14話 無詠唱って、難しい…
研究を始めて2ヶ月以上が経ち、研究方針の第2段階まで終わらせた。杖を完成させた昨日は、みんなよく眠れた。
しかし、今…
「魔法式の記号化って、難しいな…」
「仕方ないです…全属性の全魔法を記号化なんて、普通に鬼畜ですよ」
「そうだよなぁ。ノアって、すごいよなぁ。」
セレディが嘆くとイリシアが励ます。2人はノアの方を見た。
「この響きの部分は、この属性の共通だから…ここを表すのは、この記号を使う。で、切り込むイメージのがこの記号で…いや、こっちかも?」
ボソボソと独り言を言いながら、記号化を進める。
「ノアでも1つの魔法で、もう7時間もかけてるんですよ?属性全部って…」
「しょうがないよね。式と記号って、全くの別物だし。」
「そっすよね。俺らは同じ振り方で450本の杖を1本ずつ確認しないと。」
「終わりが見えないね。」
ミリアはカインと話すが、朝から休憩も取らずに杖を振っているため、疲労で焦点が合っていない。
〜1ヶ月後〜
「できた!できたよ、ノア!」
「やっと…!」
ノアがずっと考えていた、火属性の魔法を記号として空気中に書いて放つことができた。
エースたち「やったー!」
「1ヶ月だよ?1ヶ月!宴だー!」
エースたち「まだ早い!」
レオンハートが宴を開こうと提案するが、他のエース全員が止める。喜びから、どんちゃん騒ぎになりかけたが、落ち着いたノアが言う。
「とりあえず、杖の選定から始めましょう。杖の性質もわかりますし、450本全てで今までの作業をするのは、非効率ですからね…」
ノアたちは全員で杖を振り、450本のうち8本が媒介として機能した。
「8本だけ…」
「ま、まあ大丈夫です、エルヴィさん!これらの杖は、確か全て妖樹と魔物や魔法動物の素材から作られていることがわかります!」
「そうだね…切り替えないと。ふぅ。じゃあ、媒介となるのは、必ず妖樹を使う必要がある。そして、魔物や魔法動物の素材が必要。あと、魔法石もだね!」
「はい!」
エルヴィは最初、頑張って作った杖がほぼ使えなくなったことを悲しんだが、すぐに切り替えて研究を続ける。
それから、エースたちは交代で杖を振り、ノアは記号化を続けた。
〜5ヶ月後〜
「これで13回目…雷属性最後の魔法です。これで発動しなかったら、この魔法は無詠唱では不可能になりますね。」
「この記号で13個目…」
ミリアが杖を振る。
バチバチッ!ゴロゴロ、バリーンッ!
一同「!!」
みんなで顔を見合わせる。
「せ、成功ですっ…!」
一同「やったぁぁぁっ!」
全属性の全魔法が無詠唱化された、歴史的瞬間になった。ノアたちは喜びで、無詠唱魔法を乱発した。
パチパチパチ
「よくやったね。みんな!」
「!」
ルカとヴァルロスが研究室に来た。ちょうど、このタイミングで来たらしい。
「魔法の無詠唱化、おめでとう!今日は、ヴァルの奢りだ!」
「うむ!学院としてだけでなく、魔法界に革命を起こしたんだ。君たちは、すごい!おめでとう!」
一同「ありがとうございます!」
その晩、全員は"アーセナルレストラン"にいた。
「学院長の実家って、ここのレストランだったんですね!」
「アーセナルは私の一族しかいない。ミリアなら気づいていただろう?」
「もちろんでーす!」
現在はキャラバンの期間ではない。そのため、ヴァルロスの実家のレストランを貸し切って、打ち上げになった。
「ノア、ほんと頑張ってたよな!特に最後!」
「最後の方は意地ですよ。ここまで来て諦めたくないので!成功するまでは、卒業後でも皆さんを研究に参加させるつもりでしたし!」
「それは困るよ!あはは!」
ノアたちは、約9ヶ月に及ぶ研究の思い出を話している。
2時間後、全員はこれからのことについて話していた。
「あたくしは、教員になりますわ!あたくし、静電気で髪が爆発しますの。そういう、魔法のちょっとめんどうな所も、しっかりと愛せる魔法使いを育てたいですわ!」
「私はこのまま学院に残って、1番強くなるわ!ノアは?研究も終わったし、他の研究するの?」
「私は、旅に出ようかと…」
全員「…」
その場が静まる。ミリアとルカ、ヴァルロスは少し俯いている。
「ど、どうしたんですか?」
「ノア、なんで旅なんだい?魔法は?」
「元々、学院に来たのは、ティーチャー・クローネの提案だったんです。と言っても、彼は私をアシスタントにしようとしてただけでしたが…」
エースたちはルカを、呆れた目で見る。ノアは話し続ける。
「私は、両親も義両親も殺されたんです。本当の両親とは、生まれてすぐに死別だったので、思い出はないですけど。でも、義両親とは7年間の思い出があるんです。あの日も、いつまでも一緒にいると思ってました…」
「だから…相手を殺そうと?誰を?」
「義両親の仇はもう死んじゃったんですけど…魔王の手下だったんです。」
ミリアが、ノアの手を取る。
「魔王なら、私たち魔法使いは太刀打ちできないよ…」
魔物程度の弱い存在なら、魔法で討伐可能だが、魔王や手下、悪魔などの上位の魔物は、金属の武器で攻撃する以外に討伐方法はない。
「はい…なので、旅に出て仲間を探しながら行こうかと思ってるんです。」
「なら、私たちが行く!」
レオンハートが名乗り出るが、ノアは首を横に振る。
「ダメです。私の復讐に巻き込むわけにはいきません。お気持ちだけで十分なんです。約1年でたくさんの思い出を貰いました。私は自己満足で、皆さんまで失いたくないんです。」
「っ…」
レオンハートは静かに俯く。
「でも、すぐじゃないですよ!記号を簡単にする作業が残ってます!私は、それが終わるまでは学院に残りますから!」
ノアは切り替えて言った。
「そうだよね…よし!明日から、忙しくなるよ!みんな!」
エースたち「うん!」
セレディが、皆を切り替えさせる。
一通りの話が終わり、ラストオーダーの時間になった。
「学院長!私、デカ盛りパフェ食べたいです!」
「い、いいぞ!…」
(あれ、作るの大変なんだよな…)
ノアはパフェを食べながら、旅に出る日程を決める。
「魔法使いギルドは、地上でも機能するようになっている。いつ地上に出ても、支援は受けられる。ノアの今のランクはA。特別に良い待遇が受けられるだろう。」
ヴァルロスは饒舌で話す。
「だが、魔法使いギルドの規模は小さい。冒険者ギルドに入るのをおすすめする。あそこの、ギルド総括マスターは知り合いだ。手紙を出しておこう。」
「ありがとうございます。」
ヴァルロスの話を聞いているうちに、エースたちは何やら作戦会議をしていたらしい。コソコソと、店の隅で話している。
「皆さん?」
ビクッ!
「な、何ぃ?」
レオンハートがゆっくりと振り向く。
「何を話してるんですか?もしかして…私を止める策を…!」
「ち、違いますわ!」
皆が慌てて否定する。
「じゃあ、なんです?」
「それがね…ノアは、杖がないでしょ?だから、旅に出る時に杖をあげようと話し合ってたんだ…」
ミリアが言う通り、450本のうち8本しか機能しなかった。エースたちは、それぞれが合う杖が見つかる形で携帯し、使っているが、ノアはどの杖も扱えるため、杖は決まっていない。
「ああ!ありがとうございます!とっても嬉しいです!」
「良かった…でね、ノア。何の素材を融合させたい?」
「そうですね…」
(私はどの杖も使えるが、ミリアさんたちには合う合わないがある…)
ノアの中で考えられるのは、全属性使えるかどうかだった。
「では、皆さんの杖に使われてる素材を!あと、オムケルが良ければ、鱗なんかを…」
「そんな多いのか…融合できるのか?」
「きっとできます!」
セレディが今まで融合させてきたのは、多くて3種類まで。10種類となると、さすがに不安になる。珍しく不安になるセレディを、ノアは励ました
次の日から、記号を簡単にする作業が始まった。
ノアの考えた記号をなぞるように杖で書いているが、それでは遅い。杖を一振するだけで魔法を発生させられるように、記号を短縮する。
「ここを繋げて、これを削れば…どうですか?」
「それなら、ここも削れますわね。」
「確かに…!では、ここの振りは、こんな感じですね!」
少しずつ短縮化していった。
半年後、ノアたちはヴァルロスのいる学院長室にいた。
「では、研究成果を見せてもらおう。」
一同「はい!」
記号の短縮が終わり、魔法の無詠唱化が本当に可能なのか、ヴァルロスの前でテストする。このテストで認められれば、晴れて無詠唱化成功が魔法界に広まる。
「"ファ"…」 ヒュンッ
ブワァァ!
ミリアが詠唱するのと同時に、ノアが杖を振った。火を起こす魔法"ファイアー"。杖を一振、詠唱よりも速く魔法が発生した。
ミリアとノア、エースたちもヴァルロスの反応をうかがう。
「…魔法無詠唱化、成功とする!よくやった!」
一同「よしっ!」
ヴァルロスからテスト合格を言い渡され、ノアたちは喜びで舞い踊る。
「これから、無詠唱魔法を学ぶことが必須になるだろう。その時、教科書には君たちの名前が書かれる。魔法史に名を刻んだんだ。」
「はい!これから、どんどん普及していきますね!」
「ノア!研究室を片付けないと!」
ノアたちは研究室に戻り、今までの話をしながら片付け始めた。ルカとヴァルロスも手伝ってくれるらしい。
「ノア、本当に旅に出て復讐をするんですか?」
「魔王は4人いるのよ?1人ずつ殺すのは、無謀というか…不可能よ!」
イリシアとレオンハートは、ノアを説得する。
「ノア、いいかい?金属の武器しか、攻撃が効かないんだよ?仲間って言ったって、ノアは人見知りだろう?僕たちも一緒に行くよ。」
「セレディ先輩の言う通りだと思う。ノアはまだ9歳になったばかりだよ?危険なんだよ…」
セレディとエルヴィも止める。
「そう言ってもらえるのは嬉しいです。でも私は、許せないんです。せめて、ちゃんと理由があってやったのか知りたいんです。なぜ、クララとロアンだったのか…」
ノアは、復讐から離れて考えてみて、殺された悲しみよりも、"なぜ殺されたのか?"という疑問が出てきたのだ。
「皆さんには、帰ってきた時に、"おかえり"って言ってほしいんです。しかも皆さんは、まだ学院で学ぶことがありますし。」
「ならせめて、杖を持っていってくださいまし。あたくしたちを連れていく感覚ですわ。あたくしたちは、ノアに無事に帰ってきてほしいんですのよ。わかっていますの?」
「わかってます。絶対に戻りますから。」
ゼファティスに釘を刺されながらも、ノアの意思は変わらない。
「行くのはいいよ。ただし、無詠唱魔法を広める旅として行って。」
ノアがなかなか折れないため、諦めたミリアが不貞腐れたように言った。
「確かに!ミリア先輩の言ったようにすれば、きっと楽しい旅になる!」
「負の感情は悪い物だからな。魔法を広める名目なら、ノアも楽しく旅をして、気持ちよく進めるかも…」
カインとルシルは、ノアが魔王となるのを防ぐために話している。
1時間後、エースたちで決まったのは、ノアは"無詠唱魔法を広めること"が旅の目的とすること。
「これが守れないんなら、全力で止めるからね!」
「皆さん…守ります。何がなんでも!」
「気をつけて行くんだよ…?」
「もちろん!」
話が一段落したところで、研究室がある程度片付いた。散乱していた素材がまとまり、道が見える。
「いやぁ片付いたな!にしても、あのメモリーストーンはすごいな…」
ルカが、ノアたちがダンジョンから持ち帰った大きなメモリーストーンを指差して言った。
ジロジロと見ている。
「ダンジョン内に、家族でいるのが珍しいですよね。」
ノアが言うと、ルカが驚いたように言う。
「この男女は、大勇者パーティの2人だ!」
「昼間から酔ってるんですか?」
「違う!僕は会ったことがある。あの2人で間違いない。ヴァル!来い!」
奥の方で片づけを続けていたヴァルロスが来る。
「なんだ、ルカ?今忙しいんだ…でかい…」
「大勇者パーティの2人だよな?」
「ああ…間違いない…あの2人だ。ダンジョンで子供を産んだのは、本当の話だったんだな…」
ヴァルロスが言うなら、本当のことだとノアたちは納得した。
「これはすごいな!ぜひ、学院に寄贈してくれ!」
「どうぞ。大きいので、私たちではどうにもできません。」
「そうか!ありがとう!」
ヴァルロスは早速運び出す。
「ティーチャー・クローネ、2人の名前ってなんですか?私、大勇者パーティの知識が全然ないんです。」
「あの2人は、父親の方が剣聖"レオドール・レイディア"、母親の方が魔法使い"アリフィアナ・アステリオン"だ。」
「ヴァンさんのご両親、とても優しそうな2人ですね。」
「2人とも優しいが、レオドールはちょっとバカだったな!あはは!」
「人の事言えないと思いますよ…」
「なんか言ったか…?」
「いえ、何も?」
翌日、研究室には、エースそれぞれの杖で使った9種類の素材があった。
カインの杖、聖水。
レオンハートの杖、ファイアウルフの牙。
ミリアの杖、エアゴーストのマント。
ゼファティスの杖、ボルトボルトのボルト部分。
ルシルの杖、シャドウバードの羽。
エルヴィの杖、ゴーレムの核。
セレディの杖、アビスラビットの耳。
そして、ドラゴンであるオムケルの鱗。
これらの素材は、ノアの杖を作る話をしてから、研究の合間にエースたちがダンジョンに行って、持ち帰ってきたものだ。
「エルヴィ、妖樹をお願い。」
「はい。」
ヒュンッ
杖を振って、木を発生させた。これで、杖に必要な10種類の材料が揃った。研究室の中央のテーブルに置かれる。
「では、セレディさん。融合をお願いします。」
「ああ。」
ヒュヒュン
材料が全て浮かぶ。分子レベルまで小さくなりながら、1つにまとまっていく。妖樹が包み込むように、素材全てを取り込み、少しずつ杖の形になっていく。
「うわぁ!」
杖の生成は、1回の融合で成功した。できた杖は白くて真っ直ぐだった。
「成功して良かった…」
「お疲れ様です。これ、お水です。」
「ああ。ありがとう、エルヴィ。」
セレディは魔力を多く消耗してぐったりしているが、笑顔でノアを見ている。
「何か、得意な魔法でもやってみてくれ…」
「はい!」
(何にしようかな…あ!)
ビューンヒュン
ぼわぁぁぁ!
エースたち「わぁぁぁ!」
研究室が火の嵐に包まれた。幸い、片付けていたため資料などは無事だったが、壁が少し焦げた。
すぐに、カインとイリシアが消したが、一歩間違えたら研究室は火事でなくなっているところだった。
「ノア!あなたが学院内で火属性を使うのは禁止ですよ!」
「ああ。さすがに規模感が違いすぎる…」
イリシアは叱ったが、カインは慣れてしまったようだった。
「す、すみません!!」
ノアたちはヴァルロスとルカに、杖を見せに行く。加えて研究報告書も。
「すごいなぁ!もう試したのか?」
「はい!試したら、この杖は全属性に対して機能します!すごいです!」
「それはいいなぁ!」
ルカとノアは楽しく話しているが、ヴァルロスは難しそうな顔をしている。
「学院、この部分は私たちです。でも、ほとんどがノアの成果なので、お忘れなく…!」
「いいですわね?私たちがしたことは、助言と雑務程度ですのよ。」
「あぁ…わかった…」
エースたちはヴァルロスを囲み、研究報告をする。内容的には、"成果はノアが出しました"という感じだ。
「せ、セレディよ…もしかして、ノアに"特許"を取らせようとしているのか?」
「あはは!ソンナコトナイデスヨー!お金に困るのは、可哀想でしょう?ねぇ、エルヴィ?」
「可哀想ですよね?学院長?」
「…わかったから!お前たちは、その不敵な笑みを止めろ!怖い…!」
エースたち「ありがとうございます!学院長大好きー!」
ヴァルロスを半分脅すように、無詠唱魔法の特許取得者にノアを推薦させた。
「ノア!特許を取りに、王宮に行くよ!」
「はい!……は?」
ミリアの勢いで、反射的に反応したが、ノアはなんのことだかさっぱりだった。
「無詠唱魔法は特許を取っておけば、教科書に載る時とかに、お金が発生するの!取って損はないから、行くよ!」
ミリアに手を引かれて、王宮に向かった。
王宮に着くと、玉座の間に案内された。玉座にはアーサー王が座っており、隣にはセリスが立っていた。
ノアたちは跪く。
「君が無詠唱魔法を成功させたのかな?」
「い…いえ、私"たち"が成功させました…」
ノアは、無礼をしたかもと思い、アーサー王の顔をチラリと見る。
「ほほほっ!研究成果はそうだったなぁ。これは、魔法界に大きなインパクトを与えることだ。皆、よくやった!」
一同「ありがとうございます…!」
「では、無詠唱魔法と杖の特許取得を認める。特許取得者、ノア・フェレア!」
「は、はい!」
ノアはアーサー王の側まで行き、特許取得証明を受け取る。
「ありがとうございます!」
「うむ。ノアは魔法が好きかな?」
「はい!」
「では、これからも魔法を愛してくれ。」
「もちろん!」
ノアが元いた場所に戻る。エースたちはノアに向けて、ピースをしたり、グッジョブポーズをしたりしている。
「以上だ。気をつけて帰りなさい。」
エースたち「はい!」
「え…」
ノアたちは王宮を出て、学院に向かって歩き出す。
「なんで私だけが呼ばれたんですか?皆さんも1人ずつ呼ばれるはずですよね?」
「それは!ノア1人の成果だからだよ?」
ミリアの言葉に、ノアは固まる。
「え…でも…皆さんがいなかったら、成功してないですし、特許は取って損はないって言ってたじゃないですか…」
「でも、特許の独占っていうのは、儲かるんだよ〜」
「なら、みんなで分ければ…」
エースたち「だーめ!!」
エースたちは、すごい勢いで言った。
「ノアは、これから旅に出るんだよね?」
「はい…」
「お金はどうするの?ってならない?」
「なります…」
「特許があれば、銀行にどんどん貯まっていくから、急な出費の時は使える。」
セレディがスラスラと説明する。
「ありがたいですけど…なんでですか?」
「ノアは、絶対行く!一緒に行っちゃダメ!って言ってたでしょ。ならせめて、僕たちから貰える物は全部貰ってくれよ。」
「…!」
ノアは涙が出そうになるのを堪え、深呼吸をする。
「ありがとうございます…!」
深々とお辞儀をし、感謝を伝える。
「いいのいいの!私たちがあげられるのは、これくらいまでなんだもん!絶対に生きて、怪我なく帰ってきてよね!」
「そうです!ノアと行きたいのに、我慢して待ってるんですからね!」
ノアは頭をあげた。
「もちろん!絶対に帰ってきて"ただいま"って言います!」
ノアが出発するのは1週間後。1年5ヶ月に及ぶ学院生活に幕を閉じる。
学院編が終わります
15話から本格的な旅が始まりますので、お楽しみに
15話は3月26日に出す予定です




