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プロローグ ー居場所ー
人は、生まれた場所で生きるとは限らない。
物もまた、作られた役目を果たせるとは限らない。
壊れたから捨てられる物。
居場所を失って笑えなくなった人。
そんなものは、この世界にも、あの世界にも、山ほどあった。
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異世界。
魔王がいて、魔物がいて、勇者がいて、冒険者がいる。
誰もが英雄譚を夢見る世界。
だが、英雄たちが魔物を倒した後に残るものは、誰が片付けるのだろう。
崩れた橋。
詰まった水路。
捨てられた道具。
壊れた家具。
戦いで荒れ果てた街。
誰も見向きもしない仕事。
誰も褒めない仕事。
誰もやりたがらない仕事。
そんな依頼ばかりを請け負う、小さな店があった。
店の看板には、少し歪んだ文字でこう書かれている。
**『再配置屋』**
その横には、手書きで一言。
**「整えればまだ使えます。」**
これは、世界を救う物語ではない。
ただ、人も物も、本来あるべき場所へ送り届け続けた一人の青年が、
気付けば世界そのものを整えてしまった物語である。




