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さぬき恋物語  作者: くろくまくん
第五章 幸せなひととき

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イルミネーションもたまには悪くない

まんのう公園にたどり着き、日没までしばし仮眠を取る二人。


まんのう公園のイルミネーションはどんなものなのかな?



◯登場人物

凰太おうた

39歳

ゲーマー。兵庫県神戸市に住む。


沙絵さえ、さーちゃん

42歳

香川県に住む。元は神戸市に住んでいたらしい。

バツイチで、中三の娘がひとりいる。

 携帯のアラームが鳴っている……


「う……もう夕方になったんかな……?」


 まんのう公園の駐車場に着いたあと、日没にちぼつまで一時間以上あったので、車内で仮眠していた。


 助手席のさーちゃんを見るとすやすやとまだ眠っていた。マフラーを巻いて暖かそうにしている。


 普段の彼女も若く見えるが、寝顔を見ていると、更に幼く見える。42歳という実際の年齢より十は若く見えるんじゃないかな。俺がどちらかというと、年齢よりもけ顔だから、逆に俺のがめちゃくちゃ歳上に見られる気もする。


「パンケーキおいしい……むにゃむにゃ……」


 夢のなかでもパンケーキ食べてる〜!!


 相変わらず食いしん坊だな。でも、無理に我慢しているよりも、素直にそうやって言ってくれるほうがいい。


「さーちゃん、そろそろイルミネーション綺麗に見える頃やで〜」


「あ……めちゃくちゃ寝てたわ……もう暗くなってきたかな……?」


「うんうん、あまり遅くなってもあかんから行こっか」


 周りを見ると、来たときにはあまり停まっていなかった車も、かなり増えていた。


 ゆっくり中に入っていくと、他の観光客がいるにはいたが、そこまでごった返しているという感じではなかった。それに日が沈んで視界がそこまで広くないので、人がいたとしても、見えていないことも良かったのかもしれない。


「わっ! 見てみて、おーくん! 凄く光ってるよ」


 入り口付近は光のトンネルのようになっていた。さーちゃんと俺はその光のトンネルを、ゆっくりと歩いていく。


 すると、光のトンネルの出口の方に、イルミネーションというよりか、何か御伽おとぎの国のような世界が広がっていた。


「すご……」


挿絵(By みてみん)


 俺が見たことがあるイルミネーションと言えば、神戸こうべのルミナリエくらいだったが、ルミナリエは例えて言うと光のアーチだったり、光のお城、というイメージだ。


 ここ、まんのう公園のイルミネーションはまた違っていた。


 広大な公園の敷地に、なだらかな丘の全面に、光の草原がひろがっていた。


 赤、青、緑、ピンク、白、様々な色の草原が、多彩な模様で描かれている。まさに描かれているようだった。


「めちゃくちゃ綺麗だね〜!! おーくんあっちも行ってみよ」


「あ、う、うん。思ってたより、凄いイルミネーションやわ〜! びっくりしたわ」


 俺は都会よりも田舎のが好きと話したかもしれないが、別に自分をロマンチストと言うわけではないが、星空や、自然の景色、動物や花など、人口じんこうのものではなく、自然にあるものが基本的には好きだ。


 なので、イルミネーションというと、人が手を加えた完全に人口のものなので、自然ではない、というただのイメージだけで、なんとなく気取ったものという感覚で、避けていたのもあったかもしれない。


 でも、初めてイルミネーションも、それはそれで良いのではと思った。


 人が加えたというのは、言い方を変えれば、色々な人の努力で成り立っているものということだもんな。この綺麗な光景を作るために、色んな人がたずさわっている。もちろんそこにお金も絡んでくるかもしれない。でも、それ以上に、たくさんの人に感動を与えてくれていることに、感謝した。


「おーくん。私、幸せだよ」


「え、どうしたん急に?」


「大げさかもしれないけど、私今まで、ここまで誰かに大事にされたことなかったから。おーくんが、ホントに私のこと想ってくれて……大事にしてくれて。私も、もっともっと大事にしたいと思ったよ」


 暗くてよく見えなかったけど、さーちゃんは少し泣いている気がした。


「ありがとう。俺も、さーちゃんにいっぱい愛されていて、めちゃくちゃ幸せやで。あっ、でもさーちゃん」


「ん?どうしたの、おーくん」


 俺は、思っている気持ちをそのまま伝えることにした。


「幸せはまだまだこんなもんじゃあないで。これからずっと続くんやから。だって、俺……さーちゃんの最後の人なんやから」


 手を繋いでるさーちゃんが、少し震えていた。


「おーくん……好きっっ!!」


「いてっ!!」


 累計何十回目かの、さーちゃんアタックである。さーちゃんは感極かんきわまると勢いよくぶつかってくる。本人はじゃれているつもりらしい。

 

「あはは、ごめんごめん。あっ、チサから電話やわ」


 チサちゃんは今日は確か部活だから、今帰り中とかかな。


「あっ、うんうん。今イルミネーション見てるから、帰りにチキンとケーキ買って帰るからね〜」


 そういえば、前にも言っていたな。クリスマスはチキンとケーキ。電話を切ったあと、さーちゃんが俺に言う。


「あっ、そうそう。前にチサとネットで見てて凄いね〜て言ってたのがあって、できたら作ってみたいと思ったのがあったんやけどね……」


 その、さーちゃんから聞いた作りたいものは、とんでもないものだった。あ、決して危険という意味のとんでもないではないんだけどね。


イルミネーションをたっぷり堪能した二人。


帰りにチキンとケーキを買って、今晩は三人でクリスマスパーティーだ。


さて、サエの言う作りたいものとは何かな……?

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