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さぬき恋物語  作者: くろくまくん


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4/5

最後の人

初めての通話で舞い上がってしまう凰太。


ゲームの中でだけでなく、メールや電話でも、さーちゃんとやり取りをするようになった。


凰太の恋は…始まったのか??



◯登場人物

凰太おうた

39歳

ゲーマー。兵庫県神戸市に住む。


さーちゃん、サエ

?歳

香川県に住む。元は神戸市に住んでいたらしい。

 さーちゃんとの通話はあっという間に時間が過ぎていった。楽しい時間って、なんでこんなに早いんだろう。


「あ、おーくん。もう3時やよ、明日も仕事あるけん、そろそろ寝よ?」


「あっ、ほんとや。ごめんこんな遅くなって…話してたらつい楽しくて」


「うん、うん。私も楽しかったよ。またゲームの中でもよろしくね。おやすみ」


「あっ、うん。またね、おやすみ」


 次の日も仕事だったが、恥ずかしい話、興奮してなかなか寝れなかった。



◇ ◇ ◇



 俺は、それからゲーム内と、メールとの両方でさーちゃんとやり取りをするようになった。


 ちなみに、彼女のチームにずっと居座っていたが、いったん戻って、お互いのチーム同士も交流するようになった。


「リーダー、もうあんまりフラフラしてたら、みんなやめちゃうよ〜!?」


 俺のチームのメンバーに言われてしまう。あ、一応なんだけど、このゲームでは俺は複数アカウントを持っていたので、彼女のチームにもいながら、自分のチームにもサブアカウントを置き、一応運営はちゃんとはしていたのだ。そのあたりは抜かりない。


「あぁ、ごめんごめん。フラフラっていうか、あれだよ、交流だよ」


 まぁ、テキトーな言い訳だけど。というか、正直このゲーム自体も長年やっていて、中だるみにはなっていた。初めの頃は自分のチームを設立したり、仲間をつのってチームを強くしていったり、そのうち強豪チームとの交流もしたり、イベントを企画したりと、色々やったんだが、まぁ結局のところ、色々やりすぎると疲れる。


 で、疲れるのはいいとして、たくさんの人と関わるわけだから、色々揉め事もある。


「誰々と誰々、デキてるらしいよ」


 そんなんどうでもいいだろ。


「昨日インしてなかったの、実は会ってたらしいよ」


 見てたのかって。


 俺はそもそも、現実世界でも人と関わることは苦手だから、せめてゲームの世界だけでも、もめることなく平和に過ごしていたかった。


 いたかったんだけど…


「おーくん、今日の対戦もカッコよかったよ」


 俺はニヤニヤしながら、さーちゃんからのメールを見る。結局、ゲームしたり、たまに電話したり、まぁほとんどゲームの内容だったりするから、ゲームのチャットの代わりに電話で言ってるだけなんだけど。


「私、面白い人好きだな〜」


 さーちゃんは、たまに無茶ぶりをする。あとでわかったことだが、ホントに思ったことがすぐ口に出てしまうタイプらしい。まぁこれが後々に良くないことになるわけだが。


 この時は、とにかく俺はさーちゃんのことばかり考えていた。


 ゲームも別にいつやめてもよかったんだけど、さーちゃんがしてるから、俺もしているという感じだった。


「さーちゃんは、このゲーム好きなん?」


「うん、好き。だって面白いやん」


「そっか…」


 たまにフェイントを挟んでみる。


「俺のことは好き?」


「んー、微妙」


「おいっ!」


 そういうところは、いつも上手くはぐらかされていた。まぁそういう俺も、あまりそういうことを口に出して言うのは得意ではなかったので、たまにフザケたような感じで言うことしかできなかった。


 ゲームの中だったり、メールや電話をしたりしていく中で、俺がはじめに、さーちゃんの声を聞くことで芽生めばえてきた恋心は、どんどん強くなっていくのを感じた。


 そんなある日のやり取りの中、俺はさーちゃんからまぁまぁショックなことを告げられる。


「私、このゲーム内で、付き合ってた人がいたんよ」


「え?それってネット上だけでなく、リアルでってこと?」


「うん、そう。今はもう付き合ってないけど、結構長いこと付き合ってたんちゃうかな」


「そうなんやね…その人のことって、まだ好きやったりするん?」


「んー、どうやろ。もしかしたらそうかも知れない。そうでもないかもしれない」


 俺は凄く嫌だった。もちろん、俺はただの友達だ。さーちゃんに何もいう権利はないが。ただそういう話を聞くのが嫌だった。


「その人、東京に住んでて。子供が小さい時やけど、連れて東京まで遊びに行ったこともあったな」


 そんな話、聞きたくない。


「そう…なんやね」


「手作りでケーキ作って持っていって。あ、バレンタインの時やったかな」


 なんて残酷なんだろう。俺はそんなことを聞きたくて電話してるわけじゃないのに。


 でも、ここで俺が怒っても、きっとなんで怒られないとダメなの、ってなるよな。


「今でも、そういう誰かと、付き合ったりしたいと思うことはあるん?」


「わたし、もう恋人なんていらんねん。付き合って…はじめは楽しかったり、色々あっても、結局嫌なことがあったり、別れることになるんやもん。そういうのしんどいやん?」


 俺のことは、どう思ってるんだろう?


「俺って、さーちゃんにとってどういう存在…なんかな?」


「うん、好きだよ。人として、っていうか。でも、男の人としてとか、恋人として好きとは違う。前も言ったやん、面白い人好きって」


 なんだよそれは。


「じゃあこうしたらいいんちゃうん?これから別れなかったらいいんやろ?さーちゃんにとって、最後の恋人になればいいって、そういうことなんやろ?」


「うん」


「じゃあ…俺がさーちゃんの最後の人になるわ。それでいいやろ」


「メールの画面みて」


 さーちゃんに言われて、俺はさーちゃんとのメールの画面を見る。すると「うるうる」というセリフ入りのウサギのスタンプが貼られていた。


「今、こんな気持ち」


 どういうことだ。


「すごく嬉しいよ。嬉しいんやけど…私、たぶんすごく臆病おくびょうになってる」


「臆病?」


「うん。気楽にゲームしたり、何も考えずに喋ったり、楽しく笑ったり。そういうことしてたら、辛いこと考えなくていいやん。でも、誰かを好きになってしまったら、きっと辛い時もあるやん。私が好きになっても、相手が好きじゃなかったら、辛いやん」


 まぁ、その通りだ。というか、それって今の俺の状態じゃないか。でも、俺は諦めなかった。


「もし、少しでもさーちゃんが、俺のことを気になってくれてるんやったら。ちょっとずつでもいいから。いきなり好きにならなくてもいいから。俺にチャンスをほしいんやけど」


「チャンス?」


 俺にだって、きっと可能性はある。


「だって、好きになれる可能性もあるやんか。もしやけど、俺がさーちゃんの最後の人になれるとしたら、きっと楽しくできると思う。今よりもっと笑えるようになれると思う」


「おーくん。それはきっと、新鮮しんせんだから気になるんだよ」


 新鮮ってなんだよ。


「新鮮って…なんか刺し身みたいやな」


「もぉ〜!茶化ちゃかさないで」


「いや、茶化すつもりはないねん。というか新鮮やから好きになるとか、そういうのじゃないで。いきなりどん!ていうデッカイ愛情じゃなくても。少しずつ少しずつ積み重ねていって、最後に死ぬ時にマックスの愛情くらいでもいいんじゃないん?」


「死ぬ時の話とか、しないでほしいんやけど〜」


「ごめん、それは例えばのやつな。でも、はじめからいきなり全力で、少しずつ冷めてくるより、そういうほうが良くないん?」


 俺は、自分でも何を言ってるかわかってなかったが、でも、思いつく言葉をさーちゃんにぶつけた。


「うん。ちょっと考えとくね」



せっかく仲良くなった感じでも、


結局いつもはぐらかされたりしてしまう。


そして、ゲーム内に元カレがいたことが発覚し


凰太はショックを隠せない…


凰太は果たして、さーちゃんの最後の人になることができるのか?

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