エピローグ
私は病室の窓から外を眺めていた。
傍らには数日前に生まれたばかりのかわいい赤ちゃんが、すやすやと眠っている。
あれから二年後、私と隼人さんは結婚した。
結婚なんてとかたくなに思っていた私だったが、彼と一緒にいるうちに、そんな思いは薄らいでいった。
彼の存在自体が、その気持ちを溶かしてくれた。
自然と、そういう方向に気持ちが固まっていったのだ。
本当の愛があれば、そんな事は何の問題にもなりえはしなかった。
彼という存在は、それだけ大きかった。
私を包み込んでくれるその愛は、とても大きいものだった。
そのことが、彼と日々を共にする事でわかっていった。
そして一年半たった今、私達にはかわいい女の子が誕生した。
この上ない位、愛しい存在・・・私たちの、愛の結晶。
私達はその子に、‘‘愛‘‘と名づけた。
階下から隼人さんの声がする。
「あおいー!大悟たち来たぞー!」
大悟さんとカノンの姿が見えた。こっちを見て手を振っている。
その後ろを、一人息子の秋人くんがちょこちょこと走りまわっている。
私はクスッと笑った。
私達は満たされぬ思いを抱きながら傷付き、迷い、生きてきた。
そして、それを埋めあえる相手と出会い、恋をして、本当の愛を知り、永遠の誓いを立てた。
これから先、いろいろな事があるだろう。
時には相手を思いやれなくなったり、信じられなくなったりする日が来るかもしれない。
心がすれ違ってしまう事が、あるかもしれない。
相手を、愛を、見失ってしまう日が来るかもしれない。
そしたら私は、あの橋の上へ立とうと思う。
二人が出逢った、真実の愛を見つけるきっかけとなったあの、運命の橋の上に。




