表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さぬき恋物語  作者: くろくまくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

おーくんとさーちゃん

ゲーム内で知り合った、さーちゃんと


初めて通話をする凰太。


凰太はその声を聞いた瞬間に、恋に落ちる。



◯登場人物

凰太おうた

39歳

オタクゲーマー。


さーちゃん

?歳

 初めての、ゲーム内の人との通話。


 あ、正確に言うと、二人きりでの通話ということかな。初めのエピソードあたりで書いていたかもだけど、ゲーム内のイベントやらを企画していた時に、SNS配信とかはしていたので、そういう時は複数のプレイヤーさんとは話したりはする。


 まぁ正直、誰が誰かもわからなかったりするし、俺も、この当時は酒を飲みながらの酔っ払い配信とかだったから、緊張も何もあったもんではない。


 というわけで、シラフで、二人きりで。しかも女子と話すというのは、正真正銘しょうしんしょうめい、初めてのことだったのだ。


「もしもし…?さーちゃん?」


「ジョーカーくん?」


 俺は、さーちゃんの声を聞いて衝撃を受けた。なんて言うか、なんて言うか。ゲーム内では割と暴言を吐くキャラだったので、別にイメージしていたわけではないが、普通にチャキチャキの明るい子、っていうイメージだったのだ。


 まぁチャットの文字ではもちろんその人となりなんてわからないもんな。


 単刀直入に言うと、さーちゃんの声は完全に俺好みだった。そして、チャキチャキもせず、むしろおとなしい感じというか。


「ジョーカーくんの声って、思ってたのと全然違うやんね?」


 あれ?関西弁?


「え、違うっていうか…俺もそっくりそのまま返したいんやけど、その言葉。てか、さーちゃんって関西やったっけ?」


「えー、何回かチャットで言ってたと思うんやけど…四国の香川かがわやで?」


「は?香川!?うどんの?なんかイメージ全然違うんやけど!」


 まぁゲーム内のチャットでは、もちろんだけど、あまり身バレするような会話はしない。


「俺は兵庫県の神戸なんやけど…まぁ、元々は大阪やけど出身」


「あっ、私も元は神戸に住んでたよ!結婚してから香川にきただけやけん、香川出身じゃないよ」


 え、結婚…俺はその単語を聞いて、急激にえてしまった。


「さーちゃん、結婚してるんやね…」


「あ、結婚してたけど、もう別れとるよ?子供はおるけどね、一人」


 え、え。別れてる?でも子供はいる?もうなんか急激に情報が溢れ過ぎて、よく解らなくなってきた。


「んーと…香川に引っ越して、結婚して子供生まれたけども、今は旦那さんとは離婚していて、子供さんと二人暮らしっていうことなんかな?」


「うん、そう。ねぇねぇジョーカーくん」


「え、どうしたん?」


「ジョーカーくんの本名ってなに?ジョーカーくんやと、なんか変やんか」


 まぁそうなんだけど…もうひとまず情報を整理したいんだけど…


「あ。俺の名前は凰太おうたっていうんやけど。てかチャットでは気をつけてや?さーちゃんは本名ってなんなん?」


「おうた…おーくんやね、可愛いやん。私は…サエやからさーちゃんのままでいいよ。普通にリアルでもさーちゃん、って呼ばれとるし」


「おーくん…ま、なんでもええんやけど。さーちゃんはさーちゃんやね。わかった、サエって可愛い名前やんな。声も可愛いし」


 俺はちょっぴり照れくさかったけど、声のことも褒めてみた。


「うん、全然関係ないんやけど、おーくんって、ゲーム上手いやんね」


 ほんとに急に関係ないこと言う。まぁいいか。


「あ…まぁ普通くらいかな。そういえば、香川って結構遠いんちゃうの?俺、結構前に旅行で鳴門なるとっていうとこに行ったことあって、会社の先輩となんやけどね。大きい橋を渡って。んで、淡路島あわじしまを渡って。そんで更に橋を渡って…って、結構遠かったイメージなんやけど」


「鳴門は、香川じゃなくて、まだ徳島とくしまやで。そのおーくんが行った、鳴門からもう少しくらいかな?高速道路を進んで行ったら、香川に着くけん」


 さっきから、さーちゃんに名前呼ばれる度に、ちょっと嬉しくなってる俺がいた。おーくん、ってなんか可愛いよな。しかも、俺が好きな声で呼ばれてる。これはやばいだろ。


「あ、鳴門って、徳島県なんやね。四国自体、ほとんど行かへんから全然わかってなかったわ。あ、なんやったかな。その鳴門にある会社の保養所ほようじょのホテルに行く手前に、刺し身とか海鮮が美味しいお店に行ったんよ。あれはめっちゃ美味しかったわ〜」


「それって…『びんび屋』ちゃう?観光向けのとこやから、いつも混んでるし、ちょっぴり高いけど、美味しいやんね。私もそのお店好き。めったと行かんけど」


 わっ、さーちゃんもまさかの知ってる店だった。こういう共通の知ってるとこが出たら、なんだか嬉しい。


「またそのうち、香川に行ってみよかな〜。旅行気分で楽しそうやんね」


明石大橋あかしおおはしは、風が強いと怖いから気をつけてよ?」


 風が強いと怖い。そうなのか。そんなぶらんぶらん橋が揺れることはなさそうなんだけど…。


 まぁ、とにかく。俺とさーちゃんの会話は延々と続いた。


 でも、長い通話も気にならないくらい、俺はさーちゃんの声や喋り方が好きだった。


さーちゃんの結婚、子供…


そして離婚。


香川県で、刺し身が好き。


情報がどんどん入ってくるが、凰太はとにかくずっと声を聞いていたかった。


もし、この電話を切ったら、次に話す時がいつになるかと心配だったからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ