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33 闇と光

 完全なる闇。音も、匂いも無い。その中に、小さな、淡い、弱々しい光の点が、微かに見えた気がした。徐々に大きくなるその白点は、一つ、二つ、と数を増やし、いつしか10個の点が横に並んでいた。どうやらこちらに向かっているその白い点は、闇の幕から這い出るかのように尾を引き、その先で隣とつながり、やがて形を成した。

 細く、青白い、女の手。

 生気のないその死者の両手は、漂うように目の前まで来たかと思うとするりと首に絡みついた。感覚はない。が、締められている。呼吸ができなくなった。

 誰の手かは、わかっている。自ら手にかけた、母子のものだ。

 「何でもするから、命だけは、この子だけは」

 そう命乞いをする声が、音の無い闇の中に蘇る。

 それでも、殺した。誰の命でもなく、自分の意志で。

 いつの間にか、目の前には小さい手が浮かんでいた。ゆっくり顔に迫るその青く小さい指は、何のためらいも無くそのまま目に突き入れられる。抵抗なく穿たれたその目に、痛みは無い。ただ、視界は無くなり、幼子の指は眼窩をえぐった。触れられる感覚すらないにもかかわらず、そのおぞましい行為は耐えがたい苦痛を生み、息の止まった身体に痙攣を呼び起こす。理解不能の苦悶に頭の中は重く澱み、吐息も漏らせぬ中で襲い繰る吐き気は全身を内から殴打すると共に、狂気の門を激しく叩いた。

 それでも。

 私は間違っていない。仕方が無かったのだ。災いの芽を残すわけにはいかなかった。人にやらせてもよかった。だが、あえて自らの手を汚したのだ。自らの責とするために。

 自らを律するそんな想いも、地獄の苦しみの前に霧と散っていく。

 天を裂くような苦痛の前に思考は止まり、、ひたすら続く激しい痙攣が死と狂気の門の口を開く、その瞬間。

 

 激しい呼吸と共に目が覚めた。息を整えることもできぬまま、自分の手を見る。真っ白い手は、汚れていた。

 私が、やったのだ。皇后も、先帝も。洛陽の豚共も、私の選定で、私の指揮で殺したのだ。ここまでして、この苦痛に耐えているのだ。それを…


 


 久しぶりに手を通した特注の鉄板手甲は、少々重かった。

 呂布は適当な剣を掴み、庭に出た。腰に差した剣を静かに抜き、真正面に構えると、刀身が陽光を跳ね返し、淡く輝く。昼過ぎ、少し前に比べれば随分と暖かくなっていた。目を閉じ、息を整え、心を落ち着ける。そして目を開くと、ゆっくりと動き出す。

 振り下ろし、斬り上げ、突く。一歩一歩踏み込みながら3つの動作を終えると、今度は同様に下がりながら、斬り払い、上げて受け、構えに戻った。

 幼い頃、最初に覚えた型だ。最も短く、簡単で、同時に最も重要で、難しい。当時はその説明の前半しか理解できなかったことを思い出し、笑みが浮かんだ。最も簡単な動作こそが基礎であり、その基礎の上に他の全ての技があるのだ。基礎が極まればその分、全てが上達する。しかし、今まで数え切れないほど武器を振った中で、果たして完璧と言える一振りなど何回あっただろうか?それほどに、難しい。

 呂布は先程の自分の動きを思い返した。まあ、ギリギリ及第点、といったところか。思ったほど鈍ってはいない。それに、どこにも痛みを感じ無かった。

(……よし)

 全力を出せるかはともかく、とりあえずは回復したと考えて良いだろう。となれば。

「張遼~、いるか~?」

 呂布は辺りを確認した。優しい陽に照らされた中庭から見える範囲に人の気配は無い。張遼が堅固に守っていたおかげか、最近では呂布を狙う輩もすっかり訪れなくなっていた。それを受け、呂布邸の警備は手薄になっている。張遼本人も、滅多に来ない。

 呂布は小さく息を吐いた。いたら、軽く手合わせでもしてもらおうと思ったんだが。

 と、この中庭に面する居間の方から扉の開く音がして、長い黒髪を尻尾のように束ねた背の低い娘が顔を出した。こちらを見て、慌てて頭を下げる。呂布はそれを見て笑った。


 貂蝉ちょうせんは、良い娘だ。

 ありあわせの衣服や質素な食事に文句を言うこともなく、下女のやるような家事も嫌な顔ひとつせずに、むしろ真面目に良く働いている。引っ込み思案で無駄な事は喋らず、向こうから必要以上に近付いてこないのも、そもそも若い娘にどう接したら良いのかわからない呂布にとってはありがたかった。


 布団を抱えてパタパタと駆けていく貂蝉。その姿は子犬のようで、見ていると何だか心が穏やかになる気がした。そういえば、ずっと家事を任せているばかりで、何の礼もしていない。呂布は剣を納めると、布団を置いて再び居間を通った貂蝉に声をかけた。

「貂蝉、あー、ちょっと出かけるぞ」

「!」

 今だに怖がられているのか、呼びかけると毎回驚かれる。

「?え、あの……い、いってらっしゃい」

 そして、言葉の丁寧さが不完全だ。が、お堅い口調よりずっといい。

「いや『いってらっしゃい』じゃなくて、オマエも来るんだよ」

「!?」

 身体も治ったことだ、母上殿のところに戟を返してもらいに行きがてら、街に出てお礼の品でも買ってやろう。




「お前どう思うよ?跡目問題」

「ああ?そりゃ呂布に決まってんだろ。なんたって万夫不当の豪傑だ」

「いやけどよ、血縁からいきゃあ李儒りじゅ殿だろ?呂布は養子だぜ?」

「あ~ダメダメ、董卓軍の看板背負うのにあのひょろい李儒殿じゃあな。潰れちまわぁ」

「ハハッ、そりゃ違いねえ」

「いや~前から不安だったんだよなあ…」

「!おい、張遼さんだ!」

「「お疲れ様です!」」


 馬上のままで兵の挨拶に片手を上げて応じると、張遼は隣の曹性に意地悪く尋ねた。

「ほほう、こんな末端まで話がいっているとは。呂布の奴が親父殿の跡目を狙っているという噂は、案外本当なのか?」

 ぐったりと馬の首に寄りかかっている曹性そうせいは、顔だけ動かして答える。

「ウチの若がンなこと考えてるわけないでしょう?知ってるくせに」

「ああそうか、今はあの小娘に骨抜きにされてるんだったか?はっはっは!」

(若のことになるととことん意地悪だなあ…)


 張遼と曹性は、共に徐栄じょえいの騎馬隊訓練に参加していた。といっても以前曹性がやった基礎ではなく、指揮官としての参加である。張遼にはもはや基礎は必要無いし、曹性は基礎で潰れてしまう。それを鑑みての、徐栄の配慮であった。駆ける量は多少減ったが、それでも曹性にはギリギリだった。


「いや、貂蝉はいい子でしょう」

 曹性も何度か会っているが、小さくて可愛らしいし、良く働く娘さんだ。ちなみに、呂布軍の中で曹性だけが唯一怖がられていない。

「うむ、アレは小さいがなかなかできた娘だ」

(あ、そこは認めるんだ)

 この人も良い人何だか何なんだか。横目で張遼を観察しつつ、話を戻す。

「それはともかく。跡目がどうのとか、董卓様は全然元気なのにそんな話どこからでてきてるんです?怒られますよ?」

 それを聞いて張遼は笑った。

「そんな些細なこと、親父が気にするわけもあるまい。まして婿にあの賢い李儒殿がおるのだ、どんな噂が流れようと、あのちゃらんぽらんが何をどう頑張ろうと、変わりはせんよ」

 そりゃそうだ。ただ、別にそんなことを狙って頑張りゃしませんけど。そう返そうとしたが、

「ま、そういうことだ。残念だったな」

意地の悪い声に遮られ、返す言葉は腹へと消えた。そして飲んだ言葉の代わりに出たのは、あきれたため息だけであった。




 急に鼻がムズムズとして、

「lっっくしょい!」

たまらずくしゃみが出た。反動で鼻をすする。

(…風呂の入り過ぎでおかしくなったかな?)

 モノのついでと呂布が後ろを振り返ると、貂蝉がまた3歩ほど離れていた。

「だーかーら、離れんなって」

 その声に怯えた様子の貂蝉は、それでもパタパタと駆け寄ってくる。

「…横を歩いてくれた方が助かるんだが」

 すぐ後で止まった貂蝉は、大きく横に首を振った。呂布は困った顔で前を向き、歩き始める。

(いっそ前を歩いてくれねーかなあ)


 長安の街は現在活況であり、景気も威勢もいいが、勢い余って少々ガラが悪い。見るからに大人しい小柄な娘が一人で歩いていると、どんな揉め事を呼び込むかわからない。だから目の届く位置にいて欲しいのだが、貂蝉は頑として後ろから出てこなかった。いっそ手を繋いで引っ張ってやろうか、とも思ったが、いきなり触れていいものやらどうやら。とは言えどうやって手を握るところにもっていったらいいのかなど当然わからない。そもそもあんな小さい手を、オレが掴んでいいものか?大丈夫なのか?そんなことを思う反面、そのやわらかそうな手を少し触ってみたいような気もして、呂布は頭の中でそれを慌てて否定した。

「ぃっ!」

 背後で聞こえた小さな悲鳴に慌てたまま振り返ると、後ろ姿の男が2人、貂蝉がいたであろう位置に立っている。呂布は動いた。

「痛てえな嬢ちゃん、どこ見て歩いてんだよ?ああ?」

「あ~あ、怪我しちまったよ。どうしてくれんだ?」

 案の定、な台詞が聞こえた。その時には既に、呂布の手は男達の肩に置かれていた。

「…オレの連れに何の用だ?」

 笑顔で力を込める。病み上がりで加減がいまいちわからないので思い切り握ってやると、

「!いででで!な、何だ、て、め…ぇ……」

骨も軋む激痛に叫んで振り返った男達は、自分より頭一つ以上大きい筋肉質の男の姿に見る間に青ざめた。呂布はそのまま2人を左右に突き飛ばすと、野犬でも追い払うかのように手を払う。どう見積もっても勝てそうに無い相手にあしらわれ、男達は逃げるように駆けていった。

 貂蝉は、地面に腰を落として震えていた。涙ぐんだ目でこちらを見上げている。

 大丈夫か?

 立てるか?

 痛くないか?

 ちゃんと見ててやればよかった。すまなかった。

 いろんな言葉が頭を巡り、結果、口から出たのは

「…だ、だから言ったろ?横を歩けって」

そんな言葉になっていた。同時に、何とももどかしい感情が胸を圧迫する。

 貂蝉はその言葉に小さく頷くと、よろっと立ち上がって尻をはたく。が、はたき終わってもその場でこっちを見上げているだけで、横に来ようとはしなかった。

 改めて見ると、小さく、弱々しい。守ってやらねば。呂布が口を開こうとすると

「…だ、だって…」

弱々しく何か言おうとした。構わず、手を取る。そのか細く、冷たく、柔らかい感触に驚きながらも表に出さず、顔に出てしまっているものをごまかすように呂布は前を向いた。

「これで、大丈夫だ」




 貂蝉、というのは本当の名ではない。名は、覚えていなかった。

 その娘は、洛陽の商人の家に生まれた。と言っても、家主の息子が下女に手を出して生まれた子である。家は3流であり、子が生まれたからと言って下女を妾にする余裕もない。生まれた娘は当然、下女になる運命であった。主人と同じ空気を吸わず、主人の前で顔を上げず、付いて歩くことも許されない。そうして育った。

 

 3流ゆえに低調だった家の商売が董卓の洛陽入りでいよいよ傾くと、まだ若く、それなりに値のつくその娘は真っ先に売られた(召使の売買は普通に行われていた)。父からも母からも愛情を受けずに育った娘は、売られることを特別とは思わなかった。もう少し年を取れば身体を売ることにもなる、その現実も、貧乏商人の下女の暮らしの中では当然のこととして受け入れていた。

 売られた先は近くの大商人であった。そこでは、多く雇われていた召使達にも人並みの生活が与えられており、下女が身体を売っている、などということも全く無かった。むしろ、それは悪い事だ、と教えられさえした。ここでの暮らしは、大商人だけに忙しくもあったが、穏やかであった。娘はここで、新たな常識を覚えた。

 しかし、そんな平和は1年ともたなかった。董卓軍の財産狩りの標的になり、家が襲われたのだ。屋敷は破壊され、人は殺され、女は犯された。あまりの恐怖と嫌悪に、娘の心からはこのとき記憶が無くなってしまっていた。

 事が済み、財産として董卓軍に接収された娘は、その後小さな民家の召使になった。老夫婦2人暮らしのその家は、息子が都の兵士だった。都の兵が全て董卓軍に編入された際に、娘は物として支給されたのである。それを、両親の世話のために贈ったのだ。老夫婦は確かに世話が必要なほどに呆けていたが、良い人たちであった。

 それからほどなくして長安への移住があり、落ち着く間もなく、巷で流行の強盗に攫われたのである。老人しか保護者がいない若い娘は、狙いやすかったのだろう。攫われた娘の心は消した記憶が蘇るほどの恐怖に襲われたが、それは予想外にすぐに終わった。攫われて、解放されたのは、人の良さそうな老人の前であった。今まで見たこともない大豪邸に住むその老人は、王允と名乗った。


 王允の言うことには、呂布、という男に捧げられるらしい。呂布の名は相当に知れ渡っていたが、底辺の下女にまでは届いていなかった。あの董卓(さすがに董卓は知っていた)の息子であるその男は、傍若無人で女を犯しては食うような、凶暴な人間だという。このままではどんな犠牲が出るかわからない、なので生贄として捧げられてくれ、そんなようなことを涙ながらに頼まれた気がする。そして、貂蝉、という名を与えられた。

 これまでかろうじて命を繋いできて、自分の意志で生きる、ということを知らない娘は、それでも思った。

 (何て都合のいいことを言ってるんだろう…)


 その後連れて行かれた先では、まさかの董卓が待っていた。それはもう現実感の無いものだったが、ごつく厳つい大男と、その隣の艶やかな美女の夫婦は、何故か自分に優しくしてくれた。息子を頼む、的なことを言われた気もする。人を食うような息子の元に送る女だから、せめて最後だけは優しくしてくれるのだろうか?そんなことを考えていたら、手紙を渡され、奥様の方に優しく抱き締められた。すごくいい匂いがしたが、いよいよわけがわからなかった。


 このわけのわからない状況で、恐怖の中尋ねた呂布は、とんでもなく大きく、逞しく、そして裸だった。

 あまりのことに泣き出してしまったが、とは言え襲われることもなく、もちろん食べられるでもなく、大きな身体を小さく縮めてひたすら謝る呂布は、聞いたような人間には見えなかった。何日たっても手を出される事もなく、働いたら褒められ、食事はまさかの同じものを、どんなに遠慮しても許してもらえず、根負けして食べさせられた。この人は、自分を下女として扱ってくれない。それだけで、もうどうしていいかわからなかった。

 若い男、と言うだけで怖い。それが、熊のような大きさである。けど、いい人なのかもしれない。そう思い始めていた。よくこちらに向けられるあのぎこちない表情は、笑顔なのかもしれない。


 今、手を引かれている、その手。驚くほど大きく、硬いその手は、にもかかわらずとても優しく自分の小さい手を握っている。こちらから触っても、ピクリともしない。力が入っている。握り過ぎないように、止めてくれているのかもしれない。

 見上げないと見えない、大きな背中の上の顔。さっき、男たちを追い払ってくれたときに見た、男達の頭の上から覗くその影は、本当に熊のようだった。「大丈夫だ」と言われて、大丈夫だ、と思えた。

 と、熊さんが立ち止まり、振り返った。

 ぎこちない表情を向けるその手には、湯気を立てる饅頭が握られている。そんなことをされた経験は、無い。けど、多分、私にくれているのだ。

 これは、なんだろう?温かいのは、目の前に差し出された饅頭の湯気?

 白い湯気が揺らめく。饅頭も、それを持つ大きな手も、ぎこちない顔も、全てがゆらりと歪む。

 なんだろう?空気はまだ肌寒いのに、握られた手は暖かく、目の上も、どんどん、熱くなって。胸の奥が、温かくて、熱くって、目を、開いていられない。


 「ちょ、貂蝉、どうした!?な、何か、ダメだったか?」

 黒い尻尾が左右に揺れる。饅頭で泣くとは思ってもみなかった。呂布は、握った手を離すのも忘れてあたふたしていた。




 その頃、董卓の館では。

「おお、李儒!どうだ、長安は?上手くまわっているか?」

「はい、義父上。人口増加に伴う混乱は多少残っておりますが、街の拡大、流通の確保、その他諸々万端問題無く。まずは……」


 長安を任された者として、董卓への報告は業務の一つである。滔々と報告を進める李儒に対し、董卓は座に大きく座って話を聞いているが、隣の夫人は退屈さを隠していなかった。遠慮なく欠伸をしている。


「……以上です。洛陽で徴収した財は未だ相当額であり、先の展開に不測があっても問題なく対応できるかと」

「む、ご苦労!ワシが苦手な分、お前がそういう仕事を管理してくれるのは本当に助かる。今度何か褒美をやろう!」

「!ありがとうございます。それでは……」

「お話中、失礼致します!呂布様が来られました!」

 話を止められ、李儒は苦い顔を見せた。しかし夫人は、

「あら!奉先ったら元気になったのね?すぐ呼んでちょうだい。あの子は、貂蝉ちゃんは一緒かしら?」

急に目が覚めたかのように口を挟む。それを見て、笑う董卓。

「お前は本当に奉先が好きだな。何だか、ちょっと妬けるわい」

「あらあ、仲ちゃんは別格よ?あ・た・・り・ま・え・でしょ」

 場の空気が一気にしらける。李儒も思わず半目になった。 

「すまんな李儒、褒美はまたあとで話そう」

「はい、ありがとうございます。では」

 李儒は頭を下げ、2人に背を向けた。正面からは、呂布が女を連れて向かって来ている。

「呂布殿、ご回復、おめでとうございます!」

「お、李儒殿!久しぶりだな!いやはやすっかり長いこと休んでしまって申し訳ない!」

「いえいえそんな……」

「ちょっと奉先~、は~や~く~!あら、貂蝉ちゃんも一緒じゃない!んもう奉先もやるわねぇ」

「ええ!?や、やるわねって言われても……」

 今一度、義父と義母に礼をすると、賑やかになっていく謁見の間から李儒は静かに立ち去った。



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