのですが時折、歴史には出ない形で現れた大妖だいよう討伐が行われたりしておりました。まぁ、殆どの魔獣は血気盛んな武士の皆様によって記録に残らない形で倒されていたそうです」


そう言って苦笑いする西園寺さん。そりゃ国内で乱世の時代(ヒャッハー)をしてる時代の人達だもんな魔獣なんて倒されまくっててもおかしくはない。


「その後……おっと山に入りましたね、揺れるので気を付けて下さい」


窓から外を見る、先程までとは景色が変わり一気に山の舗装路を走っていく。


(俺、このまま埋められたりしないよね?)


好意的には受け入れてもらってるとは思いたいけど、西園寺さんは良家のお嬢様だ。そのお嬢様を無断で家に連れ込んで泊まらせたり、世界の秘密みたいなものを知っちゃうし、それに……。


「どうしましたか? 慣れない揺れで酔ってしまわれましたか?」


「あっ、いえ大丈夫ですっ!」


思わず、昨晩の肌色を思い出してしまった。


「あ、あの……そのっ、小鳥遊様。そこまで見られると恥ずかしいのですが……」


「す、すみません!」


慌てて視線を逸らす。思わず、じっと見つめてしまった。


「お嬢様、埋めますか?」


「へっ!?」


「埋めません!」


「チッ……お嬢様と親しくしやがって……」


乗った時からずっと睨まれてる、昨日の侍従メイドさんと同じ顔なんだけど雰囲気が違い過ぎる……。


(乗せられた車が少しゴツイ感じだったし……)


「すみません、不安にさせてしまいまして。どうしても、要石と呼ばれる土地でないといけないのです」


申し訳無さそうにする西園寺さん、それはそうと聞きなれない言葉が出てくる。


「えっと、すみません不勉強なんですが〝要石〟ってなんですか?」


「えっとですね……元来は地震を引き起こす鯰を静めているといわれている物です。ですが、異界への入り口だったり、異常に魔力や神力の強い発生場所なんかに要石を置いて一時的に封印を行ったりするんです」


「そうなんですね……っつ!?」


「ひゃう!?」


大きな揺れが起きて身体が跳ねる、そうして思わず西園寺さんの方に飛び込んでしまう。


「す、すみません……」


「だ、大丈夫ですか?」


「お嬢様! やっぱりコイツ埋めましょう!!」


「夏季! すみません、もうそろそろ到着すると思いますので……」


その言葉通り、かなり山深い所まで入った森の中にある広場へ到着した。


「到着したようですね、降りていただけますでしょうか?」


西園寺さんがにこやかに笑う、その傍らメイドさんがバックドアからショベルを取り出している。


(この山の中だったら見つからないだろうし。うん、確実に埋める気だな!)


「あ、そうでした」


西園寺さんが、よく陰陽師がやるようなポーズをして何かを唱えると目の前に屋敷が現れた。


「どうぞ、こちら私達の職場です」


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