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Himmel Vogel  作者: フラップ
Drehend
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30/56

考察

ーーーーーーーーーー



鳳流を撫でる。あの飛び方はシーナに酷似していた。それに切れが無い。疲れた様な飛び方だった。


つまり、ここに来るまでに何かあった。シーナを疲れさせるような何かが。


でももう僕には関係ない話だ。すぐに思考回路を遮断、部屋に戻ろう。


明日はアラート。何かあるかは分からない。全く予想できないのだ。同じ人間なのにここまで違う行動を起こすということが興味深い。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



翌日は何もなかった。つまり、例のプレハブの中で一日過ごした。


そういう日が戦争中に突発的に起こることがある。突発的、と言うのは、何もいきなり現れる、ということではなく予測できない、ということだ。


あのパイロットの身元が確認できた。やはり、シーナだった。いろいろと謎はある。なぜミカゴタラから、ミカゴタラ機で来たのか、謎が多い。


もう本人は死んでしまっているので確認が取れない。


また昨日と同じ思考だ。こういう時は諦めて考えていた方が良い。


例えば、プロネットの知らない所でミカゴタラとタラマニアが手を組んでいた場合。シーナがミカゴタラに亡命してミカゴタラ軍所属になっていた場合。


他にもいくつか考えてみたが、特に答えは出なかった。出すつもりで考えた訳でもない。


気怠い。ここのところ飛ぶ回数が増えていたからだろう。


適当に決めたデルタ・マークがいつの間にか僕らの編隊のシンボルマークになっていた。ワッペンが支給され、肩に付けさせられた。二人分だけ特注したのだろうか。


もうすっかり冬。余り好きな季節ではない。涼しいのは嫌いじゃない。でもこれは暑苦しいのが嫌いだからだろう。何時もサークルの外側から物事を見ていた。


わざわざ入って暑苦しい思いをする必要はない。周りに合わせるのが嫌だった。


虐めの対象になったこともあった。とびきり成績が良いわけでも権力があるわけでもないのにどうしてあそこまで威張れるのか不思議だった。少なくとも彼らが“見えない何か素晴らしいもの”を持っているようには思えなかった。


いつも離れたところにいた。それは僕を皆がそこに追いやった、とも見える。僕は望んでその位置についた。


風は強くもなく、弱くもない。風当たりが強い、と言うのは向かい風だったら良い離陸条件だ。簡単に対気速度を稼げる。対地速度は関係ない。


昔、爆撃機の編隊が猛烈な向かい風に遭遇し、対地速度がマイナスになった例がある。地上から見たら飛行機が後ろ向きに進んで見えただろう。


これは社会関係にも言える。自分では進んでいるつもりでも、周りから見たら後退しているわけだ。

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